「丸の内スーパークールビズ」のサイトでは、丸の内のまちの人々にこんな問いかけをして、たくさんの方々のグッドアイデアをご紹介してきました。今回は、そのアイデアの中から最も多くの投票"涼しいね!"を集めている方(集計は8月22日時点)に取材を決行。少しずつ涼しさを感じるようになった今、残暑を乗り切るコツについてもお聞きしました。
ではさっそくご紹介します。
200票を越える、最も多くの共感を集めているのは、"水点て!抹茶"のアイデアをくださったこの方! 京都に本店を構える老舗お茶屋さん『一保堂茶舗 東京丸の内店』の齊藤博美さんです。
でもみなさん、"水点て"って読めました? 実は私、一瞬、"テンテ?"って思ってしまいました......。(一瞬ですよ、一瞬!)
そんなこんなも含めて、このスーパークールビズ・アイデアについて、たっぷりお話を聞きましたよ。
本当にびっくりしました! まさか、と会社全員で驚いています。漢字も「みずたて」と読みにくいかな、と思っていたのですが、それが逆に興味を持っていただいたのかな、と(笑)。漢字で書いたのは、店長のアイデアでした。
私たちは毎年5月頃から冷茶をご提案しているのですが、昔からお茶の好きな方でも、「抹茶の水点ては知らなかった」と店頭で言っていただくことも多く、まだまだ新鮮な驚きがあるようです。
実は水点てや水出しの中でも一番楽なのが、抹茶。火も使わず、お茶殻も出ないのでお手入れが簡単で、見た目にも涼しく、まさに今年にぴったりのアイデアだったのかもしれませんね。
そうですね。難しそうとか、水からも淹れられるの!!と驚かれることもあります。湯温によって、味の溶出成分が異なる日本茶。水で抽出すると甘さ際立ち、シャキッと冷えた口当たりがお口の中もさっぱりさせてくれます。水で淹れることで、茶葉に渋さや苦さをとどめることができるため、失敗なくどなたにでも淹れられるのも水点て・水出しの良いところなんです。
もちろん、初心者の方でも簡単にできます。泡を立てないといけないと思うと、ハードルが上がってしまうと思いますが、冷たいと元々泡は立ちにくいので、「立てなくてもいい」と思って、気軽にやってみてください。濃さもお好みや体調に合わせて調整して作っていただけますので、ご自由に。ポイントは、最初に茶こしで抹茶を漉すこと。このひと手間で口当たりが全然違ってきます。
そして実は最近、もっと気軽にできる"シャカシャカ抹茶"をご提案しています。マグボトルをシェーカーのように振って作り、持ち歩いていただける飲み方です。氷、抹茶、水(8分目ほど)をマグボトルに入れて、あとは上下にシェークするだけ。中の氷が撹拌してくれてよく混ざります。飲む時にもう一度シャカシャカしていただければ、持ち歩いてオフィスでも抹茶を楽しんでいただけるんです。
抹茶のイメージはどうしても作法が多く、道具も必要なので、簡単にできないと思われてしまうのですが、難しく考えず、もっと気軽にいろんなアレンジを楽しんでいただければと思い、今年からこのオリジナルマグボトルを発売して、新しい飲み方をご提案しています。近くにお勤めの常連のお客様は、毎回紙のカップがもったいないとおっしゃっていたんですが、マグボトルの導入で、お互いに気持ちよくなったと感じています。お友達とお揃いのマグで、お昼休みにご来店いただいているんですよ。こんな風にマグを持ってきていただければ、他の煎茶やほうじ茶でも20円引きで飲んでいただけます!
シャカシャカ抹茶は、抹茶ジュースのようなイメージ。抹茶グラッセや抹茶ラテ、あとはパーティなどではシャンパンとあわせたり、いろいろなアレンジでお楽みいただけます。夏はやはり、冷茶がオススメです。中でも"水出し"はなかなか他で飲めないということで、多くのお客様にご注文いただいています。玉露などの水出しにはお待ちいただくことを了承いただいて、ご自身で急須に茶葉と水を入れていただいて、10分ほどお待ちいただきます。そうするとお客様は、まず「こんなにすぐにできるのね」と驚かれて、味の濃さでさらに驚かれます。水出しは、お客様に楽しんで飲んでいただいている感じを、すごく実感しています。
水点てやシャカシャカ抹茶で、まずはお茶に気軽に接していただいて、興味を持っていただいたら、これからの季節はお湯の温度を変えたり、コーヒーや紅茶の代わりにたまにはお茶を楽しんでみるとか、ご自身で楽しみ方を見つけていただければと思います。ぜひオフィスでも、マグカップやデミカップで気軽に抹茶をどうぞ。
丸の内の方は、形式にとらわれず、新しい提案を積極的に取り入れていただけるので、私たちも楽しみながら勉強させていただいています。お昼休みにふらっと立ち寄られて、ティーパッグから始められ、その後いろいろな茶葉をお試しになる方もいますし、お茶を身近に感じるワークショップにはOLの皆さんにもたくさん参加していただいています。オフィスへの日本茶(ほうじ茶・煎茶)のポットサービスも行っていますので、会議やイベントにもぜひご利用ください。
見た目や飲んだ時の清涼感といい、エコにもつながる新しい抹茶の楽しみ方といい、多くの方に共感されるのも納得の提案でしたね。それに編集部一同、取材を通して「お茶って難しくなくいんだ」と実感! 新たな発見にワクワクしながらお店を後にしました。
お昼休みに、仕事帰りに、オンナ磨きにも!?
仲通りでこの暖簾を見つけたら、ぜひ気軽に立ち寄ってみてくださいね。
〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-1-1 丸の内仲通り 国際ビル1階
電話:03-6212-0202 FAX:03-6212-0203
営業時間:店頭10:00~19:00、喫茶室「嘉木」10:30~18:30(ラストオーダー18:00)
URL:一保堂茶舗 東京丸の内店