冬の定番メニューの鍋。
簡単、すぐに出来て、リーズナブルな鍋は、ご時世もあって、年々ますます人気の様子。トマト鍋、カレー鍋はもはやお馴染となり、昨年はピザ鍋(トマト鍋の進化系!?)や、サラダ鍋(要は野菜のしゃぶしゃぶです)なども出てきたようですが、そろそろネタギレの感も否めません。ネーミングなどなどに惑わされることなく、いつものお鍋をちょっと美味しくちょっと楽しくできればいいなと、マンネリを打破するヒントを探ってみました。
お話をうかがったのは、「日本の御馳走 えん」のブランドマネージャーである安藤雅樹さん。日本全国の美味しい御馳走を集めた和の食のコンセプトストア「日本の御馳走 えん」は、食いしん坊にはたまらないお店。新丸ビルとコレド室町にあります。
「日本の御馳走 えん」
―ショップでも鍋コーナーは充実していますね。今年はつけダレブームということになっていますが!?
今人気なのは、宮崎の「ナンデンゴたれ」。もともとはカツオのたたき用に作られたごま味噌だれなのですが、何にでも合うと評判で、テレビなどでもよく紹介されていますよ。
高知の「プリッキーズ」は、高知県産のゆず果汁、土佐はちきん地鶏の焼き鶏がらだしに、タイ料理で使う青唐辛子プリッキーヌを使用。定番のポン酢はやっぱり人気で、たくさんの種類が出ていますが、「プリッキーズ」はよく売れています。
―薬味でもやはり辛いモノが人気なのでしょうか?
そうですね。「食べるラー油」ブーム以降、辛いモノの人気は定着しました。
オススメは「かんずり味噌」。雪の上にさらした唐辛子をすりつぶし、麹と塩、ゆずなどを加えて熟成させた、新潟県特産の唐辛子味噌です。 「生七味」もぜひ試してほしい。個人的に山椒をきかせたものが好きなのもありますが、乾燥のものとは香り、風味が全く違いますよ。あとは有名ですが、根強い人気の「黄金一味」。
―お正月に京都で探しまわったのですが、ここにあったとは。
お鍋の中身についてはいかがでしょう?
大田区にある穂寿庵さんの「しゃぶしゃぶ餅」。下町で40年、基本的に手づくりで昔ながらのお餅をつくるお餅屋さんです。毎週木曜日、穂寿庵さんの大福を限定120個販売するのですが、上新粉を一切使わず、これが本当にもち米100%。お正月にお餅を食べたと思いますが、そのお餅はびよーんと伸びませんでしたか?大量生産ではないお餅は、ぷつっと噛み切れるんです。こちらも人気で、すぐに完売します。
―なるほど。お餅だったら、鍋パーティにお呼ばれしたときに持っていくのも良さそうですね。
あと持っていきやすいものと言えば、香川の創麺屋さんの「讃岐うどん」。半生なのがポイントですね。
トマト鍋などの洋風鍋だとわかっているときは、長野の「ナチュラルビーンズ 安曇野バジルペースト」なんてどうでしょう?金元醸造という味噌蔵さんの商品で、安曇野産のバジルを使っています。チーズも入っているんですよ。これに最後ご飯を加えて、リゾットでしめる!
―おお!贅沢ですね。
さて、お店には「だし茶漬けや えん」も併設されています。なかなか日常、お家で美味しいだしをとるのは大変ですが、ぜひアドバイスを。
今年は少量の"だしつゆ"が売れています。お買い上げいただくお客様には、必要な分だけ使いたい、あまらせたくないという方のほか、ご自身で他のだしも使ってアレンジするためという方も多いようです。
1回分ずつにだしがパックになっている"だしパック"も、そのまま鍋に入れるだけなので、手軽でオススメですね。
また「だし茶漬け えん」で使っている出汁を商品化した「だし茶漬け屋の出汁」もあります。昆布といりこの旨味に、鰹節、宗田節、鯖節の香りとこくを加え、鶏のスープを合わせた出汁は、プロならではかと。
"だしつゆ""だしパック"「だし茶漬けやの出汁」などをアレンジして、ご自分の味を作ってみるのもいいのでは?
―やっぱり鍋も、原点は"だし"ですね。ここに立ち戻るのが、一番新しいのかもしれません。
新しいといえば、塩麹は注目されていますね。鍋にも使えると聞いています。
隠し味として、面白いですよ。
この「塩麹 うんまいな」は新潟の山崎麹屋さんのもの。35年ほど前から、お母さんとお父さんが2人で木おけで作っているので限定数しか入らないのですが、展示会でお会いしたとき、60近いお母さんのお肌のつやつやのこと!これは間違いないと仕入れを決めました(笑)
きゅうりを浅漬けにしたり、鮭などを漬け込んで焼いてみてください。冷めてしまった鮭にお箸をいれると、ぽろっぽろっと身がはがれるようになりますよね。あれがないんです。焼き立てのふわっとお箸が入っていく感覚を残せるので、お弁当のおかずなどによいと思いますよ。
あと、今一番おすすめなのが、酒粕。
あんをのっけて食べると絶妙です。また、メーカーさんに教えてもらったのですが、酒粕のオリーブオイルをたらして食べてみてください。お酒のあてにたまりません!
―それは斬新! お酒のあてと言われてしまうと、早速試してみたくなります(笑)
お店としては、日本各地の美味しいものを、無理なく簡単に都会の日常生活のなかで取り入れてもらえるよう、工夫をして提案していきたい。橋渡しになればいいかなと。そして、いつかはニューヨーク出店!これは個人的な希望ですけど。
―ぜひぜひ。今日は、ありがとうございました。
これから開催される「節分」「バレンタイン」のフェアも必見ですよ!
住所:東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディングB1F
TEL:03-5224-3755
営業時間:10:00~22:00 / 日祝 10:00~21:00