2010年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの様子　（c）久保靖夫

「とどけ！音楽の力 広がれ！音楽の輪」

大丸有（大手町・丸の内・有楽町）のゴールデンウイークの風物詩「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2011」。東日本大震災と福島県の原子力発電所の事故の影響により開催内容の大幅な変更を伝えていた同イベントが、「とどけ！音楽の力 広がれ！音楽の輪」をテーマにした5月2日（月）の復興支援スペシャルコンサートと5月3日（火・祝）～5日（木・祝）に開催される有料公演プログラムを発表しました。

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2011のメイン会場である東京国際フォーラム広報の澁谷 実さんに伺いました。

―プログラムはどのように変更されたのでしょう？

東日本大震災と続く余震の影響で会場になる予定のホールA、B7、B5で電気系統の不具合が見つかりました。また、福島県の原子力発電所の事故の影響で多くの海外アーティストの来日がキャンセルになりました。国によっては日本への出国自粛勧告もありましたし、チェルノブイリ事故の記憶が残るヨーロッパでは特に敏感になってしまう心情もあったのでしょう。当初予定していた400人以上の来日アーティストは残念ながら100人を超える程度まで減ってしまいました。そこで今回は、会場とアーティストをやりくりして、当初予定されていた158公演を91公演にして再編成しました（5月2日の公演含む）。

―短期間にこのように大きな変更をするために、舞台裏ではかなりの苦労があったのでは？

一度は開催中止も含めて検討をしました。しかし、音楽祭の実行委員会で集まって話をしたところ、「クラシックの音楽イベントの中でも規模の大きいこのイベントを中止にすると、今後の音楽界や復興に向けてがんばっていこうという人々の勢いに水を差してしまう。できることをやっていこう」という意見も多く出て、私たちはこれに大きく励まされました。音楽だけじゃなく、スポーツでもなんでも一所懸命やる姿は人に元気や勇気を与えますし、言葉が通じなくても、音楽は人の心を通じ合わせることができます。こういう時だからこそ、このようなイベントに意義があるのかもしれません

―再編成されたプログラムの見どころは？

海外から来るアーティストの中には、「こういう時だからこそ大好きな日本と日本人のために演奏をしたい」と積極的に来日の意思表明された方もいらっしゃいました。日本人でも、「アーティストの人数が減った分、何公演でもやるよ」と言ってくださる方も。当初、全体で950人を予定していたアーティスト数は540人程度になり、公演の数も減りましたが、みなさん士気が高く、どの公演でも魂のこもった演奏が聴けると思います

―ありがとうございました

新プログラムのチケットは4月27日（水）10：00より、チケットぴあにて一般発売されるので、要チェックです。

また、4月28日（木）～5月5日（木）には、入場無料のエリアコンサート約100公演が開催されます。目玉のひとつは、期間中毎日20時から新丸ビルの飲食店を廻るヴァイオリニストの演奏。レストランや居酒屋で演奏することによって家計を助けたブラームスを彷彿とさせますね。また、今年は丸の内ブリックスクエアの中庭広場も会場に。ヴァイオリン・デュオや金管楽器等の演奏を瑞々しい緑に囲まれながら楽しむことができます。

エリアコンサートの各会場では、「元気！ FOR JAPAN．」をスローガンに展開する三菱地所グループの復興支援活動「東北の子供たちに楽器を届けよう」募金が行われ、集まったお金で被災地の子供たちに楽器を贈られるほか、旧グランドプリンスホテル赤坂を避難所として生活する被災者の方々をエリアコンサートや三菱一号館美術館に招待するなどの活動も行われる予定です。

三菱地所グループ「元気！ FOR JAPAN．」

東日本大震災から1ヶ月半。東北や北関東の多くの地域で命が危険にさらされる状態は脱したものの、社会への不安や、多すぎる情報に心が疲れていませんか？そんな時こそ、まちに出て楽しんだり音楽や芸術に感動したり、心に栄養を与える時間を大切にしたいですね。

2010年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの様子　（c）久保靖夫

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