大丸有では「まちづくり」や「まちそだて」に日々取り組んでいるわけですが、私たちがまちを育てるのと同時に、まちも私たちを育ててくれます。大丸有はビジネス街なのでそこで育つのは国際的なビジネスマンなのかもしれませんし、パブリックアートやアートイベントがアーティストを育てるかもしれません。
そんな「まち」が子どもを育てると考えたことはあるでしょうか?子どもは親に育てられると同時に学校や、自分の周りの人達にも育てられます。それがいわば子どもにとっての「まち」、その「まち」がどんなものだったかはその子どもの成長に大きな影響をあたえるのではないでしょうか。
そんな子どもたちの育つ環境としての「まち」を作ってしまおうという取り組みがデンマークの首都コペンハーゲンで行われているそうです。まるごと子どもたちのための「まち」を作り、子どもたちはそこで世話されるだけでなく、自ら色々なことをして「まち」を作っていくのだそうです。子どもたちによる「まちづくり」、いったいどんなまちができてくるのでしょうね?そして東京でもしそんなことをやったらいったいどんなまちができるのかも考えてみたいですね。
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街が、子どもを育てる。デンマークの首都につくられる子どものためのミニシティ
presented by greenz.jp(greenz.jpは、丸の内地球環境新聞をプロデュースしています、じつは。)
小さな頃、みなさんはどんな空間で育ってきたか覚えていますか?幼いときを過ごした大切な場所は、大人になった自分にも実は大きな影響を与えていたりしますよね。
「たくさんの子どもたちが、のびのびと育つ場所ってどんなところだろう?」そんなことを考えたデンマークは今、「子どものためのミニシティ」を首都コペンハーゲンの中心部につくろうとしています!
日本とは打って変わって、急激な人口の増加が社会的な課題となっているコペンハーゲン。2020年までには9万人もの住民が増え、うち2万2000人が0〜18歳までの子どもなのだそう。この問題を解決するために、行政は建築家たちにアイデアコンペを投げかけました。
採用されたのは、対子ども用のデイケアセンターの役割機能を「街」としてつくろうという建築会社COBEの一案。大きなビルをどんと用意するのではなく、背の低い建物を街になじませるよう点々と建てるというプランは、今ある緑豊かな景観をそのまま生かす形になっています。
完成予定は2014年で、この三角形の土地のなかに0〜18歳の子ども約600人を受け容れることができます。生い茂る木々の合間を子どもたちが走ったり笑い声をあげたりしている様子は、きっとなんとも温かな光景でしょうね。
このミニシティ「Prinsessegade Kindergarten and Youth Club」には、消防署、レストラン、町役場、工場、展望台などの施設があります。子どもたちはレストランのキッチンでサンドイッチをつくったり、町役場でミュージカルを上映したりと、自分たちでいろんなことができるようになっています。
「ただのデイケアセンターではなく、子どもにいろんなことを"提案"する街にしたい。」そんな想いでつくられる建物たちは、子どもが自分の手や頭を使うことを促し、発想力やDIY精神を刺激する設計になっているのです。
行政の協力のもと、国の首都の中心部につくられるこのミニシティ。デンマークが未来を担う子どもたちをどう思っているかを象徴するかのような事例ですね。
親子単位ではなく、コミュニティ単位で子どもを育てるという視点。「街」に育てられる子どもたちは将来、どんな大人になってゆくのか、とても楽しみです。
(Text:田尻愛)
[via psfk]