やはりまずは教科書*1 です。検定の案内にもあるように、教科書から問題の7割は出題されます。私は教科書を何度か読みました。とはいえ、教科書を完璧にしても、残りの3割はカバーできません。
その部分を埋めるのが、『月刊丸の内』*2 や『Marunouchi Paper』など、数多く発行されているこの地域のフリーペーパーです。フリーペーパーを読むと、今の丸の内で起きている情報をキャッチすることができます。イベントに関する問題もよく出題されるので、その対策にお勧めです。
各社の広報で入手できる会社案内やアニュアル・レポートも情報源として貴重です。丸の内の歴史や会社の歴史が非常によくまとまっています。
それから、『丸の内マップ』*3 は必携品ですね。この地区の建物や通りの名前が記載されているので、地理感覚をつかむのに最適です。歴史的な建造物や最近オープンした商業施設、アート作品の情報も充実しています。例えば、丸の内仲通りで展開している「丸の内ストリートギャラリー」では、彫刻の森美術館の協力を得て、彫刻作品を展示しています。丸の内ブリックスクエアでも彫刻を展示していますし、丸ビルでは建物にアートワークを取り込んでいます。こうしたアート作品の名前と作者名が、『丸の内マップ』には全て載っています。また、「もぐら地図」と呼んでいる地下街の地図もあるので、雨が降ってきたときも重宝します。
最後に手前味噌で恐縮ですが、「丸の内ウォークガイド」*4 も是非活用していただきたいと思います。試験に備えてウォークガイドに参加される方も実際いらっしゃいます。特に、普段丸の内との接点が少ない人にはお勧めです。
教科書はじめ、文字を読んでいるだけだと頭に入らなかった情報が、まちを歩き、実物を見ながら人の話を聞くことで、知識として定着しやすくなると思いますし、何より、このまちの面白さを実感していただけるのではないかと思います。
私自身、会社勤めをしていたときは丸の内とあまり縁がなく、5年ほど前にガイドでこの地域と接点を持つようになりました。最初の印象は、「丸の内ってこんなに面白い場所だったんだ」という驚きに尽きます。今でもその思いは変わらないというか、むしろ増していて、丸の内に来る度に発見の連続です。
まちが面白いと思えば、勉強も楽しくなります。教科書を読んでみて取っ付きにくさを感じた人は、ウォークガイドにぜひ参加してみてください。
まずは新丸ビル7階のテラスです。東京駅側の人気が高いようですが、私は、桜田門から二重橋を一望できる皇居側がお気に入りです。
行幸通りと日比谷通りの交差点付近から見る景色も実に素晴らしいです。足下にはお堀、西を向けば皇居、東を向けば世界有数のビジネス街。日比谷通り沿いには、東京銀行協会ビル(旧東京銀行集会所)、明治生命館、DNタワー21(旧第一生命館)と、時代を感じさせる建築物がズラリと並んでいます。これだけのコントラストを楽しめる場所は、世界でも他にないのではないかと思います。
建築ということだと、東京駅丸の内中央口もお勧めです。丸の内は、各時代の建築物を楽しめる「生きた建築の博物館」だと思っていますが、ここ中央口からは、江戸から明治、大正、昭和、平成の建築物を一度に見ることができます。いや、正確には、出来ました、もしくは出来るようになります、ですね。江戸時代ということだと皇居に残る江戸城の櫓、明治時代の建築は、竣工は大正3年(1914年)にずれ込みましたが、明治を代表する建築家・辰野金吾設計の東京駅の駅舎があります。新丸ビルの北面にある日本工業倶楽部会館は大正9年(1920年)の竣工です。丸の内南口方面には昭和8年(1933年)に竣工した東京中央郵便局がありました。平成の建築は、丸ビル、新丸ビルが東京駅の目の前にそびえています。今は、東京駅自体が工事中ですし、郵便局も建て替え工事でその姿を望むことができませんが、二つの工事が完成する予定の平成24年(2012年)が今から待ち遠しい限りです。
*1 『丸の内検定ガイドブック』
*2 『月刊丸の内』
*3 『丸の内マップ』地図部分のみこちらからダウンロード可能
*4 丸の内ウォークガイド。葛西さんは「浪漫薫る街の散策」コース(火曜日)を主に担当。
第3回 丸の内検定の申し込みは、6月11日(金)まで。
丸の内地球環境新聞で、1級合格者による合格の秘訣を知れば、アナタも1級合格できるかも!?