大丸有(大手町・丸の内・有楽町)エリアに16もの店舗があるスターバックスコーヒー(2011年2月現在、丸の内地球環境新聞調べ)。みなさんも通勤途中や休憩時間に利用することも多いのではないでしょうか?そんな利用の際に気になるのが、テイクアウト用の紙やプラスティック製のカップです。買うたびに新しいカップを使い捨てにするというのはどうも気がひけます。
そんな方に人気なのが、洗って何度でも飲み物を入れられるタンブラー。スターバックスコーヒーではタンブラーを持参すれば飲み物を割引するサービスをやっていますし、丸の内朝大学はタンブラーを「学生証」として使用していたりもします。
しかし、タンブラーは意外とかさばるということもあって、外出するときには何かと忘れがち。そんな事情を鑑みて、テイクアウト用のカップの使用量を減らすためのアイデア・コンテストが、スターバックスコーヒーもパートナーとなって開催されました。そのコンテストで賞に輝いたアイデアは、コストもかからずソーシャルでエモーショナルで、なんとも秀逸なのです。これはぜひ大丸有のスターバックスコーヒーでやってほしい!
早速そんな秀逸なアイデアを見てみましょう!
* * *
presented by greenz.jp(greenz.jpは、丸の内地球環境新聞をプロデュースしています、じつは。)
スターバックスコーヒーもパートナーとなったコーヒーカップの廃棄量を減らすためのアイデアコンペ「Betacup」が行われたことについてはgreenzでもお伝えしました。このコンテストの結果が発表され、その結果選ばれた「Karma Cup」のアイデアはなんとコーヒーカップではなかったのです!しかも他のアイデアとは一線を画すエモーショナルな仕掛けがなされていました...
このKarma Cupのコンセプトを示すイメージ画に書かれた言葉がまず印象的です。
このKarma Cupのコンセプトを要約すると、店頭に黒板を置き、マイカップを使った人がいたら、チェックをしてゆき、その数が10人、20人となったら、その「キリ番」の人は飲み物が無料になるというものです。
マイカップを使うことでポイントが貯まり、飲み物が無料になるというアイデアはすでにあるし、このコンテストでもいろいろな工夫を凝らされて提案されました。このKarma Cupがそれらよりも優れているのは、そのポイントというインセンティブが個人に対するものではなく、マイカップを使う人たち全体に対して積み重なっていくという点ではないでしょうか。
本来ならインセンティブは個人に蓄積されていったほうが公平な気がします。このシステムだと、初めてその店に来て飲み物を買った人が無料のタイミングに当たるなんてこともあるでしょう。しかし、それを是とするのがこのアイデアのポイントだと思うのです。
例えばこんな感じでカウントします。
これを是とするということは、このシステムに参加する動機が「自分が得するから」ではなく、「問題を解決するため」であるということを意味するのではないでしょうか。「ポイントが貯まるからマイカップを使う」のではなく、「資源を無駄にしたくないからマイカップを使うけど、無料のタイミングに当たったらラッキー」という発想がそこに感じられます。しかも、ポイントを貯めなくても無料になる可能性があるわけですから、初めて入った店、滅多に来ない店でもマイカップを使ってみようというモチベーションを高める要因にもなります。
さらに、このKarma Cupのシステムのほうが「いいことをしている」気分になるように思えます。それはなぜかと考えてみると、ここにはソーシャルの要素が入ってきているから。個人ではなくみんなで何かをすると、そこに何か連帯感のようなものが生まれる。実際にそれに参加した人たちが顔をあわせたりするわけではないのだけれど、一緒に何かをしているという感覚はそれが「いいことである」という感覚を強くします。
もしかしたら、これをさらに発展させて、店ごとに競争をさせてみたりしたらいいのではないでしょうか?そうすると「自分の行きつけの店」のなかで連帯感が強くなってモチベーションも上がる気がしませんか?あなたがいつも行っているスターバックスが日本で一番マイカップの使用量が多かったら、誇らしいと思いませんか?
考えれば考えるほどよくできたシステムだと思えますが、このアイデアが具体化されるという計画はまだないとのこと。せっかくコンペまでやったんだから、ぜひぜひやってほしい!そのときは店ごとで競争させるという方式も検討していただきたい!
(via Fast Company)