「LED知的照明システム」「輻射空調システム」を世界で初めて複合導入した次世代オフィス――新丸ビル10階エコッツェリアのオフィス部分で、1年間実験の結果、約30%※1の節電効果が得られました。
※1 新丸の内ビルの標準仕様照明・新丸の内ビル同等の空調システムと比較
オフィスでは仕方がないとあきらめてきた不自由さを解決したのが、このLED知的照明システム。一人ひとりが自分のデスク上にある照度計とパソコンから、仕事内容や体調、好みや気分に合わせて、照明の照度と色温度を個人で調整できるシステムです。
オフィスビルではJIS規格で推奨値とされる机上照度750ルクスの照度、昼白色5000ケルビンの色温度設定が一般的ですが、今回の実験によると、実はオフィスワーカーは350~450ルクスの照度、昼白色の蛍光灯よりも少し温かみのある3500~4000ケルビンの色温度を好むことがわかりました。
不必要な照度の削減、不必要な場所の消灯と、LED照明の採用により、このビルの標準仕様照明と比較して、約60%※2の照明消費電力をカットすることができました。
※2 新丸の内ビルの標準仕様である照明(蛍光灯FHP45W・2灯/750ルクス/昼光利用・人感センサーなし)と比較
ある席では暑くて卓上扇風機をまわしているのに、ある席ではブランケットが手放せない...こんな光景もオフィスではよく見かけますが、従来の送風主体の空調ではどうしても局所的に温度差が生まれてしまいます。
輻射空調システムでは、熱が物体を介さずに高い温度から低い温度に移行する性質(輻射)を利用。天井と壁面に水を通す輻射パネルを設置して、オフィス内にムラの少ない空調環境を実現し、同等ビルの標準仕様比で空調用搬送動力で40%以上※3の消費電力カットを達成しました。
※3 財団法人省エネルギーセンターの統計値(地域冷暖房熱源・レンタブル比60%以上の新丸の内ビルと同分類ビルを参照)
実は輻射空調のメリットはほかにもあって、体感温度に働きかける効果が大きいため、暖房でも冷房でも、省エネ温度設定なのに実際の室温より2℃くらい心地よい体感が得られるのだとか。また、送風空調ファンの気になる送風音なども抑えられるというのはうれしいですね。
加えて、少し気流がほしい時には各席の足もとに設置した床下吹き出し空調で個別調整ができたり、自然光を積極的に取り入れながら日射熱を約85%遮る高性能窓システム※4なども採用しています。
※4 自動制御ブラインド+エアフローウインドウ
長時間過ごすオフィスの照明・空調環境を我慢せず、個人レベルで自由に選べると省エネも達成できる!オフィスワーカーの快適性をとことん追求した次世代低炭素オフィス。30%の節電効果と同様に、はたして仕事の効率の方も30%アップとなるのでしょうか!?
ともあれ、次世代オフィス、今後の実用化が待ち遠しいです!
導入場所:「エコッツェリア」(新丸の内ビル10階)オフィス部分 約80㎡
計測期間 :2009年10月~2011年1月
就業者数 :10名
照明灯数 :24灯