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浮世絵だけじゃなかった!知られざるもうひとつのジャポニスム/世界が恋した日本のデザイン「KATAGAMI Style」三菱一号館美術館で開催中

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4月6日に2周年を迎えた三菱一号館美術館。この日より、開館以来8本目の企画展となる「KATAGAMI Style -世界が恋した日本のデザイン」が始まりました。

19世紀後半、欧米にもたらされた日本の美術工芸品は、ジャポニスムと呼ばれる日本趣味・日本心酔の芸術潮流を巻き起こしました。浮世絵がモネやゴッホに影響を与えたことはあまりにも有名ですよね?その浮世絵と同等に高く評価されていたのが、今回の展覧会のテーマである「型紙」です。

ここでいう「型紙」とは、洋裁の「型紙」ではなく、染めのための「型紙」。江戸小紋やゆかたなどの着物の生地に柄や文様を染める工程で用いられる道具のことです。
その起源については諸説ありますが、鎌倉時代から南北朝時代を始まりとして、桃山時代に完成したとする説が有力です。江戸時代以降、紀州藩の後ろ盾を得たことにより、現在の鈴鹿市白子(しろこ)・寺家(じけ)地方を中心に発展し、同地の型紙商人の手により、全国の紺屋(染め屋)へと運ばれていきました。(カタログ「KATAGAMI Style」より)

そして19世紀末、用済みとなった「型紙」が、大量に西洋に流出。
産業革命のすすんだイギリスをはじめとする英語圏では、アーツ・アンド・クラフツの流れと重なり、テキスタイルや壁紙のデザインに使われました。
アール・ヌーヴォーが花開き、早くから日本の文物への関心が高かったフランスでは、芸術家たちの芸術に生かされます。
この時代、芸術的な遅れを取り戻そうと工芸学校が多く設立されていた独語圏では、その教育過程に取り入れられ、ユーゲントシュテールに影響を与えました。
当時の欧米の造形芸術を根本から覆してしまうほど、各国のアートシーンに大きな影響を与えたのです。

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展覧会は、その各国での受容・展開の形がよくわかるよう、約400点の作品を5章立てで紹介、「型紙」が与えたインパクトを俯瞰できる構成となっています。 第1章:型紙の世界-日本における型紙の歴史とその展開
第2章:型紙とアーツ・アンド・クラフツ-英米圏における型受容の諸展開
第3章:型紙とアール・ヌーヴォー-仏語圏における型紙受容の諸展開
第4章:型紙とユーゲントシュテール-独語圏における型紙受容の諸展開
第5章:現代に受け継がれる"KATAGAMI"デザイン

katagami_3.jpg画像左上:型紙 梅に変り芝翫縞 リバティ社 ©Liberty Art Fabrics 画像右上:リバティ商会 シラン・シルク見本帳 1900-05年頃 リバティ社 ©Liberty Art Fabrics
画像左下:アーデルベルト・ニーマイヤー(花器)1907-08年ニンフェンブルク磁器製作所 画像右下:型紙 瓢筆 ヴュルテンベルク州立博物館、シュトゥットガルト
それぞれの作品から、「型紙」のダイレクトな影響が読み取れます。

「2006年パリの日本文化会館で開催されたこの展覧会の原型は、「型紙」に特化した世界初の展覧会として大反響を呼びました。ぜひ日本でも紹介したいと企画され、研究チームを新たに立ち上げ5年以上と長い準備期間をかけた今回は、画期的だと自負しています。これを契機として、新しい研究がすすみ、また新たな展覧会が行われるという展開を期待したい」
とは、本展覧会の担当学芸員である阿佐美淑子さんのコメント。

東京展は5月27日まで。
7月7日からは京都展、8月28日からは三重展と巡回します。 「型紙」自体の美しさに一見の価値があるのは言うに及ばず、テキスタイルから、ガラス・家具などの工芸品、建築に至るまで、これも「型紙」の影響なの!?と新鮮な驚きがいっぱいです。早速、twitterで「想像以上に見応えがあった!」などのコメントも寄せられているようですよ。日本が誇る手仕事のすばらしさを実感しに、ぜひ足を運んでみてください。

「KATAGAMI Style -世界が恋した日本のデザイン」東京展

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会場:三菱一号館美術館
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-6-2
会期:2012年4月6日(金)-5月27日(日)
本展は展示替えがあります。詳しくは、作品リストをご覧ください。
東京展の前期、後期は以下の通りです。
(前):4/22まで展示、(後):4/24から展示 休館日:毎週月曜(但し、4月30日と5月21日は開館)
開館時間:[火・土・日・祝]10時~18時、[水~金]10時~20時
※いずれも最終入館は閉館30分前まで
主催 :三菱一号館美術館、日本経済新聞社
交通:東京メトロ千代田線「二重橋前」駅(1番出口)から徒歩3分
JR「東京」駅(丸の内南口)・JR「有楽町」駅(国際フォーラム口)から徒歩5分
アクセスマップ
http://mimt.jp/guide/index.html
お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)