地球大学は、科学研究の最前線を交えながら、地球環境のさまざまな問題や解決策についてトータルに学び、21世紀の新たな地球観を提示するシンポジウムです。2013年度は「食」を中心としたテーマで新たな社会デザインを目指します。
※ 現在はイベントを開催しておりません。
いま「食」のサステナビリティが問われています。
食の安全やファストフード化、新興国需要の急増に伴う食糧高騰、BSEや鳥インフルエンザ、マグロなど水産資源の枯渇や水不足、生物多様性の危機・・。しかし何より危ういのは、過度に「アウトソーシング」された私たちの食生活のあり方そのものではないでしょうか?
たとえば低い食糧自給率(外国の農業と水への過剰依存)、自分たちの食べものがどこから来て、どのように作られるのかが見えない他人まかせの食生活、そして戦後の"アメリカ化"のなかで価値観や食文化そのものまでアウトソーシングしてきた、私たちの暮らしの根幹がいま問われています。
一方で、日本食が世界でブームになり、3.11後の風評被害にもかかわらず食の"日本ブランド"は世界で存在感を増しています。フランス美食文化と並んで「日本食を世界遺産に!」といった動きもあります。
確かに健康・安全かつ美的な日本食は、次代の「地球食」(=宇宙船地球号の食)のOSとなり得るかもしれない。でも当の私たち自身の食生活は、そうした文化価値を担保しうるだけの暮らしの根幹を保持しているでしょうか?
"人を良くする"と書く「食」が、地球と人間のサステナビリティを脅かしている。食を軽んじる社会は、結局のところ人間を馬鹿にした社会とならざるを得ません。日本人として、地球人として、「食」のあり方を根本から見直し、リデザインする――。
日本の経済のハブであり、食のトレンドの発信地でもある丸の内は、そうした食文化における新たな価値創造のハブでもありたい。そうした思いを抱いて、今年度の地球大学は、さまざまな角度から「食」の根本問題に光をあてていきます。
地球大学 主宰:竹村真一