「3＊3ラボセミナー」では、持続可能な社会の仕組みとは何かという事を、
この大手町、丸の内、有楽町のエリアにおいて考えていこうと２０１１年秋から
トークイベントを開催してきました。
３＊３ラボの３の２つの文字は「３R」の意味と「３rdスペース」の意味をかけあわせたものです。
資源循環の問題をこの大手町を中心とする場所でそこで働く人と一緒に考えていこうとスタートした
このトークイベントでは、ほぼ毎月、多い時には毎週様々なゲストを迎えて、
今まで３０回近いセッションをおこなってきました。

1年目は、日本の各地で環境プロジェクトを行う企業を招き、その現状を聞いていきました。
そしてその活動がいかに難しいことか、また多くの活動家が企業から飛び出して
事業を継続している事実を見て、企業という枠組みで行う事のジレンマを痛感しました。
それは環境事業の問題というより、新たな事業をどう起こしていくかということに
課題がありそうだと考えました。

そこで2年目は、少し視野を広げて、個人で起業する人を対象にして、
社会起業家をゲストに迎えました。
さらにフィールドを日本だけでなくアジア諸国に広げ、
国内国外両方のゲストを呼びながら、進めていきました。

3年目は、さらに日本の中でも辺境の場所や自然と共生する暮らし方を考えるという視点や、
地域経済の問題にも視点を広げています。その実現に向け現場で汗を流す方々を
ゲストにお迎えし、お話を伺ってきました。
また、"お金のかからない豊かな暮らし"や"人と森のあいだ""家具と家のあいだ"
といったシリーズ企画も実施してきました。

4年目を迎えた２０１４年は、もう一度テーマを再編して展開していこうと思っています。
さらにトークイベントを行うことだけでなく、テーマごとに研究会なども行いながら、
具体的な提言や活動にまで移していきたいと思っています。

２０１４年のキックオフとなる今回のイベントでは、
「３＊３ラボセミナー」モデレーターの土谷貞雄氏により、
これまでの「３＊３ラボセミナー」の活動を振り返りつつ、未来の日本、
未来のアジアの姿をみなさんと一緒に考えていきたいと思います。


＜＜モデレーター土谷氏より＞＞
環境の問題を考える事は、今までの経済至上主義から、
より人間中心の豊かさや幸福感をどう手に入れるか
ということにほかならないでしょう。人口縮小や高齢化、少子化、経済の低迷
といった日本の状況は成長の時代から
縮小の時代へと進んでいます。

こうした時代にもう一度持続可能な暮らしとは何かということを考え、
多くの人たちが、今までと違う価値観で田舎に暮らしたり、海外に暮らしたり、
企業から独立したり、さらには就職せずに、
という様々な暮らし方や働き方が始まっていることを３＊３ラボセミナーでは
紹介してきました。

とはいえ、そうした現状の社会の仕組みから離れて活動する人達にも
葛藤があるのも事実です。
それは我々が過ごしている、産業革命以降の効率化や拡大という思考、
大量生産、大量消費をつくろうとする
思考の枠組みから疑う必要があるのでしょう。

これからをどう生きていくのか、暮らしていくのか、そしてどう働いていくのか。
これからの暮らしを考えるのにあたって始めの１ページ目を
どうつくっていくのかが大事にも思えます。
今回は２０１４年の活動の始めに、問題点の整理と今後の課題を
みなさんと共有していきたいと考えています。

ぜひみなさんからも活発な意見をいただきながら、
３＊３ラボセミナーの活動をみなさんと一緒に進めていくための
キックオフになればと考えています。
今後一緒に活動をしたい人も是非きてください。