三菱地所が都市と農山村をつなぐプロジェクトして行なっている「空と土プロジェクト」。今年3月には都市と農山漁村の往来を活発化させる事業として「第9回 オーライ!ニッポン大賞」で審査委員会長賞を受賞しましたが、その活動のひとつとして昨年から生産が始まった「純米酒『丸の内』」が今年も完成しました!
第9回オーライ!ニッポン大賞の結果について
この純米酒「丸の内」は山梨のNPO法人えがおつなげてと連携して、山梨県北杜市の耕作放棄地を開墾、丸の内エリアで働く人たちも田植えや稲刈りに参加して育てた酒米を山梨県内の蔵元・萬屋醸造店で醸造したものです。今年の酒米の収穫量は約2.2t、それを使ってできたお酒は3800本、昨年の2150本から倍近くに増えました。
今回は、その取扱店の丸の内仲通りビルにある「横浜君嶋屋 丸の内店」の君嶋哲至社長にこの純米酒「丸の内」についてお話を伺って来ました。
横浜君嶋屋
思ったより美味しくてびっくりしました。この春鶯囀の萬屋醸造店さんはもともといい蔵元なんですが、企画物なのでどうかなと思っていたんです。というのも、最近のはやりのお酒というのは香りの出る酵母というのを使っていて、これを使うとフレッシュで華やかなお酒ができるんですが、飲み続けると飽きが来てしまうものが多い。企画物のお酒というとそういう華やかなものが多いのでこれもそういうものかなと思っていたんです。
でもこのお酒はそういう酵母は使わずに、昔ながらのやり方で作っているお酒だなと思いました。春鶯囀というお酒は与謝野鉄幹・晶子夫妻も好きだったという伝統のあるお酒で、そういう蔵元が作っているからしっかり作られているんでしょうね。
常温かごくぬる燗がいいと思います。くせのあるお酒ではないので、豆腐とか刺身のようなあっさりとしたおつまみに合わせるといいんじゃないでしょうか。塩の焼き鳥なんかもあうと思いますね。
全国で消費量が増えているかどうかということはわからないですが、私のところでは日本酒の割合は確かに増えています。ワインを飲んでいた人が日本酒も飲み始めていて、ワインより面白いという人も増えてきています。
その理由のひとつには、「顔の見える」ようなものが増えてきてることがあるんだと思います。これまで日本酒というのは原料の米を作る人とお酒を作る人とそれを管理する蔵元の社長が全部違う人だったのが、今は米の仕入先にこだわるようになって、誰が作ったかわかる原料で仕込むようになってきています。ワイン場合はワイナリーが畑を持っている事が多いので、それに近づいてきているのかもしれません。
今は誰が作っているのかわかるものを好む時代になってきているので、日本酒もそれに応えることで注目されるようになっているのではないでしょうか?
うちにこの界隈の飲食店の人も買いに来るんですが、お客さんから「丸の内はないの?」と聞かれることが結構あるそうです。やっぱり自分たちが作ったお酒を飲みたいというのもあるだろうし、置いておくとその会社の役員の受けなんかがいいんだそうですよ。
お酒の目利きも太鼓判を押す純米酒「丸の内」、見かけたらぜひ飲んでみてくださいね! お酒造りは今年もやります!5月19日には空と土プロジェクトで「酒米づくりツアー:お田植え編」を実施、大丸有エリアにお勤めの方ならどなたでも参加できますので、「自分で育てたお酒を飲みたい!」という方はぜひ参加してくださいね!