話題のクラスがついに開講!
10月下旬、突如開講が発表され、驚いたという方もいるのでは? 丸の内朝大学に秋学期の特別クラスとして開講した『いつも心に寅さんを!クラス』。11月14日(月)、その初回授業が行われるということで、潜入取材をしてきました。その様子を速報でお届けします。
『いつも心に寅さんを!クラス』とは?
被災地での上映会リクエストが相次いだり、年末からのWOWOWでの一挙放送、女性ファッション誌での大特集など、今、誕生から40年を超える"寅さん"の生き様が、若い世代に注目されています。
そこで丸の内朝大学では、~ 「今、幸せかい。」 寅さんに学ぶ、幸せな生き方~をテーマに、寅さんの魅力を探り、私達にとって本当の幸せとは何か、を考える「寅さん学部」を開設しました。秋学期特別クラスとして開講した『いつも心に寅さんを!クラス』では、山田洋次監督のスタッフ・鈴木敏夫助監督をメイン講師に迎え、全6回の授業+特別講演を展開します。
最終回は、今年でデビュー50周年を迎える山田洋次監督の特別講演。この回に限り、受講生以外の方もお申し込みいただけますので、こちらも要チェックです!(詳細はこの記事の最後で。)
初回授業は波乱の幕開け!?
さて、満を持して開講したこのクラス、初回の講師は鈴木敏夫助監督です。満席の教室に登場した鈴木氏から発せられた最初のひと言は、
「僕の話は脱線します。」
どうやら、波乱の幕開けとなりそうな予感......。とにもかくにも、まずは寅さんの歴史から講義がスタートしました。
寅さんの歴史を知ろう!
26年間同一シリーズを続けていることでギネスに認定されている「男はつらいよ」シリーズ。記念すべきその第一作は、1969年8月に発表されました。
実はその前年、テレビドラマとして人気を集めていたのですが、ラストに寅さんが死んでしまう場面を放映したところ、テレビ局に抗議が殺到。山田監督は、「周りが死んだと思い込んだ」という設定に変更し、映画版で寅さんを生き返らせようと思いついたのだそうです。
しかし、テレビ局はじめ、周囲は映画化に猛反対。当時、テレビドラマからの映画化は前例がなく、「ヒットするわけがない」と思われていたのだそうです。山田監督は社長に何度も直談判し、ようやく1作目『男はつらいよ』を発表するに至りました。
監督は、「これでヒットしなかったら監督を辞めるしかない」という覚悟でいたとのことですが、これが予想外の大ヒットを記録。この結果が会社を動かし、その後のシリーズ化へとつながっていったのです。
こんな知られざる初期のエピソードのお話の後は、当時の予告編を上映。さらに鈴木氏からは、その後のシリーズ化やタイトルにまつわる裏話の他、ご自身の子どもの頃の体験談や山田監督との数々のエピソードもテンポよく披露され、笑いが絶えないまま、授業は進んでいきます。もちろん、お得意の余談も絶好調です!
共感を呼ぶ寅さんの性格とは?
続いての話題は、寅さんの性格について。手元に配られたテキストには、「性格は明朗で美人が好き。惚れっぽいのがたまに傷」との解説があります。鈴木氏によると、寅さんには、「困っている人がいると放っておけない」「弱いものに優しい」という性格が与えられていて、世間的に"弱い"とされているお年寄り、子ども、女性、動物などをとても大切にするのだそうです。
ただ、美女にとても弱く、身の程知らずの恋をして、必ず失恋してしまいます。48話、毎回ふられ続ける寅さんに、あるチャンネルで一挙放映した際には、「失恋48連発」とタイトルを付けて紹介していたというエピソードも。
こんな寅さんの恋愛体質が、ストーリーを盛り上げる役割を果たしているのはもちろんですが、それでも懲りずに恋を続ける姿や、相手に注ぐ果てしない優しさが、時代を超えて人々の共感を集めているのかもしれません。
「寅さん」初心者にオススメのタイトルをご紹介!
最後に「せっかくなので、見てない人がいたら『男はつらいよ』をぜひ見てほしい」と、鈴木氏から、初心者が見るのにオススメのタイトルが紹介されました。
まず基本として、第1作の『男はつらいよ』、第2作の『続・男はつらいよ』は押さえておきたいところ。そして、オススメとして、第5作『男はつらいよ 望郷篇』、第15作『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』、第17作『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』の3本が紹介されました。みなさんもこの機会に、鑑賞してみてはいかがでしょうか?
授業の終わりに、「今日は話したいことの3分の2くらいしか話せていない」と、ぽろっと本音を漏らした鈴木氏。今後の授業展開がどうなっていくのか、寅さんクラスから目が離せません!