「都産都消を実現しよう!」をテーマに、丸の内地球環境倶楽部 「都市の食」ワーキンググループによって8月に行なわれた丸の内シェフズクラブと農家の「お見合い」(試食会)。そして先月開催されたシェフたちの「東京農園ツアー」。東京近郊でつくられている農作物と農家の人々に直接触れることで、さまざまな発見がありました。
この活動の第3弾として、12月初旬に「『都市の食ビジョン』具体化に向けたまちづくり検討会」と試食会が開かれました。
以前の活動については、過去のニュースから
今回は、「食の低炭素化と自立に向けた物流」を議題として、環境省環境事務官 小林光さん、JA全農 営農販売企画部 MINORI MINORU PROJECT 小里司さん、株式会社まつの 取締役 営業企画開発室室長 重藤悦明さんにご登壇いただき、実際に始まっている取り組みの紹介などをしていただきました。さらに、実践にあたっての可能性と問題点について、検討委員とも熱心な意見の交換を行い、今後につなげる大きな一歩となりました。
「知っている」から「やってみる」の世帯を増やすことを目的とし、約15万世帯に「環境家計簿」を配布。持続可能な社会の基盤作りとして、家庭や企業における環境教育を実践サポートしています。例えば「チャレンジ25キャンペーン」と題し、家庭での行動例を紹介。特に新宿御苑食堂「ゆりのき」で提案するエコクッキングメニューは、実際にどのくらいのエネルギーを削減できるのか、わかりやすく解説してあります。
「地域農業の担い手に出向くJA担当者」の全国共通呼称を公募して「TAC」(Team for Agricultual Coordination)とし、その名の通り地域農業の活性化に向けての活動に取り組んでいるJA全農。現在1,552人のTACが7万7456件の担い手を日常的に訪問し、個々の要望や悩みを聞いて解決に当たっています。そして立ち上げた「みのりみのるプロジェクト」。「収穫の実りや恵みの喜びを味わう」をコンセプトに銀座三越につくられた「みのりカフェ」と「みのる食堂」では、生産者と生活者のふれあいの場として料理を提供し、イベントや情報発信を行なっています。これにより地域の農家が元気になってきているそうです。
7,000店舗に365日野菜を届けている株式会社まつのは、産地直送で起こる店舗への情報不足や不作時の対応など、商品調達の「希望ピラミッド」(指定産地・こだわり品を極力使いたい取引先、こだわり商品をなるべく使いたい取引先、一般的な商品希望の取引先、産地問わず価格重視取引先)がバランスよく形成されるよう調整し、取引先のメリットを最優先に考え、コスト低減の構築をしています。
エコッツェリア協会事務局長・井上成さん、金沢工業大学 研究支援機構 産学連携コーディネーター・小松俊昭さん、東京農業大学 副学長・高野克己さん、三菱地所 商業施設営業部・綿引浩之さん、そしてステークホルダーの帝国ホテル 東京国際フォーラム部 調理課長・秋山利光さん、東京都産業労働局安全安心 地産地消推進担当部長・岩田哲さん、大地を守る会 農産グループ長・戒谷徹也さんほか
その後行なわれたのが、東京産食材の試食会! 何はともあれ「おいしい」を再認識し、大丸有エリアでの流通を目指して、意識を高めていかなくてはいけません。
この日提供された食材は、金時ニンジン、島ニンジン、スティックセニョール、ラディッシュ、ゴールドスター(以上小坂農園)、大根(味一番)、さつま芋(紅あずま、パープル)、ブロッコリー、キャベツ(以上櫻井農園)、キンメダイ、メダイ、クロムツ、キメジ、ヒラメ、糸寒天など。そして「大地を守る会」からは日本各地の食材を使用した一品料理各種がズラリと勢揃いしました。調理を担当したのは新丸ビルに店を構える「イグレック丸の内」の市川健二シェフです。
「加工しても負けない力強い食材ばかりだった。特に黒ムツには驚いた。鮮度はいいし野菜は糖度が高いので、いつもの調理法では甘すぎてしまうくらい。レストランではコスト面からここまでいい食材を使えなかったりするので、もしこれらが安定供給できれば、多少割高になっても使ってみたい。背景にあるストーリーも売るつくり手になりたいが、これが鎌倉野菜のようにブランド化してしまうのは怖い」と市川シェフ。
シェフたちの間でも、「東京野菜は使えるもの」という認識が広まっている大丸有エリア。食べてみたいとは思いませんか? まずはみなさんにも関心を持っていただき、定着させることを目指しています。どうか今後の東京食材にご注目を!
大地を守る会とイグレック丸の内によって提供された東京食材を使った料理の数々!