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【レポート】気仙沼メカジキ、3×3Lab Futureから発信

気仙沼メカジキ発表会 11月16日(水)開催

11月16日、エコッツェリア協会で「気仙沼メカジキ発表会」が開催されました。これは気仙沼市メカジキブランド化推進委員会が主催するもので、メカジキを気仙沼の新たなフラッグシップ商品として大々的に販売していくことを発表、広く全国へアピールすることを目的にしています。会見では、内閣府特命担当大臣の山本幸三氏、復興担当副大臣の橘慶一郎氏、気仙沼市長の菅原茂氏が登壇し、気仙沼メカジキブランドへの期待を語りました。また、集まったプレスを前に、メカジキの解体ショーも行われたほか、150名を超える関係者らにさまざまに調理されたメカジキが振る舞われました。

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メカジキを新たなブランドに

メカジキを新たなブランドに

今回の発表会は、メカジキブランド化に向けて大々的にプロモーションを開始することを発表するもので、来春にはメカジキブランドの加工品の販売がスタートすること、メカジキが冬に向けてまさに旬を迎えることから、このタイミングで開催されました。これに合わせ、三菱地所の協力で新丸ビル7階の「丸の内ハウス」の9店舗で、11月16日~23日の期間、「気仙沼メカジキパラダイス」と題してメカジキを扱ったメニューを展開しています。

登壇順。上から菅原気仙沼市長、山本内閣府特命担当大臣、橘復興副大臣、菅原気仙沼商工会議所会頭挨拶に立った菅原市長は「メカジキは私達が子どもの頃から慣れ親しむ味。これこそがカツオ、フカヒレに次いで売り出すべき魚。刺し身だけでは伝えきれない味を、さまざまに調理加工して、日本全国の方にお伝えしたい」と、"海と生きる"をキャッチフレーズに掲げた気仙沼のメカジキに掛ける期待を語りました。

山本大臣は、三年目を迎える"地方創生"が、「いよいよ本格的にはなっているが、本当に大切なのは自助の気持ち。メカジキブランド化はまさに地方創生そのものといっていい。こうした自分たちでなんとかしようと頑張る人たちには人的支援、財政支援もどんどんしていきたい」と地方創生におけるメカジキの意義を語りました。橘副大臣も「カツオ、フカヒレ、メカジキと揃い、通年で楽しめる気仙沼になった。三陸自動車道も気仙沼にまで伸びる。復興に向けた新しい取り組みとして応援したい」と話しています。

また、推進委員会で中心的役割を担う気仙沼商工会議所会頭の菅原昭彦氏が、気仙沼メカジキの特徴やブランド化推進活動の概要を説明しました。それによると、改めて水産業を気仙沼の基幹産業として捉え、"水産の町""豊かな食の宝庫"であることを売り出し、ビジネスとして高い収益性を上げるために、「シンボルを作るしかないという結論に至った」とし、それがメカジキであったと解説。「カツオもある、フカヒレもある。しかし、小さい頃から日常的になじみ、愛されてきた食材といえばメカジキだった」と菅原氏。いわば日常的な食材であり、このブランド化と販売戦略が成功すれば、安定した市場が確保され、気仙沼の水産業の安定化につながるのではないかと期待を見せます。

さらに、推進委員会には水産業の生産(漁師等)から流通、販売まで関係するすべてのレイヤーのプレイヤーが参加しているほか、教育、街づくりなどのセクターも参加し、さらには行政でも水産課、商工課、観光課など複数の部署が横断的に参画するなど、市を挙げての取り組みであることも紹介しました。

メカジキの魅力を知る

この後、推進委員会のメンバーで、気仙沼魚市場買受人協会の代表を務めている阿部長商店(水産加工業)によるメカジキの解体ショーが行われました。解体では、メカジキの肉の特質や部位による料理法の違いなどを解説し、集まったメディアに向けて改めてメカジキの魅力を訴えました。

三菱地所 環境・CSR推進部長 岩本氏解体ショーの後は会場をコミュニケーションゾーンに移し、試食会も行われました。挨拶に立った三菱地所 環境・CSR推進部長の岩本洋介氏は同社グループが震災復興で気仙沼の唐桑にボランティアに入ったことを縁に、長く復興のサポートをしていることを語り、そのひとつとして、丸の内シェフズクラブの協力を得て開発した「Rebirth 東北フードプロジェクト」の一環で開発したオリジナル缶詰を紹介しました。また、会場となった「3×3Lab Future」が新しいビジネス創発拠点になっていることにも触れ、「メカジキのおいしさを広め、気仙沼の復興につながるビジネスが始まることにも期待したい」と語りました。

乾杯の音頭はキリン CSV推進本部 執行役員 CSV推進部長の林田昌也氏がとり、「復興支援の中から新たなブランドが立ち上がることで、気仙沼に笑顔が広がる。そこにこれからも伴走させてもらえれば喜ばしい」と、今後もさらに「絆プロジェクト」で復興支援に力を入れていくことを話しています。

キリン CSV推進本部 執行役員 CSV推進部長 林田氏気仙沼市の商工会議所会頭の菅原氏は取材に答えて、ブランド化の動きに合わせてメカジキの価格が上昇していることを明かし、「良いスタートが切れている」と話します。「震災から5年と8カ月経ち、次の新たなステップとして何をしようか、"復興"ではなく、プラスアルファで気仙沼の価値を高めてくれるものは何かを考えた末にメカジキにたどり着いた。ぜひ全国のみなさんに、メカジキといえば気仙沼、メカジキにはさまざまな美味しさと楽しみ方があることを知ってほしい」とし、今後販売戦略として、市場調査や数値での販売目標の策定なども行っていくと語りました。

キリンの林田氏は、「主役はあくまでも地元のみなさん」としながらも、キリンも今後気仙沼メカジキには積極的に協力していきたいとしています。具体的には販路開拓などの協力を想定しているそうですが、「気仙沼が元気になり、笑顔が広がって、"今日もがんばったな"という日常の幸せが広がってほしい」と話しています。これはキリンの事業理念であり、CSVを推進するモチベーションでもあります。

三菱地所の岩本氏も気仙沼メカジキへの支援について、まず「売れること、地元の経済が回っていくことが必要」であり、テナントへの案内や、缶詰を備蓄食として採用するなど、ディベロッパーとして取り組めることを継続的に行いたいとしています。基本的には、既存のCSRの枠組みの中で取り組んでいく方針ですが、「復興から"地方創生"の視点へステージを移していくことも必要だろう」と話し、新たなビジネス開拓の可能性なども語りました。

この日の試食に登場したメニュー。上段左より、解体したメカジキを一部使用して調理したメカシャブ(メカジキのしゃぶしゃぶ)、刺し身、カルパッチョ。中段には今回のイベントに合わせて気仙沼で新たに開発した商品の数々。中段中「メカジキの熟成生ハム仕立て」(カネマ・発売未定)、中段右「メカジキのコンフィ(プレーン)」(カネダイ・2017年春発売予定)、下段左・「メカジキのコンフィ(ディル&オレンジ)」(カネダイ・発売未定)。下段は、三菱地所グループが復興支援活動の一環で開発したオリジナル缶詰「はらくっついTOHOKU」の一つ『気仙沼メカジキの地中海風煮込み』を使用したメニューを、監修した丸の内シェフズクラブのステファノシェフ(アンティカ・オステリア・デル・ポンテ。丸ビル36F)に調理いただき、提供したメニュー。、この他、「メカジキの蔵造り本漬 西京本漬」、同「照り焼き」、同「本粕漬」(いずれも大弘水産・2017年春発売予定)も試食に並んだ


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