第3回環境経営サロンが10月1日(火)に開催され、51名の方が参加されました。
「キリンのCSVの取り組みについて」「リタイアメント層の地域活動 大学連携型リタイアメント・コミュニティの可能性」「慶應義塾SFC未来創造塾の環境融和プロジェクト」について、ゲスト講演とディスカッションが行われました。
【プレゼンテーション】
・『キリンのCSVの取り組みについて』栗原邦夫氏(キリン株式会社 執行役員 CSV本部 CSV推進部長 兼 キリンホールディングス株式会社 執行役員 グループCSR担当ディレクター 兼 復興応援 キリン絆プロジェクトリーダー)
・『リタイアメント層の地域活動参加 大学連携型リタイアメント・コミュニティの可能性』松田智生氏(株式会社三菱総合研究所 プラチナ研究センター 主席研究員)
・『慶應義塾SFC未来創造塾の環境融和プロジェクト』池田靖史氏(慶應義塾大学 政策・メディア研究科教授/環境情報学部教授)
冒頭では、平本真樹氏(エコッツェリア協会 次長)より、経営を考える俯瞰図、経営スタイルの進化表をもとに、環境経営・CSV経営を考える際の、ひとつのアプローチとして参考にとお話がありました。そして、小林光氏(慶応義塾大学教授・元環境事務次官)、竹ケ原啓介氏(株式会社日本政策投資銀行 環境・CSR部長)、水上武彦氏(株式会社クレアン コンサルタント)の挨拶で始まりました。
はじめに、栗原氏より「キリンのCSVの取り組みについて」のプレゼンテーション。企業として日本初であろう、CSVを組織名に取り入れた「CSV本部」を立ち上げた取り組みです。
「ブランドを基軸とした経営」「お客様への価値創造」を、持続的に成長していくための課題と考え、CSVを経営の基軸に据えられました。キリンではCSVの概念を、『これまでのCSRを進化させ「社会課題への取り組みによる社会的価値の創造」「企業の成長(競争力向上)」を両立させるもの』(CSRが進化したものがCSV)と捉え、キリン流に『社会をよくして、企業(キリン)も強くなる!』と言い変えられています。
ブランド力向上とCSVの両輪で、ブランドを基軸とした経営を進めて行く。ビジョンを明確に持つことで、取り組みすべてを紐付けし、社内への浸透をはかっていく。このような考え方を企業の柱にし、ひとつひとつ事例を積み重ねていくという姿勢で取り組まれています。
また、同社で取り組まれている「復興応援 キリン絆プロジェクト」では、3年で60億円、さらにボランティア人材も派遣。「食文化・食産業への復興支援」「子どもたちの笑顔作り支援」「心と体の元気サポート」の3つをテーマに、さまざまな取り組みをされています。また、ユニークな取り組みとして、丸の内朝大学と連携した「復興プロデューサーカリキュラム in 東京」の狙いや進捗状況についても触れられました。
今までやって来たことを仕分け整理することが、取り組みの第一歩としてとても重要であり、今後もそれを踏まえ取り組んでいきたいとまとめられました。
つづいて、松田氏より「リタイアメント層の地域活動参加 大学連携型リタイアメント・コミュニティの可能性」について、お話がありました。 環境と街づくり・高齢化と街づくりについて、アメリカの事例を元に解説。日本のビジネスパーソンもやがて迎えるであろう「高齢世代」にとって、「教養(今日用)と教育(今日行く)」「誰かに教え、ありがとう・おかげさまでを言われる」ことが、貢献欲求・承認欲求を満たす、重要なポイントと解説されました。
さいごに、池田氏より「慶應義塾SFC未来創造塾の環境融和プロジェクト」について、プレゼンテーションがありました。
慶応義塾大学SFCキャンパス周辺を対象とした、次世代の環境共生まちづくりモデルに関する研究の企画提案で、「スマートシティ技術の実験的運用を通じて、今後の課題・可能性など検証」「高齢化社会における大学と連携したコミュニティ形成」「グローカルな環境融和のライフスタイル像の創造」「先端的技術の世界的モデル」を目的とされています。
研究方法としては「産官学研究コンソーシアムの結成」「研究サブテーマのスピンアウト」「研究データの蓄積と共有」を挙げられ、ぜひ共同研究をと呼びかけられました。
第3回環境経営サロンでは、各プレゼンテーション後にそれぞれディスカッションが行われ、量、質ともに濃い意見交換がされました。
・ 参加企業、団体(50音順)
旭化成ホームズ株式会社
旭硝子株式会社
株式会社伊藤園
オムロンヘルスケア株式会社
鹿島建設株式会社
キマド株式会社
キリン株式会社
株式会社クレアン
慶應義塾大学
五感生活研究所
JNC株式会社
清水建設株式会社
スターバックスコーヒージャパン株式会社
株式会社セブン&アイホールディングス
株式会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
ダイキン工業株式会社
株式会社竹中工務店
東京ガス株式会社
有限責任監査法人トーマツ
戸田建設株式会社
株式会社日本政策投資銀行
パナソニック株式会社
株式会社日の丸リムジン
株式会社日比谷アメニス
一般社団法人フォレストック協会
前田建設工業株式会社
株式会社三井住友銀行
三井住友信託銀行株式会社
株式会社三菱総合研究所
株式会社三菱地所設計
三菱地所株式会社
三菱電機株式会社
株式会社ヤクルト本社
ヨシモトポール株式会社
エコッツェリアに集う企業の経営者層が集い、環境まちづくりを支える「環境経営」について、工夫や苦労を本音で語り合い、環境・CSRを経営戦略に組み込むヒントを共有する研究会です。議論後のワイガヤも大事にしています。