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【環境コミュニケーションの現場】三菱地所グループ:新CMでは、桜庭ななみさんが丸の内をレポート

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企業・団体の環境コミュニケーションの現場に迫るシリーズ【環境コミュニケーションの現場】。第一回目は、三菱地所グループにスポットを当ててお届けします。

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三菱地所株式会社広報部
副長 石川直氏

この9月から一新された三菱地所グループのCM。映画「サマーウォーズ」での声優出演や、今年12月公開の映画「最後の忠臣蔵」への出演で注目の女優・桜庭ななみさんが、お手製のリメイクバスに乗って三菱地所グループが手がけたまちを見に行くというものです。

10月からは丸の内篇(三菱一号館美術館)がスタートということで、ちょっと気になるこのCMについて三菱地所株式会社広報部の副長 石川直氏にお話をうかがいました。

―今回のCMは、丸の内、横浜、仙台という3つのまちをめぐるシリーズということですが、CM全体のコンセプトはどのようなものなのでしょうか?

三菱地所グループのコーポレートブランドを伝えることがまず目的としてあります。ブランドスローガンは「人を、想う力。街を、想う力」。三菱地所グループがまちづくりに込めた想いや、どんな想いで事業を展開しているのかということを、CMを観る方々に知っていただきたいですね。

広告表現としては、視聴者の方が三菱地所グループを身近に感じられるようなCMにしようと。また、具体的な事例を紹介することで、三菱地所グループの取組みを、実感を持ってわかっていただけるようなCMをつくろうと考えました。

―そのようなコンセプトの中で、なぜ桜庭ななみさんを起用することにしたのでしょうか?

申し上げたように、身近に感じていただけることを意識していたのでキャラクターの"親しみやすさ"は重視しました。三菱地所のことを「名前は知っているけれど実際に何をやっているのかはよく分からない」という設定なので、そうした方々を代弁するキャラクターとしては、若い方がいいと思いました。大人だと企業の立場を代弁するリポーターのようになってしまいがちで、一般の視聴者から遠くなってしまう恐れがありますからね。

―実際に桜庭さん会ってみてどのような印象を持たれましたか?

写真や映像での印象通り、明るく可愛らしくて好奇心の強い女性というのが第一印象でした。でも、私たちがCMで表現しようとしている趣旨や、キャラクターの役づくりへの理解力の高さには驚かされました。また、これは桜庭さんに限らずですが、スタッフの皆さんが楽しみながらつくって下さっていて、制作現場の明るい雰囲気がよかったですね。

―CMを通して「まちづくり」に接した桜庭さんの反応はいかがでしたか?

桜庭さんに限らず、「まち」というのは普段暮らしている日常風景そのものなので、それを誰かが考えてつくっているという意識はあまりないと思います。ですから、その裏に「まちをつくる人」や「まちに込めた想い」が隠れているということを、新たな発見として受け止めていただいたようです。CMをご覧になるみなさんも、でき上がった「まち」の背後にそれを計画した人がいると考えると、まちを見る眼も少し変わって面白いと思いますよ。

―CM制作で大変だったことはありますか?

スタッフの方々も含めて、真剣ながらも楽しい現場だったので、大変ということはそれほどありませんでした。ただ、ほとんどが屋外ロケだったので、撮影時に悪天が続いたのが大変といえば大変でしたね。

―その苦労がどう実ったかも見所ですね!
―具体的に、桜庭ななみさんの視点を通して視聴者に伝えたいことは何ですか?

最終的には「まちづくりって楽しそう」と興味を持っていただき、まちづくりが夢や感動を伝える仕事だとわかってもらえたら、本当に嬉しいです。

コーポレートブランドのCMというのは具体的な商品を宣伝するものではなく、企業の「想い」を伝えるものなので、伝え方は難しいですね。三菱地所グループの場合、「場所」「空間」「時間」といったものを商品とするとも言えるので、例えばディズニー・リゾートのようなテーマパークの広告と通じるところもあります。でも、私たちが実際にお客様にご提供するのはファンタジー(夢)ではなくリアルな生活の場であり、そこに「夢」を添えてお渡しするわけです。

三菱地所グループのコーポレートブランドでは、ステイクホルダーの皆さまに「本質的な価値と夢や感動」を提供するとお約束しています。その想いをCMを通して伝えられれば、と考えています。そして伝え方においては、CMを見る方が自分のこととして共感できるのはもちろん、共感からさらにもう一歩踏み込んで、見た方の「心をくすぐること」、「心を揺さぶること」が出来れば素晴らしいと思っています。そこに、桜庭ななみさんの魅力が一役かってもらうことを期待しています。

―丸の内についてはどのようなテーマで作られたのでしょうか?
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丸の内篇については、昨年(2009年)竣工した三菱一号館の復元を題材に、「過去と未来を街がつないでいるんだ」という言葉をキーコピーに使っています。また、ラジオCMも同時に作り、そこでは、三菱一号館の中庭や壁面緑化、ドライミストなどについても取り上げています。復元を通じて、過去の人たちの想いを現在に受け止め、さらに未来に向けての、環境都市や街のシンボルというつながりを描いています。

ちなみに、次回以降登場する他のまちでは、横浜篇(ランドマークタワー)が「街はいつでも何かがはじまる場所なんだ」、仙台篇(泉パークタウン)が「街をつくることはふるさとをつくることなんだ」というキーコピーを使っています。

―今後、身近な場所が取り上げられるようにCMが展開していくと興味を持つ人も増えるのではないかと思うのですが

三菱地所グループでは、オフィスや住宅以外にも、商業施設、ホテルなど様々な事業を行っています。また事業の展開エリアも全国、さらには世界に広がっています。そういう意味では、「三菱地所を、見に行こう。」の広告展開はいくらでもネタが見つかる可能性はありますね。ただ大切なのは、そこに込めた想いが何なのかを描くことです。例えば、ある商業施設を題材にするにしても、そこを「家族の距離が縮まる場所」と表現することもできるわけです。広告を見た方の「心を揺さぶる」ようなという視点で、場所や事業を見つけていきたいと思っています。

想いを伝えるというのは、CMに限らず、日頃のコミュニケーションにおいても大切なことですので、社会からどう見られているのかというのを、常に意識しなければと考えております。

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