2013/01/22
毎年、夏に開催される"FUJI ROCK(フジロック) FESTIVAL"という、ロックフェスティバルをご存知でしょうか?
苗場スキー場に、様々な規模のステージが点在し、来場者数は、真夏の三日間で、なんと約12万人にもなる、大規模な野外音楽フェスティバルです。
"FUJIROCK"では、オーナーの計らいで社会問題を考える場として、NGO村が提供されます。私が所属している、自然エネルギー推進市民フォーラム(REPP)は、自然エネルギーの普及で出展しており、そのご縁もあって『ニューパワーギア(NPG)』の取り組みに参加しています。この取り組みは、天ぷら油の廃油を利用したバイオディーゼル燃料や太陽光などのクリーンエネルギーを利用することで、CO2の削減に取り 組むキャンペーンです。
1999年、有志で構成された"rainbow echo(レインボーエコー)"が、太陽光パネルで自立電源によるフィールドを試行実践しました。
その後、2005年に廃油リサイクル(食用)のバイオディーゼルエンジンを採用し、その電源を我々が管理することで、フジロックでのフードコートやNGOビレッジがある、"アバロンフィールド(千人)"全体の電源を、自然エネルギーに切り替えることに成功しました。これが、ニューパワーギヤー(NPG)の誕生です。
この誕生を一番喜んだのは、スタッフです。今までは、発電装置から出る排気ガスで気分が悪くなっていたのが、廃油を利用することにより、香ばしい天ぷらの匂いのする装置となりました。そのおかげで、気 分が悪くなるどころか、お腹が空くようになり、身体にも地球にも健康的な発電装置となったのです。
2005年から、『ニューパワーギア(NPG)』の取り組みをスタートさせました。"グリーンアップル"の企画制作も加わり、来場者のクリーンエネ ルギーへの理解を深めようという目的で、自転車をこいで発電すると「田舎へ行こう」の音楽が流れてくるコーナーを設置しました。自転車発電を行った人は、 グリーン電力証書をもらえクイズに参加でき、まさしくクリーンなエネルギーを知ってもらう場となりました。
2009年には、使用するバイオディーゼル燃料の一部を、苗場に近い長岡から調達する事で地産地消を自立電源のバックボーンに加え、イベント=コミュニティの相似も実践しています。
昨年、2012年には主催者側の理解と協力を得て、ステージでの使用範囲を拡大、現在20機以上/およそ800キロワット相当の発電量をバイオ ディーゼルで実施し、舞台演出・運営実施上の電源を賄っています。FUJIROCKの開催前後一週間の使用電力は、15,000~20,000キロワット /時となっています。節電している家庭ではおおよそ200キロワット/月ですから、すごい発電量ですね。
もうひとつのクリーンな事例として、国際青年環境NGO A SEED JAPANの呼びかけがあります。会場内でのゴミをゼロにすることを目指し、来場者が帰宅してからも、続けてごみの分別リサイクルをしようと訴えています。野外で好きな音楽を大音量で楽しむだけなのに、社会に関わる生き方がロックンロール魂そのものになる。
不思議な素敵な空間が"FUJI ROCK FESTIVAL"の取組み『ニューパワーギア(NPG)』なのです。まさしく『世界一クリーンなロックフェス』ですね。
自然エネルギー推進市民フォーラム(REPP) 事務局長
食に興味があり、日本有機農業研究会運営委員・有機ネットちば運営委員。編集者に誘われ子育てネットとして遊び場ガイドに参加。
著書「子供と遊ぶ四季の行事」「一品大満足料理」「子供が喜ぶアィディアパーティ」、現在自然エネルギー推進市民フォーラム事務局、食もエネルギーも地産地消が大切と活動中。
自然エネルギー推進市民フォーラム(REPP)