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【環境コミュニケーションの現場】 オフィスワーカーの健康づくりは私たちにおまかせ! ― ティップネス丸の内スタイル「出張フィットネス型プラン」

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丸の内ブリックスクエアにある「ティップネス丸の内スタイル」は、丸の内など大丸有のオフィスワーカーを主な対象に、一人ひとりの状態やニーズに合った質の高いサービスを提供しているフィットネスクラブです。企業によるCSRや環境に関する広報と普及の現場を取材する【環境コミュニケーションの現場】。第26回は、ティップネス丸の内スタイルが法人会員向けに行っている「出張フィットネス型プラン」などのサービスについて、支配人の山下朋恵さんと、トレーナーの佐藤美穂さんにお話をお聞きしました。就業者の健康は、ビジネスを推進する企業の源泉でもあります。顧客とのコミュニケ―ションや、運営主体であるティップネスの環境やエネルギーに関する取り組みについてもうかがいました。
ティップネス丸の内スタイル

オフィスにトレーナーが来て体力測定やエクササイズを指導

― フィットネスクラブは自分から行くものと思っていたので、トレーナーが会社に来て指導してくれるサービスがあるとは知りませんでした。
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ティップネス丸の内スタイル支配人の山下朋恵さん。グローバル化が進み、企業が社員の健康づくりまで管理するのが当たり前の時代だからこそ、フィットネスクラブにできることは多いと話す

山下: 「出張フィットネス型プラン」は、ティップネス丸の内スタイルが法人会員向けに提供しているサービスのひとつです。ここの施設を利用していただくプランももちろんありますが、そうではなくて、専門スタッフが企業のオフィスにおじゃまして、社員の方の心身状態を把握し、身体機能を改善するためのアドバイスやサポートを行います。

― どうして出張フィットネス型プランを始めたのですか?

山下: ティップネスは1986年の設立以来、個人や法人を対象に多くのサービスを行ってきました。初めの頃はフィットネスというと、とにかく体を動かすというイメージが強かったと思います。それが21世紀になり、企業が社員に対してさまざまなサービスを提供するようになってきました。このように福利厚生が質的に充実してきた背景には、社会のグローバル化があると実感しています。

欧米などの先進的な企業にとって、社員の健康管理はミッションのひとつです。それも、運動による身体機能の向上だけでなく、メンタル面でのサポートや医療との提携など幅広い取り組みが求められます。国際的なビジネス拠点である大丸有エリアは外資系や大手企業も多く、社員の健康管理に対する企業の意識が高いのです。

ティップネス丸の内スタイルは、開業した2009年から「出張フィットネス型プラン」をはじめとする法人向けのサービスを提供しており、その水準と実績は社内はもちろん、フィットネス提供企業の中でもトップクラスです。
社員の健康管理に関する記事はこちら

― 「出張フィットネス」といってもいろいろな種類があるようです。どのように提案して実施するんですか?
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会議室などを借りて行う体力測定会は人気のコース。1日に100人以上の従業員が受ける企業もあるとか

山下: 基本的には、企業が社員の健康面で抱える課題をヒアリングした上で、解決に導くための計画を立てて提案し、会議室などのスペースをお借りして実施します。出張フィットネスには大きく分けて「体力測定」、ラウンドリフレッシュなどの「エクササイズ」、健康に関する「セミナーやイベント」、ヨガやコンディショニングなどの「レッスン」の4種類があります。日本企業からの要望が多いのは、社員の方一人ひとりの体力測定です。一方、外資系にはヨガやダンスなどレッスン系のメニューが人気ですね。

佐藤: 体力測定会では、体組成成分や柔軟性、筋力などの状態を測定します。また、姿勢や動作から身体の機能を評価する最新ツールの「FMS」などを用いることもあります。一人が1回の測定を終えるのに約3時間かかりますが、朝から晩まで好きな時に受けられます。先日ある会社で行った測定会には、2日間で200人の方がいらっしゃいました。測定結果は点数として表されるので、次に受けた時に比較することができます。測定会をきっかけとしてクラブに通い始めた人もいます。
ティップネス丸の内スタイル 「法人さま向けサービス」

ラウンドリフレッシュで身体機能を無理なく改善

― 「ラウンドリフレッシュ」というのはどのようなエクササイズですか。
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オフィスにトレーナーが来て、身体機能を改善するエクササイズを指導する、ラウンドリフレッシュ

山下: 企業のオフィスに専門のトレーナーが出向いて、ファンクショナルトレーニングを中心とした身体機能を改善するためのエクササイズを行います。ファンクショナルトレーニングというのは、正しい姿勢や動きを身につけることで、体が正しく、無理なく動くように改善していくものです。オフィスワーカーのようにデスクワーク中心の人には特に有効です。実際のトレーニングは、毎月、季節に合ったテーマを決めてもらって行います。

佐藤: 毎週1回、昼休憩の後15分というように、日時を決めてエクササイズをしてもらいます。たとえば肩こりひとつとっても、猫背によるもの、長時間同じ作業をしているために腰痛が引き起こすものなど、原因はさまざまです。定期的にファンクショナルトレーニングをすることで、肩甲骨の可動域が広がって肩こりの改善につながりますし、下半身の強化も図れます。前屈しても手が床に着かなかったのに、少しの指導で着くようになる人もいます。また、リフレッシュ体操のような動きなので、仕事で疲れた頭がシャキッと起きるような効果もあります。

― セミナーも人気ですね。

山下: 身体機能の低下だけでなく、メタボリックシンドロームやストレスなど、社員の方が抱える課題はさまざまです。そこで、企業ごとに目的やニーズに合った健康セミナーを企画立案して、専門のトレーナーが最適なテーマについて最新の知見を踏まえて講義します。また、その場でのインストラクションや、コンディショニングの改善提案などを行う場合もあります。

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トレーナーの佐藤美穂さん。パーソナルトレーナーの資格に加えて、現在、食事指導を行う資格を取得するための講習を受けているという

佐藤: 先ほどの例ですと、デスクワーク中心で常に同じ姿勢の人が多い職場では、腰痛や肩こりを改善するためのレクチャーをします。多くは2人1組になってもらって、まず体の姿勢をチェックし合い、その場で簡単なエクササイズを実施します。定期的に出向くことができると、皆さんの体の状態を見ながらステップアップしていけるので、長いお付き合いになります。

山下: このように、社員の方の身体や健康の状態を正しく測定して把握した上で、理論に基づいた改善策を提案して指導を行うには、専門的な知識が不可欠です。佐藤をはじめティップネス丸の内スタイルのトレーナーは、全員が全米エクササイズ・スポーツトレーナー協会(NESTA)認定のパーソナルフィットネストレーナー資格を取得しているプロフェッショナルです。

ティップネスではこのほかにも、ストレスケアや介護予防、特定保健指導、3ヵ月運動支援などのプログラムを法人会員向けに用意しています。

― 利用した企業からはどのような反響がありますか。

山下: 出張フィットネス型プランを実施することで、社員の方自身の体に関するモチベーションが目に見えて向上したと評価していただいています。体力測定の数値やエクササイズを通じて、自分の体が抱える課題が「見える化」されるので、その状態を改善するためにがんばる人が増えるようです。

佐藤: ラウンドリフレッシュを行っている企業では、社員の方が就業時間の後半も意欲的に作業するようになったと好評です。また、普段はあまり顔を合わせることのない部署の人たちが一堂に会してトレーニングするので、オフィスの風通しが良くなり社内のコミュニケーションが密になったという意見もいただきました。

オンラインで自分専用のエクササイズメニューを実践

― インターネットにより自宅でできるトレーニングサービスもあるとか。

山下: 「オンラインパーソナルトレーニング」のことですね。企業の社員や健康保険組合の被保険者を対象として、ティップネスのトレーナーがオンラインによりマンツーマンで運動を支援するサービスです。2012年の夏から試行して、2013年1月から本格的に開始しました。 最大の特長は、自宅などオフィス以外の場所で受講していただけることです。メンバー登録した社員の方や被保険者には、その人だけの管理画面「My Page」が割り当てられます。そこには、事前にヒアリングした内容をもとにトレーナーが作成した専用のエクササイズメニューが掲載されているので、トレーナーの指導に基づいて自分に合った運動を日々行うことができます。サービス期間は90日間で、好みのトレーナーを選ぶことが可能です。

― 好きな時に好きな場所でできるというのは、フィットネスのイメージを大きく変えるものです。
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「オンラインパーソナルトレーニング」の「My Page」には、自分に合ったエクササイズメニューが掲載される

山下: 企業などの管理部門は、事業所が各地にあって福利厚生を同じ水準で実施できないといった問題を抱えていました。一方、社員の方や保険者にも、勤務時間がバラバラだったり、スポーツ施設を利用しにくかったりといった悩みがあります。オンラインパーソナルトレーニングは、両者が抱える課題を解決するために開発されました。利用者に対しては目的やレベルにあわせたエクササイズメニューを個別に提案でき、管理部門は進捗状況を確認・把握することができます。

佐藤: メニューの内容も、「今日は1駅分長く歩いてみましょう」など、日常の生活や仕事の中で取り組みやすいものになっています。トレーニングの経過は、管理画面上で日記のようにつけていくことができます。そうしてトレーニングを続けていって、90日も終わりにさしかかった頃には「少しがんばってみましょう」という感じのアドバイスをさせていただく場合もあります。質問や相談ができるフォームや、サポート履歴を確認できるコンテンツ、カレンダー機能、FAQ、基礎学習のページなどもあって楽しくトレーニングできますよ。

山下: まだサービスを始めたばかりですが、すでにたくさんの引き合いをいただいています。実際に利用している人では女性の割合が多いですね。フィットネスクラブに通ったことがないという人もいますし、都外の人もいます。
オンライン運動支援 「オンラインパーソナルトレーニング」

オフィスワーカーのワーク・ライフ・バランスを支援

― 環境やエネルギー関連の取り組みは?

山下: ティップネスは、親会社であるサントリーが環境に力を入れていることもあり、創業以来、CSRや環境関連の活動に取り組んでいます。2009年には、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の認証を取得しました。また、2011年4月に制定した「TIPNESS CREDO」は、①お客さまのために、②自分のために、③家族のために、④仲間のために、⑤お取引先のために、⑥地域と社会のために、の6項目からなる行動指針です。

このような理念に基づき、節電用機器の導入、プールに使う燃料の転換、節水などに努めています。もちろん、お客さまが利用する施設ですので、サービスの水準を維持しながら省エネなどの環境対策を行う「エコとサービスの両立」が求められます。

佐藤: 私たちスタッフも全員、e-ラーニングなどの環境教育を年に2回受講しています。環境やエネルギーは重要なテーマですが、普段の仕事の中で考えたり取り組んだりする機会はなかなかないのでありがたいです。おかげで、お客さま様と環境について話す場面が増えました。また、ペットボトルのキャップ回収運動も行っています。
サントリーグループ各社のCSR活動 「ティップネス」

― オフィスワーカーの健康管理に関して、今後どのようなサービスを提供していきますか。

山下: 今までは運動指導がメーンでしたが、2013年からサービスの領域を広げていく考えです。まず、利用者の食事に関するアドバイスを開始する予定で、現在、スタッフ全員が資格を取得するための講習を受けています。栄養についての専門知識を持つトレーナーが、食事に関する簡単な指導を、利用者の生活や仕事のスタイルに合わせて、トレーニングとセットで行います。また、メンタル面でのサポートにも力を入れたいです。

フィットネスというとマイナス気味な身体の状態をゼロに戻すイメージがありますが、自分のことを健康と思っている人も身体の状態を一度リセットすることで、よりプラス側に近づける出発点に立てます。私たちは、オフィスワーカーのワーク・ライフ・バランスの実現をお手伝いするフィットネスを目指して、さまざまなサービスを提供していきます。

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