CSRイノベーションWGが3月19日(水)、富士ビルディング3階「3×3Labo」で開催されました。ゲストスピーカーに、玉井菜緒氏(株式会社ユナイテッドアローズ 経営企画室 広報 CSRチームCSR担当)を迎え、講演とワークショップ、エコのまど完成披露展示会が展開されました。
はじめに、玉井氏よりCSRへの考え方を中心に、ご紹介がありました。
ユナイテッドアローズは、紳士服、婦人服、服飾雑貨、生活雑貨等を取り扱う、ファッション小売専門店です。現在、国内を中心に18種類のストアブランドを計229店舗展開しています。
企業理念には「Creating a New Japanese Standard 世界に通用する新しい日本の生活文化の規範となる価値観の創造」を掲げられています。理念体系を非常に大切にされ、精神的にも物質的にも豊かさを提供し、新しい生活文化を創造していくことを考えられています。
具体的には、「店はお客様のためにある」という社是のもと、「お客様」「従業員」「取引先様」「社会」「株主様」の5つの価値をバランスよく高めていくことで、理念達成を目指すというものです。5つの中では「お客様価値」を重視しており、他の4つの価値を高めることで相乗的にお客様価値も高まり、すべての価値創造が意味を成すという考え方をされています。
この考え方は、ユナイテッドアローズのCSRとして定められていますが、"企業は社会の公器である"という考えが創業当時からあり、社内ではCSRという言葉は使われていないと言います。これは、世の中でCSRが言われるようになる前から「5つの価値創造」は社内に存在する概念であり、CSRが通常業務内に散りばめられているためだそうです。
価値創造のひとつに、「お客様の生活を豊かに、幸せにしたい」という思いをテーマにした、お客様とのコミュニケーション促進キャンペーン『情熱接客』があります。情熱接客バッジをつけた店員に、10分時間を預けてもらえれば、あなたの世界を変えるスタイリングを提供します、というもの。これを可能にするのは、人材育成に力を入れているためで、5つの価値創造を徹底するためにも、理念研修を取り入れられています。
「理念ブック」という3冊からなる解説書が従業員全員に配布されており、1冊は経営理念体系や言葉の意義、もう1冊はユナイテッドアローズらしい写真を集めたもの、そして全従業員のアンケート結果を載せたものからなっています。会社の好きなところ、嫌いなところ、入社して成長した点などを載せ、日々の業務内でのつまずきや悩みを解決するきっかけにも使えるようにと設けられています。
さいごに「CSRというのは会社の人間性、社会性そのものではないかと思います。社内外の活動を通じて、従業員のモチベーション向上、企業ロイヤルティの向上、幸福感に寄与していきたいと思っています」とまとめられました。
その後はテーブルごとに「印象に残ったこと」「期待や意見」を出し合い、共有がされました。
後半はエコのまど完成披露&ワークショップが展開されました。
エコのまどをディレクションされた篠崎隆一氏(一般社団法人 情報連携推進機構)より挨拶がありました。「エコのまどが始まった時から携わっていますが、回を重ねるごとに多種多様な企業、団体が増えてきたことを嬉しく思います。今回はISO26000内にある、7つ中核主題のどこに企業活動が当てはまっているのか、考えていただきました。今後どういったところに力を入れるか、各企業らしさを考えていただく機会になっていれば幸いです」。
エコのまどの内容は、環境に偏る訳ではなく、コミュニティ形成などさまざまなCSR紹介が並びました。アイデアを出すアドバイスになるよう、ここが良い、ここが気に入ったという感想や気づきをポストイットに書き、エコのまどボードに貼るワークショップです。
そして、各企業の制作担当者から、詳しい説明や制作秘話がされ参加者で共有。今後の活動へのヒントを得られたのではないでしょうか。エコッツェリア会員企業を中心に、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)について学びあいます。さらには、CSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)をめざし、学びから実践に向けたアクションづくりを行います。