毎年10月の乳がん月間に合わせて各地で開催される、ピンクリボンキャンペーン。
NPO法人大丸有エリアマネジメント協会では、今年もピンクリボンフェスティバル運営委員会に参加。大手町、丸の内もコースの一部となった、10月1日の「ピンクリボンスマイルウオーク」東京大会には、約6,000人が参加するなど、大盛況となりました。
東京を皮切りに、8日名古屋、16日神戸と続いた今年のイベントでは、東日本大震災で被災された方への応援メッセージも同時に集め、29日開催の仙台会場に届けるという試みもありました!
ピンクリボンフェスティバル
NPO法人大丸有エリアマネジメント協会
さて、ピンクリボンキャンペーンが、東京タワーをピンクにライトアップするというアクションで注目を集めたのが2000年。それから11年、ピンクリボン=乳がんに関する知識の啓蒙という認知は90%と、すっかりお馴染のものとなりました。しかしその一方、乳がん検診の受診率は30%と、先進国の中で圧倒的に低いのもまた事実です。
10月12日、総合人材サービスの株式会社パソナが「"乳がん"の正しい知識を身につけよう!」と題したセミナーを開催。例年、こういったセミナーを開催するなど、乳がん検診の啓蒙に力を入れるパソナでは、派遣社員の検診率が50%を超え、欧米並みの水準を維持しているんだそう。
「乳がんは日本人女性の約16人に1人が罹患。8人に1人といわれるアメリカやイギリスと比べて、年々上昇傾向にあります。30代後半から罹患率が増加しはじめ、40代後半から50代にピークを迎えますが、それ以降も下がりません。まずは、セルフチェック、検診を習慣化することが大切。しかし、実はセルフチェックや触診だけでも不十分で、早期発見のためには、マンモグラフィや超音波(エコー)といった画像検査が効果的です。イギリスではマンモグラフィの導入により、初めて死亡率が下がったというデータもあるんですよ」
と語るのは、乳腺外科を専門とする医師の堀文子氏。
たしかに自分でセルフチェックをしてしこりを探すといっても、正しく探せているのかどうか、自信は持てませんよね!? 乳腺そのものや、肋骨にあたる感触などを、しこりと勘違いしてしまって、病院を訪れる方も多いとのこと。乳腺は年齢によっても変化し、また当然個人差もあるので、素人のみならず、医師でさえ判断が難しい場合すらあるようです。
「まず、一度画像チェックを受けてみてご自分の乳房に病気がないことを確認して下さい。医師にも相談し、自分の乳腺の形を覚える。それをもとにその後、セルフチェックをし自分の乳腺の形を覚えます。その後は、月1回ご自分で変化がないかを確認してゆくというスタイルがおすすめです。また、1年に1度、せめて2年に1度は画像検査を受けることも必要です。その際、ご自分の乳房にどの検査が向いているのか医師のアドバイスを受けると良いでしょう。日本では、自分の健康は自分で勝ち取るという意識が低いことが、受診率の低さにつながっているのかもしれません。早期発見さえできれば、治る可能性が高い病気だということを、とにかく分かってもらえるよう伝えてゆきたいです」
とセミナーを締めくくられました。
各自治体でも、クーポンを配布するなど様々な取り組みがなされています。「検診は受けたいんだけれど、どこに行ったらいいかわからないし...」などとお茶を濁さず、まずは自治体の住民検診を利用してみることから始めてみませんか?