東北関東大震災から10日が過ぎましたが、まだまだ被災地では緊急の支援を必要としており、さらにはこれから復興のための様々な取り組みが始まろうとしています。そのために何よりも役に立つのが義援金です。
日本赤十字社には20日までに220億円を越える寄付が集まり、本当に日本そして世界でたくさんの人々が被災者のために何かしたいと思っているのだということが伝わってきます。
しかし、日本赤十字に集まったこの寄付がどのように使われるのかをご存知でしょうか?このお金は本当に必要としている人に必要な時にわたるのか?もしかしたら緊急支援のためには別の団体に寄付したほうがいいのではないか?そんな疑問もかすめます。
そこで、寄付したお金がどこに行くのかを解説した記事を紹介します。これで寄付先を知って、あなたが助けたいと思う人のところに支援が届く寄付先を見つけましょう。
* * *
presented by greenz.jp(greenz.jpは、丸の内地球環境新聞をプロデュースしています、じつは。)
東北地方太平洋沖地震発生から1週間。震災被災者を支援するため、さまざまなところで「寄付」「募金」「義援金」の呼びかけが行われています。
しかし、結局どこに寄付すればいいのか、迷っていませんか?
様々な窓口がある中で、どこに寄付したら、最終的にどこにお金が行くのか、少しまとめてみました。
(諸々の数字は、2011/3/18現在、ウェブサイト等に公開されている数値を引用しています。)
Yahoo、mixi、GREE、はてな、ニフティ、DMM、ローソン、楽天銀行など、普段利用している様々なメディアサイトや企業が窓口となって、「義援金」を集めています。こうした義援金募金のほとんどは、「日本赤十字社(通称:赤十字、日赤)」を通じて、被災地に送られます。
グルーポン・ジャパンのマッチングギフト方式(上乗せ寄付)による寄付1.8億円や、ユニクロと柳井社長の寄付14億円も、送り先は赤十字です。
さて、その「義援金」が、具体的にどのように被災者へ届くのか、ご存知ですか?その使途は、今後設立される「義援金配分委員会」という組織が決めていくことになります。
通常、義援金配分委員会の構成員は、学識経験者、被災者代表、義援金交付団体、福祉団体代表。そして、配分先は、「被災市町村」を通じ、被害の度合いに応じて「被災者(世帯)」に個別に振り込まれる枠組みになっているようです。義援金は、被災者に直接渡される、見舞金という意味合いが大きいのですね。
義援金は、復興段階でのまちづくりや被災者の自立支援に効いてくる、重要な資金源になります。ただ、その具体的な使途が決定されるまでは、しばらく時間がかかります。さらに今回の震災の場合、市町村レベルの行政単位自体がかなりのダメージを受けているところが多く、市町村経由の枠組みがどれだけ機能するかは注視したいところです。「いま苦しんでいる人々を救いたい」と考えている方は、別の寄付の仕方も検討できます。
参考1)中越沖地震の際の義援金配分委員会設置要綱
参考2)平成20年宮城内陸地震の際の配分結果。個人単位の単価が出ています。
最も「現場」に近く、スピード感のある寄付をしたいなら、現地に入って活動している人道支援NGOへの寄付はどうでしょうか。海外の緊急人道支援で経験を積んでいる、有名なNGOが続々と現地入りし、初動の調査や炊き出し、支援物資の分配などに当たっています。
こうしたNGOは、団体によって、拠点や主たる活動地域が異なっています。
各団体の公式サイトを見れば、数日遅れで最新の活動レポートがアップされています。
また、主だったNGOのtwitterアカウントをチェックするには、@kasagohan 氏がまとめたリストが便利です。
http://twitter.com/#!/list/kasagohan/relief-ngos-list
知人や家族の縁があったり、仕事の付き合いがあったりで、特定の地域に特に寄付をしたい...というときは、こうした活動地域を見ながら、最も近い地域で活動を行なっているNGOに寄付を行うのがよいかもしれません。
こうした個々のNGOは数が多いので、どれか一つを選んで寄付をするのは難しいかもしれません。そんなときは、複数のNGOをまとめた「基金」を活用しましょう。
3/15に立ち上がった、Think the Earth基金は、上記のような活動中のNGOへの寄付を、一旦Think the Earth事務局が取りまとめ、複数の団体に振り分けていくという枠組みです。Think the Earth Projectは環境分野で活動実績のある、信頼できる団体です。
赤十字ほど大口の枠組みではなく、個別の団体を選ぶだけの理由はない、という方には、ぴったりの方法かもしれません。救援活動への直接的な支援をバランスよく行える点が、こうした基金の特徴です。
また、複数団体が加盟するジャパン・プラットフォーム(JPF)も、枠組みとしては近いかもしれません。こちらは振込手数料無料。JPFのサイトからは、どの加盟団体が、どこで、どのような活動をしているかの報告を見ることができます。
ジャパン・プラットフォーム(JPF)
外国からの寄付や、クレジットカード決済で支援金を届けたい場合、Global Givingの被災地支援プロジェクトをおすすめします。Global Givingの共同創設者の一人は、世界銀行出身の日本人。既に2万人以上の寄付者が、合計150万ドルを超える寄付を行っています(目標額は当初の80万ドルから200万ドルへ、そして今は400万ドルへと引き上げられています)。
最小単位25ドルから1,000ドルまで、キリのいい数字を選んで寄付できるのもポイント。クレジットカードやpaypal経由で簡単に決済ができます。Global Givingの主な支援先は、国際人道支援団体インターナショナルメディカルコープと、セーブ・ザ・チルドレン。
そして、ガソリンを始め、粉ミルクや紙おむつなど、そもそもモノがない状況に問題意識を感じている方は、日本ユニバーサルデザイン研究機構(通称:ユニバ)への寄付を考えてみてください。ユニバへの寄付は、ガソリン、灯油、重油、軽油などの緊急物資調達に直接使われるとされています。ユニバはちよだプラットフォームを拠点に、個人からの救援物資の募集も行っています。(「生死を分けるアイテム」「枯渇しているアイテム」に限られます。詳細は最新のウェブサイトを参照ください)
被災地への救援物資を送付したい方へ - 日本ユニバーサルデザイン研究機構 *3/22現在、受付を一時中止しています。
以上、赤十字から個々のNGO/NPOまで、さまざまな「お金による支援」の形をご紹介しました。ぜひ読者の皆さまも、自分が一番納得できる対象に、寄付をしてみてください。