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丸の内でアスレチックしてシャボン玉吹いてホメまくる!?丸の内朝大学発プロジェクトのその後を追った!

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冬季に入り、授業は一旦お休み中の丸の内朝大学。春学期の発表を心待ちにしている方も多いことと思います。

お休み中のため、丸の内にあの元気な朝大学生たちの姿はない......。と思いきや、真冬の早朝、オフィス街で元気にラジオ体操中の集団を発見!彼らは「全日本街中アスレチック協会」を立ち上げた環境・ソーシャルプロデューサークラスの卒業生のみなさん。どうやら、彼らのように卒業後も活動を続けているプロジェクトが他にも多数ある様子です。

今回は、そんな朝大学卒業生のみなさんの、その後の姿を追いました!

「丸の内アスレチック」by全日本街中アスレチック協会

まずは冒頭でご紹介したアクティブなみなさんにお話を聞きました。この日はラジオ体操で身体を慣らした後、前屈、反復横とびなど、丸の内のまちを舞台に動き回った彼ら。

「運動不足を感じました」と笑うのは、リーダーを務める横田貴久美さん。そもそもなぜまちで運動を?活動の趣旨を聞きました。

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メンバーが足で探して作った「丸の内アスレチックポイントマップ」

「 "日常の中で気軽にできることで健康になろう"というコンセプトで、オフィス街で通勤時間を使って運動をしてしまおうと考えました。何も物がなくても、見方を変えるだけで、いつものまちがアスレチックのような遊びの空間に変わります。そんな気付きを広く伝えるため、今は丸の内や銀座でアスレチックポイント(略して「AP」)を探したり、実際に自分たちでトライアルをしたりしています。意外に遊べるポイントがあるんですよ。」

こちらは、彼らが大丸有エリアで発見した「AP」をマップにしたもの。「皇居前コース」、「行幸コースなど」、通勤途中に短時間で回れるコースも図式化されています。普段見慣れた風景も、こうやって見ると全く違ったまちに見えてきますよね。

「最近は、どこを歩いていても遊べる場所を探すようになってしまいました。"ここは反復横とびできるかなぁ"とか(笑)。そうやって見ていると、意外に段差があったり、バリアフリーが整っていたりという特徴が見えてきて、まちを再発見できるんです」(横田さん)

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前屈(左)に反復横とび(右)。街が次々にアスレチックポイントに!

遊び場としてだけではなく、街の意外な特徴が見えてくる。ここから、新たな活動に発展させていくこともできるかもしれませんね。今後の計画についても聞きました。

「4月に街中で遊ぶ体験イベントを計画しています。そして、目標はこの体験を日常に持ち帰ってもらうこと。ひとりじゃできないかも知れませんが、これをきっかけに友人に話したりすることからコミュニケーションが生まれるといいな、と思います。そしていつか、ウェブサイトに投稿機能を付けて口コミによる全国のアスレチックポイントマップを作りたいです!」

日本地図がアスレチックポイントで埋め尽くされる日も近いかも!? 何も道具を必要とせず、見方を変えるだけで日常が楽しく、健康になる。外出が多くなるこれからの季節、面白い活動に成長していきそうな予感がしますね!

「ホメプロジェクト」by ホメッピー隊

人に褒められてうれしくない人なんていませんよね?その"ホメ"がもたらすプラスの心理的効果で、まちのみんなを仲良く、元気してしまおうという「ホメプロジェクト」(卒業当初の名称「丸の内ホメ大学」から改称)。農業実験レストラン「六本木農園」において、お客さん同士で褒め合ってもらうイベント「ホメッピーアワー」を定期的に開催するなど、2010年6月の卒業後も精力的に活動を続けています。

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相手の良いところを記入して渡す「ホメッピーアワー」のカード(左)、ホメッピー隊のみなさん(右)

そもそも"ホメる"ということに着目したのは、なぜだったのでしょうか?メンバーの、福士健一さん、賀来茜さんに聞きました。

「もともとは"まちを元気にする"というコンセプトで企画を考えていて、コミュニケーションのツールとして"ホメる"ことを思いつきました。調べてみると、ギャンブルで勝って賞金を得たときと褒められたとき、その脳の活性部位が同じであるという実験結果が見つかりました。つまり、褒められるとお金をもらったときと同じような喜びを得られるということなんですよね。それに、褒められる側だけじゃなくて褒める側もハッピーな気持ちになって、関係性も変わっていく。褒めることは、たくさんのハッピーを生み出してくれるんです」(福士さん)

学術的にも立証されている"ホメ"の効果。日常のいろいろな場面にも応用していけそうな気がします。

「イベントで出会った方に、"社員教育にぜひ取り入れたい"と声をかけていただいたこともあります。私たちは褒める主体ではなく、褒めることを提案していく立場なので、今後このような依頼にどのようにお応えしていこうかな、と模索しているところです」(賀来さん)

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ホメッピー隊の福士さん(左)と賀来さん(右)。「お互いに褒めてください!」というお願いに、照れながらもこの笑顔!

この活動を始めてから、人の良いところを探す意識が根付いて、褒め言葉が言いやすくなったというおふたり。実際、メンバー内は褒め合う習慣ができているそうで、日常的にも愚痴が少なくなるなど、気持ちにも変化が現れているようです。

今後はイベントの回数を増やし、他の活動や企業とのコラボレーション企画も行うなど、認知の機会を増やしていきたいとのこと。「"ホメ"が経済効果にもつながれば」なんて構想も聞かせてくれました。うーん、褒めるってすばらしい! ホメプロジェクトの活躍で、日本が元気になる日もそう遠くないかもしれません。

「東京シャボン玉倶楽部」

子どもの頃遊んだシャボン玉。そういえば、大人になってから吹いた経験なんて数えるほどしかありませんよね。そんなシャボン玉のあるライフスタイルを提案するのが「東京シャボン玉倶楽部」のみなさん。昨年12月に卒業し、これから始動といった活動ですが、そもそもなぜ、シャボン玉なのでしょうか?メンバーの長部広太さんにお話を聞きました。

「喫煙所のコミュニケーションって魅力的じゃないですか?タバコを吸う人たちのたまり場で、大事なことが決まってしまうこともある。僕自身は喫煙しないので、それを、喫煙の有害性を取り除いたカタチで再現したいと思いました。女性にとって男性のタバコを吸う仕草が魅力的だと聞き、似ている動作として思いついたのが、シャボン玉を吹くこと。シャボン玉を吹く人たちのたまり場"シャボステーション"をまちの中に作ってしまおうと考えました」

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一見タバコのようですが、実はシャボン玉!街のシャボステーションで一服するメンバーのみなさん。

ヒントとなったのは、なんと喫煙所。シャボステーションには、シャボン玉液、スティック、ウェットティッシュ等を設置。ご覧の通り、見た目はまさしく喫煙所そのものです。空高く昇っていくのは、煙ではなくシャボン玉。その光景は、実にさわやかで気持ちよく、街行く人も思わず足を止めてしまいそう。シャボン玉を吹くことには、どんな楽しみがあるのでしょうか?

「メンバーの中にはシャボ中毒(笑)になってしまうほどハマった人間もいます。みんなで日の出をみながらシャボン玉を吹いてワインを飲むイベントも開催したんですが、それは本当に気持ちよかったです。また、吹いていると子どもに限らず、大人の方も寄ってきてくれる。そこからコミュニケーションが生まれていく可能性を感じています」

長部さんはこの日も、シャボン玉ケース(シャボケース)を首からぶら下げて来てくれました。おしゃれなレザーのケースの中には、ご覧の通り、シャボン玉液等のアイテムが。携帯するシャボアイテムや、洗顔にも使えるしゃぼん液などの開発にも着手していきたいという構想も聞かせてくれました。

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マイシャボン玉(?)を吹く長部さん(左)。ご自慢のシャボケース(右)で大事に持ち歩いています。

他にも、まちの中や飲食店内にシャボステーションを置く計画など、アイデアは留まることを知りません。今はメンバーで週一回集まり、今後について話し合っているそうです。いったいどんな活動に成長していくのでしょうか。今後がとても楽しみです。

卒業生のみなさんのお話を聞いてとても驚いたのは、どのプロジェクトも卒業後にそのコンセプトや活動形態を真剣に再検討しているということ。数多くミーティングを持ち、プロジェクト名や方針の変更を決めた例もいくつかありました。彼らにとって、卒業はプロジェクトのスタートに過ぎず、そこから新たなストーリーが生まれているのです。

そして参加するひとりひとりが、自分のプロジェクトの中に自分なりの楽しみを見つけているようでした。これこそ、継続の秘訣。自ら楽しみながら、社会問題を少しずつでも解決していくことに喜びを見つけた丸の内朝大学 環境・ソーシャルプロデューサークラスの卒業生たち。これからも追いかけていきたいと思います!

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