シリーズ知恵ブクロウ&生きものハンドブック

昆虫を見つけるのはむずかしい?

地球上の生きもので、種類数が一番多いのは昆虫。その数は、世界で80万種以上とも言われていますが、いざ野山で探してみると、意外と見つけられないことはありませんか?

目に見えない昆虫たち

私たちは、いつも色々な"音"に囲まれて生活しているのですが、そのすべての"音"を意識しているわけではありません。多くは雑音として頭の中で消し去っているわけです。昆虫に対しても同様で、普段は足下にいるアリを意識しないで歩いているわけです。意識して見ようとしなければ、昆虫は透明になってしまうのです。

見つからないための技

昆虫などの動物が周囲と同じ色や形をして、他の動物から見つからないようにしている事を「擬態」と言います。擬態と言えばナナフシが有名ですが、バッタやチョウの幼虫・蛹など多くの昆虫も、周囲の環境と同じ色や形をして外敵から身を守っています。なので、私たちも意識して見ないと、昆虫を見つけるのが難しいのです。
では、彼らを見つけるにはどうしたらよいのでしょうか?

【1】 立ち止まって、動いている物を見つける

歩きながら昆虫を探すと、景色も動いてしまうので見つけにくくなります。立ち止まって見ることにより、動いている昆虫が見つけやすくなります。ただし、昆虫は振動や明るさの変化などで動きを止めてしまうので、散策中の歩き方は慎重にしなければなりません。

【2】 食べた痕跡を見つける

昆虫も生き物ですから何かを食べています。チョウやガの幼虫やハムシなどは木や草の葉を食べるので、葉には食べ跡が残ります。植物の種類と食べ跡から、昆虫の種類がわかる事も多いのです。食べ跡の残っている周囲をじっくり探してみましょう。糞が転がっていたら確定的です。

【3】 他の昆虫に導いてもらう

みんなの大好きなカブトムシやクワガタを見つけるのに役立つ方法です。樹液に集まる昆虫を見つけるには、樹液の出ている場所を見つけなければなりません。活発に樹液に集まるカナブンやスズメバチなどが飛んでいくのを追っていくと、樹液の出ている場所に行き着くと言うわけです。

昆虫を見つける事は環境を見つける事

昆虫の種類が多いのは、多様な環境に適応した結果であり、私たちのくらしの中にも目立たないかも知れませんが、多くの昆虫がくらしています。逆に昆虫の種類が少なければ、それは環境が単純であると言えるのです。

あなたのくらしのまわりに、昆虫が多いか少ないか調べてみましょう。ただし、あなたが周囲の人達のおじゃま虫にならないように。

山崎 誠(やまざき まこと)

昆虫と魚釣りとカメラが大好きなおじさん。昔はバイクに乗って野山を走り回っていた。グリーンセイバーという資格を持っている。地元の小学校や高校にも時折出没し、先生でもないのに先生とも呼ばれたりしている。今年は五十肩を患い、動けないと悩んでいる。

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