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シリーズVOICE

【VOICE】戸沼如恵さん

エコ・コンシャス・ジャパン（合）代表

2020/03/26
文: 林亜華音

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Q1: あなたはいま、どのようなプロジェクト・仕事に取り組んでいますか。また、それに取り組むきっかけについて教えてください。
A1: 北欧の魅力をみなさんに感じてもらうツアーと、海外のお客様に日本の魅力を伝えるツアーの企画とアテンドをしています。北欧の魅力を伝えようと思ったのは、長女がデンマークに交換留学をしていたので、幸福度世界一ってなんだろうと興味をもったのがきっかけです。
北欧は、生活レベルにギャップがなく、格差の少ない社会を実現し、再生可能エネルギーをどんどん取り入れている事にとても希望を感じました。一方で、海外のお客様に東京の魅力を伝える際に、自分自身が東京について全然知らないことに気が付きました。それをきっかけに独学で勉強し、歴史的な背景とその時代を生きた人の人生を紐解きながら巡るツアー「ゆきえと今昔まちあるき旅」を開催しています。
私のツアーでは、サステナビリティをテーマにした旅づくりをしています。世界が抱える気候変動、環境問題に旅の作り手として何ができるかを追求していきたいと本気で思っているからです。北欧は、自分らしい生き方ができるように国のサポートがあります。教育、エネルギー、サステナビリティ、全ての項目において先進的なので、日本らしい形で取り入れられるようにサポートをしたい。まずはみなさんに北欧に行って、感じて欲しいので、そのお手伝いができればと思っています。
Q2: 今後やりたいことは何ですか。また、それをやるためにどういった仲間がほしいですか。
A2: 東京のまだ知られていない魅力を再発見したり、江戸の文化や歴史を感じる街歩きを定期的に行っているので、街歩きと絡めて活動紹介いただける方と連携したいです。専門性を持った方の取組みを伺っていると、背景や思いの中でどこかの街と結びつくので、活動を紹介しながら歩くことで、活動の理解が深まるし、街も好きになる。関わりの中で化学変化を起こすツールとして街歩きを活用してほしいですね。街歩きガイド養成講座を開講し、今後も受講生を募っていく予定です。
Q3: 3×3Lab Futureでどのような活動をしていますか。
A3: 皇居周辺を巡るまち歩きを企画した際には、3×3Lab Futureに立ち寄るルートで構成し、江戸東京野菜の紹介を鬼丸さん(3×3Lab Futureフードコーディネーター)にしてもらうコラボイベントを開催したり、北欧の魅力を伝えるイベントや読書会なども行っています。
今後は皇居の豊かな生態系や生物多様性のまちづくりを考えるツアーのアテンドを考えているので、3×3Lab Futureと連携できればと思っています。3×3Lab Futureでのイベントは人脈が広がるので、もっと活用していきたいと思います。
Q4: 仕事や個人の活動において役に立った、おすすめの本を教えてください。
A4: 『フィンランドの幸せメソッドSISU 』（カトヤ・パンツァル著　柳澤はるか訳　出版：方丈社）
この本では、ちょっと意外ですが、フィンランド人の幸福度の高さの理由は忍耐や勇気にあると書いています。日本人の辛抱強さに似ている部分を感じるのですごく共感して読めます。
『デンマーク流「幸せの国」のつくりかた』（銭本隆行著　出版：明石書店）
それぞれの項目が分かりやすく短くまとめてあるので、この一冊でデンマークの概要がわかります。
Q5: 仕事や個人の活動において、あなたが大切にしていることは何ですか。
A5: 私のイベントやツアーなどに参加して、北欧に興味を持ってくださっている方のコミュニティを大事にしています。まだ興味段階の方でも、丁寧に情報発信や参加者同士の関係を深めていくことでゆるやかに心地よく繋がれるよう、普段のコミュニケーションを大事にしています。
ツアーに参加できない人も参加する人も関係なく、信頼関係を作っていくこと。いつ北欧との出会いのターニングポイントが訪れるかわからないので、どの方とも同じように接する事を大切にしています。
だからこそ、通常の旅行代理店では、10本ツアー企画を作ったら3本が催行するかどうかですが、私が企画しているものは全部催行しているんだと思います。人と人の繋がりを大切にしています。

戸沼如恵（とぬま・ゆきえ）
エコ・コンシャス・ジャパン（合）代表

短大卒業後、大手旅行代理店勤務。2012年より北欧専門のEcological & Ethical な旅のコーディネート事業を立ち上げ、現地とのコネクションを強みにオンリーワンの旅を提供。北欧の教育､エネルギー､男女参画､子育て､デザイン等を日本に紹介し、企業や個人とコラボして講座､ワークショップ､コーディネート､執筆等を行っている。また、カナダ法人の旅行会社の総務としてインバウンド事業にも従事。英語ガイドのほか、日本語で「街歩き」ガイドも行っている。