2017年、3×3Lab Future第1弾のイベントは、1月5日開催の「TIP*S/3×3Labo Future新年ご挨拶の会」です。3×3Lab Futureが連携を深めているTIP*Sとの共催イベントとして開催しました。前半は丸の内二丁目ビルのTIP*Sに集合し、3×3Lab Futureまでの道のりを歩く「まち歩き」、後半が3×3Lab Futureでの新年会という2部構成。歴史探訪、お餅つき、未来を考える講演会など、短い時間ながら充実した新年会となりました。
前半のまち歩きは16時TIP*Sに集合、新年のご挨拶とともにまち歩きの概要を説明してから3×3Lab Futureまで歩きます。
冒頭、3×3Lab Futureプロデューサーの田口真司氏からの新年の挨拶に続き、TIP*Sの"ママ"こと岡田恵実氏からご挨拶とともにTIP*Sの概要説明もありました。田口氏は「"地方創生""中小企業"といったキーワードがあるが、大丸有の企業がつながってより良い日本にしよう、ということ。2017年は大丸有エリアのサードスペースと連携を深めていきたい」と方針と抱負を語りました。岡田氏はTIP*Sが中小企業整備基盤機構が運営するものですが「もう少し"ゆるやかな"関係性を作ることが狙い」で、「参加者同士の対話を重視した」イベントやワークショップを開催していることを説明しました。集まった参加者の中には「TIP*Sは初めて」という方もいて、TIP*Sで取り組む中小企業のビジネス促進イベントや、岡田氏が「スナックのママ」になったような気軽な雰囲気で交流を促進する定期的交流会「スナック」などにも大いに興味を抱いていたようでした。
続いてのまち歩きは、エコッツェリア協会専務理事の村上孝憲氏が案内役となりました。事前の説明で「できるだけ江戸時代から残っている道を歩きたい」とし、現在の地図とともに江戸時代の古地図も配布。有楽町駅前に残る南町奉行所の遺構などを例に挙げて、「まちには歴史の跡があちこちに残っている」と話し、この日のまち歩きでは、かつて「和田倉濠から伸びていた道三堀があったという証拠も見てみたい」と話し、スタートしました。
出発点となったTIP*Sが入居する「丸の内二丁目ビル」は、かつて三菱重工が入居し「重工ビル」とも呼ばれ、1974年の爆破事件が起きた場所でもあります。村上氏は、歩きながらそんな街の歴史、ビルの歴史などを次々と紹介していきました。"丸の内ウォーク"と呼ばれた小道、「船の形をしている?」日本郵船ビル、前川國男設計の東京海上日動ビルなどなど、建築物・街の作りを概観するまち歩きです。また、かつては丸の内仲通りは存在せず「大名小路」が重要な役割を果たしていたこと、日本工業倶楽部会館が面した和田倉濠通りが、かつては非常に重要な意味を持っていたことなどを説明。「だから日本工業会館の入り口が和田倉濠通りに面していた」と村上氏。また、和田倉濠を内側から見ると、今はなき道三堀の痕跡を見ることができることなども案内がありました。
後半の3×3Lab Futureでの宴席では、餅つき大会や『未来予測』で知られるアクアビットの田中栄氏のショートトークが行われました。
餅つきは石臼を用意し、もち米はキッチンで蒸したものを使います。つき手は参加者から募り、交代でつき上げていきます。杵の重さにふらつく参加者もいましたが、「よいしょ!」の掛け声とともにリズム良く、楽しげについている姿が印象的でした。
お餅はその場で小さく丸められ、南蛮味噌(辛味噌)、きなこ、あんこ、みたらし+海苔をまぶして振る舞われました。つきたての温かく柔らかいお餅はまさに絶品。また、具だくさんのお雑煮も用意され、正月らしい雰囲気を味わいました。
田中氏の講演では、村上氏が「大丸有で新規ビジネスを起こし、イノベーションシティにしていくためには未来予測が重要」と露払い。田中氏の講演はいつもなら未来予測のマインドセットから始まりますが、今回は年初スペシャルバージョンとしていくつかの注目すべきポイントを抽出して紹介。(1)トランプ政権による円高進行、早期の政権交代 (2)原油価格の高騰とEVの台頭 (3)リチウムの需要増加と水素エネルギー利用の可能性といった内容を、要点をかいつまみながらも非常に分かりやすくシンプルに解説してくれました。会場ではすぐさま田中氏の未来予測に対して喧々諤々の議論が始まり、大いに盛り上がりました。
3×3Lab Futureでは、2017年(年度)、さらに大丸有内のリレーションを深め、イノベーション創発のための都市の役割を深化させていこうとしています。それは一極集中型の都市の一人勝ちを目指すものではなく、「地方」「中小企業」をキーワードに、日本全体を視野に入れた活動として展開していくことになります。今年も3×3Lab Futureにご期待ください。