シリーズVOICE

【VOICE】松本弘樹さん

長野県東京事務所職員

Q1
あなたはいま、どのようなプロジェクト・仕事に取り組んでいますか。また、それに取り組むきっかけについて教えてください。
A1
私は現在、長野県庁の東京事務所で経済産業省等との連携や情報収集、要望調整、また県内雇用や産業振興を目的に、企業誘致活動に取り組んでいます。
異動前は移住・関係人口を担当し、複数の市町村への出向を経験しました。そこで、近隣自治体間で移住の条件を少しずつ上げてしまうがゆえに、条件ベースで移住した人は別の好条件の移住先があると転出してしまい、ローカルとローカルで人の取り合いになってしまっている現状を目の当たりにしました。このような条件で「お見合い」的に人を誘引することも勿論重要ではあるのですが、これからは「恋愛」的に、個人の思い入れなどを主軸とした関係人口づくりの持続可能性を考えていくことも必要だと考えています。「(条件が合えば)どこでもいい」から、好きだから「ここがいい」と思える関係性ができると、地域と長くお付き合いできると思います。それは個人だけではなく企業も同様で、現在、県内への企業誘致では両面のアプローチで挑戦しています。
Q2
仕事や個人の活動において、あなたが大切にしていることは何ですか。
A2
「人と人を正しく繋げること」です。行政の役割として、都市・地域の住民や企業の間に立ち、それぞれの課題やニーズに対して通訳・翻訳することがあります。双方の理解が深まるよう、関係する方々が語る言葉だけでなく、その言葉が表れるに至った背景や思い入れを理解して、適切に繋いでいくことを心掛けています。ネットワークコーディネーターと本質的なところは同じですね。
Q3
あなたにとって3×3Lab Futureとはどのような場所ですか。
A3
様々な背景を持った方、想いを持った方に出会える場です。
3×3Lab Futureでは会員同士の交流の中で「興味深い、挑戦に意義がある、社会が必要としている等」の意味を込めて「おもしろい」という言葉を使った時に、ニュアンスも含めスムーズに伝わる感覚があります。職場では何がおもしろいか時間をかけて説明する必要がありますが、この一言で共有できるのはとてもいいですね。
また、人と人がゆるやかに繋がる場なので、適度に放っておいてくれるのも性に合っています。「圧」を感じなくて済むので、身構えずに同じ想いや熱量を持った方との交流を楽しんでいます。
Q4
3×3Lab Futureで、こういう企画やイベントがあったら嬉しい、というコンテンツは何ですか。
A4
既に実施されていますが、地域と都市のキーマン同士の接点づくりです。関わらないことにはお互いを分かり合うことはできないので、より解像度を上げて、話せる場が重要だと思います。以前、そのような場を設けたこともありますが、イベントに参加することが目的となってしまう側面もあり、目的・参加者層の固定化が課題感としてありました。それに対して、3×3Lab Futureでは当初意図していない偶然の参加や出会いがあり対話の幅が広がります。ポイントは、イベントをする上でこういうことをしたい、伝えたいという想いをしっかり持つこと。また会員だからとお客様意識ではなく、いかに自ら主体的に関わっていくかが大事だと感じています。意欲や情熱が関わる人たちの共感と継続のモチベーションにつながっていくので、まずは小さくてもいいから始めてみて、結果的に感度の高い議論やコラボレーションが産まれていくといいですね。
Q5
あなたのお気に入り(街、お店、サービス、本など)を教えてください。
A5
お気に入りのまちは長野県辰野町です。名産品や観光名所だけでなく、地域活性の取組を自分ごとにして楽しんでいるプレイヤーが多い点に魅力を感じています。特に、新しいチャレンジの中に身を置く若者や地域商社の活動に感銘を受けています。お店では、東京にある日本酒バル「BET.50(ベッドハーフ)」がおすすめです。日本酒を通じた交流の場で、格闘ゲーム好きの店主が設けた居心地良い空間に魅了されています。サービスでは3×3Lab Futureのイベントでも利用されているsyokujii。孤食を無くすというコンセプトはもちろん、イベントにおける利用では運営・参加者双方の負担が無く、かつ参加者数も把握できるので重宝しています。本では、連城三紀彦氏の「戻り川心中」が心の一冊で、ひとの心情と謎解きの合理性が絶妙に組み合わさっている傑作です。
Q6
今後の夢や挑戦したいことは何ですか。
A6
今後の夢は「地域と都市を繋ぐ『翻訳者』としての活動を続けること」です。転勤を伴う異動が多い行政職ではありますが、それを活かし、どの職場でも「正しく伝え、人を繋ぐ」ことに力を注ぎたいです。特に、地元の課題を正しく都市部や企業に伝え、持続可能な発展を促進する役割に注力したいです。
もう一つは現在の活動先である3×3Lab Futureとの関わりを続けることです。都市から見た地域の可能性をここで追求し、社会課題解決に資するよう取り組みを続けていきたいと思っています。
松本 弘樹 (まつもと・ひろき)
長野県東京事務所職員

長野県東京事務所で省庁連絡及び企業誘致に従事。これまでに移住や関係人口拡大を通じた地域づくりやインフラの整備を契機としたまちづくり分野に携わる。現在は、地方と都市のつながりを形成するのに当たって、地域の「関わりしろ(地域の余白)」を通じた共創的取り組みに可能性を感じ、広域自治体の立場だからこそできることを模索している。

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