都会の人混みの中に一人でいると、かえって孤独を感じてしまう。そんな気持ちは、誰しも一度は味わったことがあるのではないでしょうか。都会には、知らぬ間にコミュニケーションのバリアが張り巡らされてしまっているのかもしれません。
そんなコミュニケーションのバリアを乗り越えて、「人に笑顔を、まちに元気を」届けようと、ユニークな活動を展開しているグループがあります。アラサー世代の7人が結成した「ハイタッチ隊」です。活動内容は、名前が示す通り、出会った人、道行く人とハイタッチをするというとてもシンプルなもの。まずは、汐留や丸の内で通勤・帰宅時にゲリラ・ハイタッチを行うことからスタートしました。
「そんな子供じみたことで、まちが元気になるか......」と、疑いの念を抱いたアナタ、ハイタッチは人の心をくすぐる不思議な力があるんです。挨拶でも握手でもフリーハグでもなく、手を上げてタッチするだけのシンプルさが、気軽なコミュニケーションのスイッチとなって、知らない間にニヤッとしてしまいます。
3月7日に行われた丸の内駅伝でもランナーを応援するなど、最近はイベントに呼ばれる機会も多くなったようです。今後は"ハイタッチ大作戦"と称し、企業や自治体とのコラボレーションや、自主イベントも計画中とのことで、ますます活動の幅が広がっていきそうです。
この活動が生まれたのは、「出勤前のジブン磨き」で注目を集める「丸の内朝大学」の「環境・ソーシャルプロデューサークラス」でのこと。授業の中でソーシャルビジネスの企画を作る実践型のこの講座で、今は主にグッズ制作を担当する中村るりさんの提案が、きっかけとなりました。
「私が育った田舎では、すれ違ったら知らない人とでも挨拶するのが当たり前で、挨拶をしないと学校に連絡が届いて怒られることもありました」
このように語る中村さんの故郷は、兵庫県の山間の町。濃密な人の結びつきの中で生まれ育った中村さんは、東京でのコミュニケーションの薄さに違和感を抱いていたといいます。
「東京で挨拶のムーブメントを起こしたい」
その思いが、ハイタッチ隊の活動へとつながっていきました。
リーダーの平井圭一さん曰く、「自分たちがまちに元気を届けようと思っていたのに、やってみたら自分たちが元気をもらっていることに気が付きました」とのこと。コミュニケーションは相互作用。届けようとした思いが戻ってくるものなのかもしれません。中でも、元気な人や、エネルギーあふれる人、また、キレイな女性にハイタッチできるとテンションが上がると本音もポロリ...。
ハイタッチ隊のかわいらしいロゴを作ったのは、ウェブや活動用のツール制作を担当する岡野知津子さん。この「タッチくん」は、三色ボールペンの落書きから生まれたそうです。企画やコンセプト作りを担当する伊豆昭美さん・堀母日花(もにか)さんに、広報・PRを担当する池田美砂子さん、イメージ重視・勢いで押すタイプのメンバーの中にあって貴重な(?)ブレーキ役を務める櫻庭伸也さんと、『男女七人夏物語』ならぬ『七人の侍』よろしく、一人一人が持ち味を発揮したチームワークの良さが印象的です。
メンバーの皆さんが朝大学に通い始めたきっかけはいろいろです。「朝の時間を有効活用したい」「夜より朝の方が時間をとりやすい」「早起きが苦手なので挑戦してみたい」「新しい人と出会ってみたい」「単調な毎日に変化が欲しい」「成長したい」などなど。
一方で、実際に通ってみて思うことを聞いてみると、皆さん声を揃えてご自身の変化を挙げていました。「自分が少し成長できたような気がする」「自分の中での意識が変わった」「自分の中の新しい一面を発見できた」と。早起きして出勤前にジブンを磨いてみたら、一皮も二皮もきれいに剥けて自分でもビックリ、ということかもしれません。「早起きは三文の徳」どころではありません。
桜の花が舞い散る4月。春の訪れを実感するこの時期に、新たな一年の始まりを感じ、桜の花に自身の成長を誓う人も多いのではないでしょうか。「そうそう」と頷いたアナタには、4月に開校する丸の内朝大学・第四期をぜひともお勧めします。
第四期の講座の種類は全部で14。「美人講座」や「究極のカレークラス」といった他に類を見ないユニークな講座から、マネーやエクササイズ、英会話のような、しっかりと押さえておきたい定番の講座まで。アナタにピッタリなジブンの磨き方がきっと見つかるはずです。
夏空がまぶしい7月、アナタの輝きも増している、かどうかは、朝の時間の使い方次第ですよ!
* 写真1枚目・2枚目: ハイタッチ隊の活動の様子
* 写真3枚目: ハイタッチ隊のロゴ
* 写真4枚目: ハイタッチ隊のメンバーの皆さん。手前左から時計回りに、池田美砂子さん、櫻庭伸也さん、伊豆昭美さん、平井圭一さん、堀母日花(ほり・もにか)さん、岡野知津子さん、中村るりさん。