2011年からは、大幅な供給量の不足に伴う、大節電時代に突入した。これまで、官民ともに取り組んできた省エネ、省CO2対策は、エネルギー供給の最適化と、使用の最適化を図るスマートグリットの考えかたによって解決できそうなレベルまで到達していた。分散最適化によって、知的生産性や快適性を損なうことなく省エネが可能という発想が崩れかかっている。不足する供給量を補うには、ある程度の生産性や利便性を欠くこともやむをえない、という環境下になりそうである。一方で分散最適化の技術革新は一層の進展を見せている。電力絶対量が不足する時代に、快適性と省エネを両立する術はあるのだろうか。その技術と知恵を語り合ってもらった。
* この記事は、エコッツェリア協会にて2011年5月26日に実施された、ステークホルダーズ・ミーティングの内容をまとめたものです。
高見: 3月11日の東日本大震災以降、福島原発被災の影響による電力供給量の不足に伴い、3月は計画停電にご協力いただきました。4月に入って暖かくなり需給バランスも落ち着いてきたので、計画停電の必要は少なくなりましたが、引き続き節電のお願いをしています。同時に3月末くらいから夏の対策検討に入っています。5月13日には夏期の電力需給対策をまとめましたが、そこで打ち出したのが夏場の15%の節電です。これは、大口の電力需要家(500kW以上)だけでなく、小口の需要家にご家庭も含めたすべての契約者にお願いするというものです。とくに東電管内で14,000くらいある大口需要家に対しては、今年の夏場は電気事業法27条に基づく使用制限という形で、電力需要の削減をやっていかざるをえないと考えています。
経済産業省資源エネルギー庁
金子: 東電管内における大口需要家である事務所ビルの電力消費量のうち53.6%を日本ビルヂング協会連合会の会員が占めています。連合会の責任は大きいと認識しています。これまでの省エネ・省CO2は、オフィスワーカーの利便性、快適性、知的生産性の向上を図りながら環境効率を高めるというものでしたが、今回の節電は質が異なります。緊急時の電力使用量を制限するためには、利便性、快適性、知的生産性を一時的に下げる場合もあるというものです。連合会では緊急対応方針をまとめて、会員企業に対して説明会を実施しています。
方針をまとめている中で、照明に関して気になるデータが見つかりました。労働安全衛生規則では精密な作業をするうえでの必要な照度は300ルクス以上と定められていますが、照明学会の調査によると、オフィスビル事業者はJIS基準に準拠して設計照度を500〜800ルクスにしていることが多いのです。しかもこれは設計照度であり、実測照度は800〜1,000ルクス以上になるビルが多いことも明らかになっています。つまりオフィスの照度はもともと明るすぎるのではないかということなんです。
三木: オフィスの照度はこれまですべて一律でした。私が研究を進めている知的照明システムは、一人ひとりの健康状態や仕事の内容に応じて、個人ごとの最適な照度と最適な色温度を提供するというものです。5年くらい前から基礎研究段階に入り、3年くらい前から東京都内の7ヵ所で実証実験を開始しています。利便性、快適性、知的生産性は人それぞれ異なります。照明によるエネルギー消費の抑制については、個人差を考慮していなかった照明のあり方を見直すことで可能になると考えています。
同志社大学理工学部知的システムデザイン研究室
金子: 東電管内の事務所ビルに限りますと、オフィスの机上照度750ルクスを350ルクスにするだけで、国の目標値である15%削減という目標値はある程度達成できてしまうということが、オフィスビル総研本田氏の講演会資料からも分かります。
三木: 3年くらい前までは、私が学会で知的照明についての研究結果を発表すると大変なブーイングを浴びたものでした。「そんな暗いところで仕事をしたら目が悪くなる」と言うんですね。しかし、最近では私たちの実験結果から500ルクス、あるいは300ルクスでも快適に仕事ができるという認識が広がりつつあります。そんなときに今回の電力不足となり、オフィスでは照度を下げざるをえなくなった。そこで実際に下げてみたら、300ルクスでも問題なく執務ができることがわかった。そういう意味では、現在のオフィス照明の状況は私たちの研究結果を裏づけるものになっています。
金子: 私ども連合会では照明だけでなく、冷房設定温度や換気の基準についても見直しが必要だと思っています。節電緊急行動計画の策定を会員企業に要請するにあたり、数値目標のイメージを提示しています。共用部はビル事業者が照明を間引きしたり、冷房設定温度を高くする、あるいは一時的に冷房を停止するという思い切った措置によって20%カットができる。専用部では照度を下げるなどのテナント努力で10%、輪番休業とか夏季休暇の長期化などの取り組みによって2〜4%の上乗せが可能で、専用部で12〜14%の削減余地がある。これを共用部と専用部の比率で掛けて割り戻すと、だいたい15%の削減が可能になる計算です。
高見: 国としても、工場のように間引いたら生産が滞ってしまうところには間引くのではなく、輪番休業などの対策をお願いしています。またオフィスも含めてですが、平日のピークを分散させるために、1日の中でも、日中の操業を早朝や夜間にずらして昼のピークを避けることも含めてご協力をお願いしています。
野崎: 当社は、ビルは所有していないのですべてテナント入居となります。500kW以上の大口契約者になるビルにも入居しています。当初は25%削減の指導のもとで計画を立案しようとしていましたが、25%はかなり厳しい数字でした。金子さん、高見さんがおっしゃる業務のシフトが業種的にとてもやりにくいというのがその理由です。サービス業ですので、お客さまに合わせなければなりません。どうすれば達成できるのか苦慮していたところ、目標値が15%になりまして、何とか見通しが立った状況です。
加山: 当社の節電は、三木先生の知的照明のように洗練されたものではなく、手動でバンバン落としていくという乱暴なやり方です(笑)。照明は間引きではなくスイッチで元から切っています。トイレも暗くなりましたが、これはこれで一つのスタイルとして"あり"だと思っていますが、大きな問題があります。それは、自分たちの節電への取り組みによって、電力消費量がどれだけ減ったのかがわからないということです。リアルタイムで細かく成果を把握できる電力消費動向の「見える化」が次のテーマです。
三菱電機株式会社
野崎: 当社でも社員から「自分たちの活動の結果を見せてほしい」という要望があがっています。ビルオーナーさんから提供されるのは、全体の結果です。当社の節電は部署単位で行っていますので、リアルタイムとまでいかなくても、もっと細分化されたデータによって「何をやればこれだけ節電できる」というものを、社内で共有しておきたいと考えています。
高見: 電力需給の見える化は、私たちも重要だと認識しています。日本人は真面目ですから、状況を目にすることで、節電意欲が増すと考えています。現在でも、Webと携帯電話のアプリなどで需給状況を見ることができますが、実はこれにはタイムラグがあるんです。リアルタイムではなく、1時間程度のずれがあります。完全なリアルタイムでの情報提供は無理にしても、少しでもずれを小さくできないか、現在も検討を重ねています。
加山: 実は工場の生産現場では、電力をリアルタイムで測定して生産に効果的に結びつけるという技術が既に導入されています。つまりリアルタイムでの見える化を実現する技術はあるのです。しかし、この技術をオフィスに導入するにはクリアしなければならない問題があります。それはビルオーナーとテナントの役割分担です。この技術をビルに導入するのはビルオーナーなのかテナントなのか。リアルタイムでデータをとるのは、ビルオーナーにお願いしてやるのか、テナントが自ら計測するのか。いずれも費用が発生しますし、労力負荷もかかってくる。双方が協力しあう仕組みをつくることが課題です。
金子: ビルオーナーの立場からは、ビルが有するスペック上の制限があり、すべてのビルに導入できるわけではないという現実があります。野崎さんが社内で共有したいと考えられている、電力使用量の詳細なデータを提供できるシステムについても、高額な投資負担が可能なビルオーナーは限られています。さらにもう一つ、仮に導入できたとしても、データを計測・分析してテナントに提示するには過大な業務負荷が発生する可能性もあります。消費エネルギーの開示に関しては、改正省エネ法の規制もあり、ビル事業者とは別に大規模テナントも報告が義務づけられていますから、ビルオーナーは積極的に開示(多くのビルでは月次単位)をしていることはご理解いただきたいと思います。
高見: 国としても、そのような見える化システムの導入を応援していきたいのですが、現状では導入してはいても十分に活用できているところが少ないのが悩みの種です。家庭でも電力消費の見える化がされると、はじめの1〜2ヵ月は電力使用量が下がりますけれども、すぐ元にもどってしまう。継続的な効果が出せる仕組みの裏づけなしに、積極的な導入を進めるわけにもいきません。コストの標準化に関しても2年くらい前に、業界団体にも入ってもらった研究会で問題点の整理を始めたわけですが、次のステップまでは進んでいないのが現状です。これにつきましては、引き続き業界の皆さんと一緒に議論をしていきたいと考えています。
一方、この夏に電力需給が逼迫し計画停電等のおそれが高まった場合に、需給逼迫警報を出して緊急の節電をお願いすることも考えています。さらなる節電要請をテレビ等のメディアならびに自治体の防災無線のようなものでお願いするとともに、計画停電の可能性を周知していくことを予定しています。
三木: 高見さんから需給逼迫警報というお話がありましたが、知的照明システムには照明をサインとして使うことができるという付加価値があります。電力需給が逼迫してきた、あるいはその会社の節電目標に届きそうもないことが見えてきたときに、社員の方にその状況を認知させる手段として、社内アナウンスなどに代わって照明を使用するのです。需給逼迫時には照度を落とす。暗くなってきたことによって「電力が逼迫しているからもっと節電しなくては」と、社員に認識させるわけです。そして社員がコンセントを抜くなど新たな節電対策を実施した結果、需給が好転したときには照度があがるというのがポイントです。自分たちの取り組みによる効果が目に見えてわかることで、大いに効果が期待できます。
野崎: 電力に関することではありませんが、当社では使い捨ての紙コップ削減のため、見える化を実施しています。特別にシステムを導入したわけではありません。その場での廃棄量を見えるようにしたところ、呼びかけだけでは思うように減らなかった紙コップの使用量が見る見る減ってきました。電力の場合は、業務の状況などいろいろ難しい面もあると思いますが、自分たちの行動がどうなっているのかを見える化することは大事だと思います。さらには見える化だけでなく、何らかの形で評価に反映させることができれば、より効果があがるのではないでしょうか。
加山: 当社では2010年の改正省エネ法の施行を受けて、2009年はオフィス内での電力使用状況についてデータ収集を行い、その結果に基づいてさまざまな削減策を実行しました。天井照明のLED化を推進したり、省電力のコピー機に入れ替えたり、給茶機を夜間停止したりと、小さなことまで考えられることはすべてやってみました。そして次のステップを検討しているときに、エコッツェリア協会さんが実証実験をされた三木先生の知的照明システムを、当社の一部のフロアーで検証させていただく機会を得ました。2010年度は知的照明の効果だけで電力消費が30%程度削減でき、LED照明の効果と合わせると60%近くの削減が可能だと検証できました。
野崎: 私どもも使用電力に占める照明の割合は高いので、そこを削減していこうと考えています。当社の業務は大きく「監査」と「アドバイザリー」に分けられ、それぞれ働き方は全く異なります。そのために、一律に照明を何%カット、空調を何%カットというふうにできない悩みがあります。知的照明のようなマネジメントシステムの導入が最良の方法だと思いますが、当社のようなテナントが単独で導入するにはハードルが高い気がします。
金子: 私どもとしては、見える化と同様にEMS(エネルギーマネジメントシステム)を導入しやすくするため、国にも支援策の検討をお願いしたいと考えています。大丸有では大きなビルを想定しがちですが、中小ビルに計測システムを導入すると、よりハードルは高くなります。ですから、計測システムの導入を促進していくためには、導入に対するインセンティブ、さらにはシステムの標準化を国として進めていただきたいと思います。
三木: 私が10年くらい前から研究を始めた知的照明システムは、並列コンピュータの研究の延長線上にあるもので、多数のネットワークにつながれたコンピュータの中で最適化を行うという分散アルゴリズムの考え方に基づいています。照明自体にマイクロプロセッサーを組み込み、照明をすべてネットワークでつなぐ。その中で光を分散最適化するというアルゴリズムを組み込んだものが知的照明システムです。2008年に三菱地所の大手町ビルに導入されて以来、六本木ヒルズや東京ビル、新丸ビルなど、いろんなところで実験してきました。そしていま、個人個人が好きな照度を選択できて、その結果、使用電力が半減するシステムができあがりました。今後、さらに研究を重ねて省電力、快適性、知的生産性を高められる知的照明システムに発展させていきたいと思います。
加山: 三木先生の知的照明システムには大きなブレイクスルーがあります。メーカーの立場からすれば、これまでも機器単体ではかなり省エネが進んでいるわけです。ところが三木先生のおっしゃる省エネは組み合わせなんですね。パソコンで自分の好みの照度を設定して、本来はビルの管理会社が管轄する照明設備を動かす。この発想はいままでありませんでした。メーカーとしては、そもそも何かと連動することを想定してはつくっていませんから、実はちょっとやっかいな話なんですね。設計から照明機器にOA系から信号が入ることを組み込まなければならない。これはメーカーにとって大きなブレイクスルーでした。また、離席する人のところの照明は消す。こんな当たり前のことが、これまでのオフィスでは行われていませんでした。一人でも残っていれば全灯なんです。知的照明なら一人減るごとにきめ細かく消灯していくことができるわけです。オフィスワーカーの数と設備を連携させることが次のテーマです。やろうと思えば、手動でできないことはないのですが、どうしても消し忘れが出てしまいます。ですから、システム化は私たちの業界に対して三木先生から出された大きな課題だと理解しています。
野崎: 私から、省エネのマネジメントに関してビルオーナーに対してお願いしたいのは、見通しの提示です。例えば、私たちテナントは、緊急時に何をすればよいのか。ビル側が実施する措置によって、テナントが実施する活動が決まってきます。ですから、緊急時にビルはどのような措置をとるのか教えてほしい、決まっていないなら決めてほしいとお願いをしました。当社がテナントとなっている丸の内のビルでは空調を止めるとのことです。緊急時はそれで足りると判断しましたので、私たちはピーク時間の対策にあまり神経質にならずに、全体の消費量を下げるため、制限時間帯の9時から20時を中心とした省エネ対策を考えればよいと方針を立てることができたのです。
三木: 知的照明システムの実証実験によって、750〜800ルクスの明るい照度が好きな人が2割。200〜300ルクスの暗い照度でいいという人も2割。残り6割が中間の450〜500ルクスを好むということがわかってきました。このことから人が好む照度には多様性があることがわかります。ですから照度調整で一番避けなければならないのは、一律に下げるということです。知的照明の発想の源には、個人よって、体調によって、あるいは執務内容によって最適な照度は異なるという考え方があります。均一に照度を管理することで著しく健康や生産性を損なう危険性があることを理解していただきたいですね。
野崎: 社員の多様性を理解したうえでの節電対策が必要ということですね。当社の場合も、業務内容だけでなく、蛍光灯の間引きしかできないビルと照度調整ができるビルが混在しているという具合に入居しているビルごとに環境が異なっていますので、全社同一の対策はとることができません。そのため、基本的な削減目標を提示したうえで、業務内容に応じてビル単位、部署単位に削減計画を自主的に立案してもらうようにしています。
三木: 自主性に関しては大きなメリットがありますね。上から均一な対応を押しつけられますと、人間はどうしてもやらされ感がでてきてモチベーションが下がります。どのような取り組みについても自由度があって、自分で選択できる環境が望ましい。自分で400ルクスにしようとか、節電だから200ルクスに下げようとか、選択できることが重要なのであって、個人から選択を奪い取るとモチベーションの低下につながります。
野崎: やらされ感があると駄目というのは私も強く実感しています。社員は皆15%という目標は認識しているので、自分が立てた計画は責任をもって実行してくれると思います。
加山: これまでの省エネは全体的に下げていくという話ですが、今回の節電はピークカットですから、緊急時には、先ほど高見さんから警報というお話もありましたが、否応なく電源を落とさなくてはならない。警報が出たら片っ端から電源を落としていくという乱暴な方法では多様性は損なわれますし、やらされ感も大きく生産性も低下します。必要なときにどれだけ下げることができるのか、それを回避するための予測と対応策については、実は技術的には既にもっているわけです。ですが、それをどう事業化していくのかについては、いろいろ検討・模索中でまだ結論には至っていません。これからの大きな課題です。
三木: ところで、照度を落とすときに気をつけてほしいことがあります。それは色温度も一緒に落とす必要があるということです。たとえば750ルクスの場合は白色の5000ケルビンという色温度がよく使われます。これを350ルクスまで下げるときは、色温度は温白色の3500ケルビンまで一緒に落とさなくてはならない。5000ケルビンのままでは、まるでお化け屋敷のような陰鬱な照明に感じられて、快適性を大きく損なうでしょう。しかし色温度も一緒に下げて調整すれば快適な照明環境になるわけです。
オフィスの快適性を追及しながら照度を落とせるのが知的照明システムですが、今年の夏にすべて知的照明を導入するのはさすがに難しいでしょう。来年・再来年に向けて知的照明を普及させるとして、今年の夏は照度と一緒に色温度を下げることで、快適なオフィス空間を実現することができます。
高見: 多様性ということでは、エネルギーの選択についても言えると思います。私どもも、今回のように電力不足だから節電ということではなく、中長期的視点から自然エネルギー、再生可能エネルギーをどれだけ増やしていくのか、原子力発電を含めたエネルギー戦略をはじめ、地球温暖化対策への取り組みの中での節電方法など、さまざまな議論をこの夏以降していくつもりです。一方、短期的な見通しについては、電力供給量は多少上積みされるとしても、発電所がいきなり増えるわけではありませんので、今年の夏以降、来年も節電のお願いをする状況に変わりはないと考えています。
三木: 節電に関して、即効性がある方策は昼の電力ピークをなくすことです。それには技術的にはバッテリー、蓄電池が大きな役割を果たします。ただしバッテリーは非常に高額で数kWのバッテリーが100〜200万円します。そこでそれに替わるものとして期待しているのが電気自動車です。夜間に充電して日中にその電力を使用できる。一方でワークスタイルの多様化も必要でしょう。電力需給が安定している夜間に仕事をして、昼は仕事しないというライフスタイルに変えていく、そんな考えがあってもいいと思います。
それから、人間の感覚をもっと活用することも効果があるのではないでしょうか。照度を下げますと涼しく感じる、体感温度が下がります。色温度も同様です。光のほかにもさまざまな手法があります。たとえば匂いですね。ペパーミントの香は涼しく感じますので、アロマと組み合わせるとか。それから音ですね。水が流れる音や風鈴の音色などを耳にすれば、それだけで涼しく感じます。視覚については、緑とか壁の色などですね。このように涼しげな五感に訴えることをやってみる。今年はいろいろなことを試すチャンスです。
社団法人日本ビルヂング協会連合会事務局次長。会員(ビルオーナー)より、土地政策、建築行政、税制などについての意見・要望をまとめ、国・地方自治体などに対して、政策の提言・要望活動を行っている。地球温暖化対策についても「オフィスビル分野における低炭素社会実行計画」を策定し、中小ビルを含めた省CO2対策の啓発を進めている。2008年より現職。山形県出身。
三菱電機株式会社 営業本部 事業推進部 法人営業第一グループ担当部長。入社後、同社長崎製作所に赴任し、情報システムの設計業務を担当。1983年から3年間HMTConsort社出向、香港・シンガポール地下鉄建設における環境制御システムプロジェクトのマネージャを務める。帰国後、鉄道情報システムにおける技術管理を担当し、現在は「ビルまるごと省エネ」の拡販や「スマートシティ」実現への総合技術窓口として従事。和歌山県出身。
http://www.mitsubishielectric.co.jp/
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 省エネルギー対策課長。通商産業省に入省後、リサイクル推進課、化学物質管理課、大臣官房政策審議室、経済協力課、秘書課等で勤務。2007年7月から2010年7月まで、新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)ワシントン事務所長を務める。2010年7月より現職。東京都出身。
有限責任監査法人トーマツ エンタープライズリスクサービス ディレクター。公認会計士。監査、金融インダストリー部門を経て、温室効果ガスの検証や環境・CSR関連の業務に従事。社内では、丸の内オフィスのCSR活動推進の事務局として活動、データの取りまとめ等も担当。カーボンオフセット認証制度運営委員会委員。新潟県出身。
同志社大学理工学部教授。大阪市立大学大学院博士課程卒業後、金沢工業大学工学部助教授、大阪府立大学工学部助教授などを経て、1994年より現職。IEEE、情報処理学会、人工知能学会、システム制御情報学会、日本機械学会、計算工学会、知的オフィス環境コンソーシアム会長。経済産業省産業技術審議会委員など。専門分野は最適設計、並列処理、システム工学、照明システム。兵庫県出身。
http://mikilab.doshisha.ac.jp/index.html
計画停電の実施により、これまで当たり前と思ってきたことが、実はそうではなかったという事実に気づかされました。私たちの生活や経済活動がいかに電力によって支えられているのか。不自由を感じることのない生活は、実は地方の大きな支えがあってのことだと。座談会でのお話しをうかがって、個々の技術では相当程度の節電効果が見込めるものがすでにあることがわかりました。我慢でも効率を犠牲にすることもなく、快適性、生産性を高めていくため、私たちがどれだけ本気になれるのか。個人として身の回りでできることを行うとともに、会社や社会に対してもコミットしていくことが大切だと感じました。