新丸ビルではすべての電力をこの「生グリーン電力」に切り替えることにより、ビルのCO2排出量がこれまでの約1/3に削減されるという。これまでも大丸有のグリーン電力利用は、しばしば取り上げてきましたが、その先をゆく「生グリーン電力」とは――。
まず、グリーン電力とは、風力、太陽光、バイオマス(生物資源)などの再生可能エネルギーにより発電された電力のこと。このグリーン電力は、電気そのものの価値に加え、「環境付加価値」を持っていると考えられます。
これまでのグリーン電力利用は、その「環境付加価値」を取引のできる証書の形に置きかえた「グリーン電力証書」を購入することで、グリーン電力を使用しているとみなされるというもの。つまり、グリーン電力そのものを利用しているわけではないんですね。
これに対して「生グリーン電力」は、グリーン電力そのものを、発電所から需用者に直接送るというもの。需用者はグリーン電力を「みなし」ではなく、自身が使用する電気として、直接使用することができるのです!
出光興産は、青森県上北郡六ヶ所村などで発電された生グリーン電力を、他の電力会社が持つ送配電網を使って、2010年4月から新丸ビルに供給。新丸ビルは、すべての利用電力を生グリーン電力に切り替えることにより、CO2排出量を年間約2万t、従来の約2/3を削減します。
コペンハーゲンで国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が開催されている今、東京の中心から世界に向けて発信されたこのニュース。大丸有の環境に取り組む意志が伝わってくるようです。
新丸ビルを所有する三菱地所と、電力を供給する出光興産は、今後、東京都・千代田区・青森県が進める「再生可能エネルギー地域間連携」に参加することも検討しているそう。これからも、大丸有から目が離せません!