トピックス大丸有

まちが育む、まちを育む 
大丸有エリアまち育プロジェクト

子どもと大人の双方にとって過ごしやすいまちづくりを目指して

都心のビジネス街として知られる大丸有(大手町・丸の内・有楽町)エリア。オフィスワーカーが行き交うこのまちには、実は12の保育施設があり、多くの子どもたちが日々の暮らしを送っています。
これらの保育施設はいずれも園庭をもっていませんが、ビジネス街として整備されてきた都市空間にある企業緑地が、日常的な外遊びの場として活用されています。
しかし、子どもたちや保育現場とまちづくりとの接点は限られ、子どもたちのニーズや視点が十分に把握されているとは言えない状況でした。
そこで2021年に始動したのが「大丸有エリアまち育プロジェクト」です。
子どもたちの言葉にならない気づきや反応に耳を澄ませ、その視点をまちづくりへ活かしていく。そんな新しいアプローチから、大丸有エリアを「ここで育ってよかった」と思えるまちへ育てていく取り組みです。

子どもの"非言語の声"から始まるまちづくり

プロジェクトでは、

保育施設へのヒアリング
子どもの行動調査
まちづくりへのフィードバック

という3つのステップで活動を進めてきました。

まず、保育施設や保育事業者へのヒアリングを通じて、保育現場が感じている課題や期待を整理。さらに、保育園のお散歩への同行調査や、オリジナル教材「まちあそびBOOK」を活用した観察プログラムを実施しました。
調査では、子どもの目線に合わせたカメラ撮影も実施。大人には見えていなかった景色や興味の対象を可視化することで、子どもたちがどのようにまちを楽しみ、発見しているのかを丁寧に読み解きました。
その結果、花や木などの自然だけでなく、サインやデジタルサイネージ、光や影、手触りや香りなど、さまざまな都市の要素が子どもにとっての「まち遊具」になり得ることが見えてきました。

1_machiiku_1180px.png 子どもの行動や視線を観察し、まちの見え方を調査


企業緑地を舞台にした環境教育プログラム

調査で得られた知見をもとに、企業緑地を活用した環境教育プログラムも展開しています。
花壇での植え替え体験から始まり、現在ではサツマイモやコカブ、ホウレンソウなどの栽培活動にも挑戦。子どもたちは土や植物、生きものとのふれあいを通じて、都心ならではの自然体験を積み重ねています。

2025年度には年間9回のプログラムを実施し、延べ370名の園児と保育者が参加。保育施設と企業緑地をつなぐ新たな交流の場として定着しつつあります。
また、保育施設と事業者が継続的に意見交換を行う「大丸有エリアまち育連絡会」も開催。まちに対する要望やアイデアを共有しながら、関係者同士のネットワークづくりも進めています。

2_machiiku_3photos_1180px.jpg 企業緑地の花壇を活用し、植栽や野菜づくりを体験

子どもの視点が、まちを変え始めている

プロジェクトは調査や体験活動にとどまりません。
大丸有エリアの様々な緑地管理者へのヒアリングのもと、どこの緑地で子どもたちがどんな遊びをしていいのかといった保育施設向け「いいよリスト」や大丸有エリアの親子からの意見を基に作成した子どもたちから見た大丸有の魅力あるスポットを紹介する「大丸有まち育マップ」を制作。 得られた知見を共有知として子どもと大人が共存できるまちのあり方を整理、「大丸有エリアまち育パターンランゲージ」としてとりまとめ公開いたしました。

2_2_machiiku_Pattern_Language.png 大丸有エリアパターンランゲージ

こうした活動を通じて、実際の空間づくりにも変化が生まれています。
たとえば、保育園児がよく利用するホトリア広場では、子どもが座りやすい低いベンチが設置されました。また、大手町ビル屋上には乳児から幼児まで楽しめる遊具が整備され、親子の利用も増えています。さらに、一部の緑地ではこれまで認められていなかった水遊びやシャボン玉遊びなども実験的に実施されるようになりました。

子どもたちの視点が、少しずつまちの風景を変え始めています。

3_machiiku_2photos_1180px.jpg 子どもたちの視点が変えていくまちの風景

子どもも大人も心地よいまちへ

環境教育プログラムに参加した保護者や保育者からは、
「子どもが自然に触れる貴重な機会になった」
「親子の会話のきっかけになった」
「園でも自然体験を増やしたいと思うようになった」

といった声が寄せられています。

また、緑地管理者が散歩中の園児に声をかけたり、自然物を集めて見せたりするなど、まちの担い手側にも前向きな変化が生まれています。

子どもたちの存在を起点に、多様な人々がつながり、互いに育み合うまちへ。

大丸有エリアまち育プロジェクトは、これからも「まちが育む、まちを育む」の理念のもと、子どもも大人も心地よく過ごせる都市環境づくりを進めていきます。

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