東洋古美術を中心に展覧会を行っている出光美術館で1月8日から「酒井抱一生誕250年 琳派芸術 ―光悦・宗達から江戸琳派―」展が開催されます。
桃山時代後期その絢爛たる黄金文化を背景に京で生まれた、優雅さを特徴とする流派。本阿弥光悦や俵屋宗達が始祖と言われ、江戸中期に尾形光琳・乾山兄弟によって発展、酒井抱一・鈴木其一らによって江戸の地に定着しました。
俵屋宗達が手懸けた作品を中心に、金銀のきらびやかな装飾による和歌巻、扇面画、大画面の草花金地屏風などを展示。宗達が創始した華麗な装飾美と、奥行きある豊かな金地空間が美術館に展開されます。
今年、生誕250年を迎えた江戸琳派の代表者・酒井抱一の作品を中心に、清新な感性が注がれた草花図や花鳥画を展示。酒井抱一は京の琳派芸術を江戸に再興し、銀地屏風など江戸人ならではの感性によって琳派に新風を巻き起こしました。
同じ琳派でありながら、京と江戸という場所、江戸初期と中期という時代の違いによって対照をなす宗達と抱一。第1部と第2部の比較からは、いにしえに範を求めて伝統を自覚しながらも、その伝統を脱する冒険心を芯にもち、それぞれに特徴ある個性を示した琳派の芸術家たちの生きざまが浮かび上がります。
豪華な中にも鋭い感性が光る作品を眺めながら、江戸時代の東京に思いをはせてみてはいかがでしょうか?
〒100-0005
東京都千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9階(出光専用エレベーター9階)
出光美術館