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8月6日、丸の内の日本工業倶楽部会館の6階で、同会館屋上で飼育しているミツバチの採蜜イベントが開催されました。
日本工業倶楽部会館では、今年4月から銀座ミツバチプロジェクトの協力を得て養蜂を開始、「丸の内ハニープロジェクト」をスタート。これは、日本工業倶楽部の福島常任理事の発案を元に、(社)大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会が中心となって進めているもので、この日のイベントが初めての採蜜となります。
同協会の井上氏によると、「大丸有エリアは皇居を中心に豊かな自然、豊かな蜜源がある。それを活用した"地産地消"のおもてなしを生み出したい」と話しています。
イベントでは、銀座ミツバチプロジェクトの田中淳夫氏も登場し、採蜜のやり方をマスコミに向けてレクチャー。「1シーズンで200kgというと、相当な量に聞こえるが、1匹のミツバチがその生涯をかけて集める蜜は、ティースプーン1杯ほどにすぎない。大切に味わって」と、自然の奇跡と生命の尊さを話しました。
その後、シェフやソムリエらのゲストが、次々と採蜜を体験。遠心分離器に巣枠(巣脾)をはめて、くるくると回すと、巣の中のハチミツが巣から流れ落ちてくる仕組み。一人ひとり、神妙な面持ちながら楽しげな表情で体験していました。
この採蜜イベントには、日本工業倶楽部会館総料理長兼会館部長の、綾部正俊シェフも登場し、採蜜を体験。試食では、「とんがっていない、繊細な甘さ」と太鼓判を押し、「海産物などのミネラル感のある料理とも相性がいいのでは」と話しています。また、ソムリエの方も「この季節ならサングリア、白ワインと合わせてほのかな甘みを付けるのにぴったり」とドリンクとの相性の良さも語るなど、"東京丸の内ハチミツ"を使った、新しい商品開発やおもてなしの可能性について、さまざまな意見が交わされました。
ここで採取されるハチミツは、ワンシーズンで200kgほどになる見込みだそう。大丸有エリアでの飲食店等での活用方法を探るほか、丸ビル地下1階の「はちみつ専門店 ラベイユ」で「東京丸の内はちみつ」として販売、購入できるそう。ミツバチは、よくよく見るとふわふわとした姿でとてもかわいらしいもの。そんなかわいいミツバチが与えてくれるハチミツは、まさに天からの恵みです。銀座では、ミツバチのために花を植えようと、屋上緑化が自発的に進むなど、まちづくりの中心的役割を果たしているほど。丸の内でも、ミツバチを通して自然に目を向けたまちづくりが進むことに期待したいと思います。