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【エコ結び】エコ結び×石巻工房ワークショップ「石巻スツール」レポート

丸の内ハーマンミラーストアがDIY工房に早変わり!

2月22日(金)23日(土)、ハーマンミラーストアにて、エコ結び×石巻工房ワークショップ『国産木材で「石巻スツール」を作ろう』が開催されました。エコ結びは、大丸有エリアのエコ結び加盟店でSuicaやPASMOを使って支払いをするだけで、利用額の1%が自動的にエコ結び基金として貯まり、エリア内外の環境活動を支援することにつながるという環境貢献の仕組み。エコ結び事務局では、この基金を使いこれまで新潟県魚沼郡の植樹活動や岩手県葛巻町及び釜石地方での森林の保存、被災者雇用などの支援を行ってきましたが、大丸有エリアの人々にも還元できることをと今回のワークショップを企画しました。国産の木を使ったものづくりの楽しさに触れながら、日本の森林についても考える機会を持っていただきたいということで、2日間で全3回実施、合計54名が参加しました。丸の内地球環境新聞では、一般応募18名が参加した初日18:30の回に潜入。その模様をレポートします。

「石巻工房」は復興へ向けた地域のものづくりのための場

「石巻工房」は、震災直後に石巻市民の皆さんが、復興へ向けて地域のものづくりのための場を作ろうと立ち上げた工房。代表は、東京で建築設計事務所の代表を務める芦沢啓治さん。震災前には仕事で石巻を訪れる機会が多かったため、震災直後に仕事仲間やクライアントの安否確認に現地入りし、地域の現状を目の当たりにして、この活動を始めました。

石巻は木材の"置き場"としての機能しかなく、インフラもなく、大工さんもいないため、復興の立ち上がりが遅かったのですが、一部自分たちで再建して、お店を始めちゃったという人たちが出てきたんです。そこで待っているより自分たちで動いたほうが早いんじゃないかと気付いて、助成金を得て、工具を購入し、場所を借りて、名前も必要だよねと『石巻工房』と名付けてスタートしました。昨年は家具の製作やリノベーションで1,000万円程度売り上げ、経営がまわりはじめたところです。じゃあちょっと『石巻工房』に相談してみよう、頼んでみようと仕事のお話をいただくことが多いです」。

「石巻工房」が最初に手がけたのが、屋外で映画上映会やイベントする時の縁台になるようなものが欲しいとの声を受けてつくったベンチ。それに、復興支援の方法を検討していたハーマンミラーが目を留めたことから支援がスタートしました。

今回のスツールの材料となるのは宮城県産、栗駒木材(株)の杉。

「今日つくるスツールは、仮説住宅で皆さんがビールケースをイスとして使っているのを見たのがきっかけになりました。安くて軽くてサイズもちょうどいいというのはわかりますが、ビールケースが家のなかにあるというのはどうなんだろうと、ハーマンミラーさんと一緒にスツールをつくり始めたんです。簡単につくれるようになっていますが、家具は構造が肝心。とにかく丈夫で外でも踏み台としても使えるようにと、強度面で補強したり、木材の切り小口から腐らないようになどなど、工夫をしています」

今回のスツールの材料となるのは宮城県産、栗駒木材(株)の杉。
「石巻スツールは栗駒木材を使用しています。杉はやわらかいのでなかなか家具には使われませんが、栗駒木材はくんせいにすることで乾燥させ、強度を向上。香りもとても良いですよね。住宅の柱なんかにも使われています」(「石巻工房」工房長 千葉隆博さん)

「石巻工房」「石巻スツール」についてひととおりお話をうかがったところで、スツールづくりがスタート。近くの人と2人一組になっての協働作業です。工房からの応援スタッフ、エコ結び事務局スタッフも全員参加してにぎやかに始まりました!

まずはお手本となる完成品スツールを見ながら、各自配られた部材をどう組み立てるのかを並べてみて確認します。
続いて、順番にくぎを打っていきます。力は要らないとはいうものの、電動ドライバーを始めて使う方も多く、最初は四苦八苦。しかし、徐々に上達し、作業もどんどんスピードアップしていきました。最大の難関は、脚を固定するため斜めに釘を打ちこむ工程。ここを無事クリアするともう完成は目前です。

完成品はこちら。
最初はスツールの脚の高さがちょっと違うなどでぐらぐらしても、座って体重をかけるとピタッとカタチが決まります。素人が作ることを見込んで多少の誤差を吸収できるようにと、こんなところも設計の妙なのだそう。
出来上がって座った人同士、会話が弾みます。「座っていたくなる」「向き合いたくなる」「話したくなる」そんな座り心地とのこと!

無事時間内に全員製作を終えて、記念撮影。

「自分でつくったものだから大切にしようとなる。ものってそういうものですよね。無塗装なのに塗装したような、いい感じにテカってきますので、汚れていくのを恐れず使ってください」
との芦沢さんのコメントでこの日のワークショップは終了。皆さんそれぞれ製作したスツールを梱包し、持ち帰って行きました。これを機にDIYに興味を持った人、木のよさを実感した人、石巻に行ってみようと思った人、さまざまな新しい出会いが生まれた一日でした。

エコ結び事務局では、今後も大丸有エリアの就業者・来街者が参加できるワークショップを企画検討しているそうです。また、現在約500店舗のエコ結び加盟店でSuica(PASMO)が使えますが、3月21日のJPタワー商業施設「KITTE」開業で一気に約600店舗にまで増えます。例えば1,000円のランチをSuica・Pasmoで支払うだけで10円がエコ結び基金となるわけですが、こんなに自然に無理なく簡単にできるエコ活動もなかなか珍しいのでは!?加盟店舗はこちらで確認できますので、さっそく明日のランチからでも、あなたも参加してみませんか?


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ふだんを変える。むりなく変える。未来が変わる。

大丸有エリアの約600店舗の加盟店でSuica(PASMO)で支払いすると代金の1%が「エコ結び基金」として環境活動の支援に役立てられる、食事や買い物といった日常生活の中で誰もが気軽に参加できる環境貢献の仕組みです。

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