6月15日に申し込みを開始した夏学期も、既に定員締切のクラスが続出となっている丸の内朝大学。相変わらずの根強い人気と、受講生のみなさんの熱意を感じます。
6月29日(金)には卒業式も控え、春学期のクラスが最後の授業や発表の時期を迎えるなか、今回私たちがお邪魔したのは、「映画コミュニケーションクラス」。今期に初めて登場したこのクラスの最終講義が行われると聞き、取材に訪れました。
映画が好き、という方は多いですよね。でも丸の内朝大学の「映画コミュニケーションクラス」は、映画を「見る」のではなく「つくる」ことで、日常生活やビジネスの場でも活かせる「物語編集術」を身につけることを目的としたクラスです。全8回の講義で、映画づくりの魅力やシナリオの考え方を学び、最終的にはチームでひとつの作品をつくり上げます。
そして、この日、6月12日に行われた最終講義は「ワールドプレミア・プレ上映」。2ヶ月の成果として、各チームが製作した作品を発表する日です。朝7時30分、通い慣れたエコッツェリアに集まった受講生のみなさんは、心なしか緊張した様子。講師の林弘樹氏(映画監督)と、栗山宗大氏(脚本家・プロデューサー)も、「いよいよですね」と、名残惜しそうに最後の授業をスタートさせました。
「ワールドプレミア・プレ上映」では、6チームの作品を順番に上映していきます。1作品は約5分、「感動度」「ドラマツルギー度」「映画コミュニケーション度」の3つの視点で採点も行います。
上映前には、チームのみなさんが作品に込めた想いや見所を紹介。そして上映後には、先生と他のチームから直接感想も伝えられるという、ドキドキの上映会なのです。
ではここからは、上映された6作品のストーリーを少しだけご紹介していきます。本物さながらに作られた力作フライヤーにもぜひご注目ください!
恋人に「煮え切らない男はムリ」という理不尽な理由でフラれ、バーで酒に溺れる主人公。ふと後ろを振り返ると、そこには不思議な扉が......。扉の向こうに広がる魅惑的な世界で見たものとは?異国感漂う演出が魅力の作品。
主人公は結婚紹介所を通してお見合いを繰り返す、冴えない男。あるとき、出会った女性と「温泉」で意気投合、ケータイストラップをプレゼントします。それでもフラれてしまった彼は温泉旅行にでも行こうと旅行会社を訪れます。そこにはなんと、運命の出会いが......!予想もつかない展開にドキドキさせられるラブストーリー。
女性にフラれ、会社でも怒られ、果てには階段から落下して意識を失ってしまう主人公。そこに先ほどフラれたばかりの女性が偶然通りかかり、めでたくヨリを戻すのですが......。主人公のキャラクターと衝撃のラストがツボのコメディ作品。
「携帯に依存し過ぎていませんか?」というナレーションから始まり、場面は会社のオフィスに。携帯を無くしてしまった若手社員は、スケジュールも分からなくなってしまい、取引先からも怒られ、ハプニング続きの1日を過ごします。そして終業後、彼女との待ち合わせにも遅れてしまった彼に待ち受けていた運命とは? 日常にありそうな1ページを切り取った社会派作品。
主人公の女性は、オリンピックを目指すランナー。病気のため走ることを諦めた恋人のためにも「絶対優勝する」と、練習に励んでいます。そして本番、主人公は途中で転んでしまいますが......。2人の愛と絆を爽やかに描いたラブストーリー。
住宅街で殺人事件が発生。ランニング中の女性が男性の死体を発見することから、物語は始まります。スナックのママ、サーフィン仲間、婚約者など、個性的な証言者が次々に現れますが、さて、犯人は? まさかの展開に目が離せないサスペンスドラマ。
以上6作品、どれもオリジナリティ溢れる物語設定で、続きが気になりますよね? それぞれに工夫を凝らした演出が施された作品の数々に、会場からは度々笑いが起こり、上映会は大いに盛り上がりを見せました。また、上映後の感想には、撮影の手法や小道具など、細かい演出に触れる専門的なコメントが多数。自ら製作することにより、受講生のみなさんの視点にも変化が表れているのを感じることができました。
上映会で、作品そのもの以上に印象的だったのは、受講生のみなさんの、心からこの場を楽しんでいる様子です。作品のプレゼンテーションから感想、終了後の歓談まで、チーム内はもちろん、クラス全体に、活気あるコミュニケーションが生まれているのを感じました。講師の栗山氏は最後に、
「映画コミュニケーションが何たるか、分かったのではないでしょうか。これは終わりではなく、みなさんの始まりです!」
と、コメント。作品をつくりあげることよりも、むしろ、「作品をつくることによってコミュニケーションを生む」ことが、このクラスの目的だったということを、改めて強く印象付けられました。それが、「映画クラス」ではなく「映画"コミュニケーション"クラス」であることの意味なんですよね。
そしてなんと、7月には、この日上映された6作品を観賞することができる「ワールドプレミア上映」の開催が決定しました。この日は、講師のおふたりが所属する「ものがたり法人 FireWorks」の話題作『ふるさとがえり』も同時上映される予定です。
朝大学の生徒に限らず、誰でも入場可能。この機会に、みなさんも、"映画コミュニケーション"の魅力を体感してみてはいかがでしょうか?
「日本のものづくり」「富士山雑学登山」「究極のカレー」など22講座を開講。丸の内朝大学 2012年夏学期、明日15日AM6:30より受付スタート