
3×3Laboでは、毎週水曜日に「さんさんランチーズ」というイベント(?)を開催しています。いえ、イベントというほどのことはなく、毎週希望者で集まって、みんなでお弁当を揃って食べましょう、というちょっとしたランチ交流会的なもの。なんとも微笑ましい、3×3Laboらしい取り組みです。
......であったはずなのですが、ちょっと目を離したすきに、いつしか「さんさんランチーズ」が巨大イベントに成長してしまった!?という噂を聞きつけ、取材にお邪魔しました。
7月15日のお弁当、楠公レストハウスの「江戸エコ行楽重」
改めてさんさんランチーズを説明すると、お弁当を持ち寄ってランチタイムに懇親しようというもの。各自で買ってきたり、作ってきたお弁当でも構いませんし、事前に申し込みをしておくとまとめてお弁当を購入してくれます(毎回特徴のあるお弁当を用意していることでも話題になりました。『はつ花』のすき焼き弁当とか!!)。
サードプレイスとして、人々が集まり、新しい化学反応やイノベーションを起こす場を自然に演出しようという意図によるもので、3×3Laboの個人会員はもちろんのこと、3×3Laboにゆかりのある人なら誰でも参加が可能です。「お弁当」という共通の話題があるので、初めての人でも入ってきやすいのがさんさんランチーズの特徴でしょう。
7月15日に開催されたさんさんランチーズのお弁当は楠公レストハウスの『江戸エコ行楽重』でした。そのおかげ、というわけではないとは思いますが、事前のお弁当申し込みは35名、当日の参加者は40名を超えました。これはもうただのランチ交流会とは言えません。立派なイベントです。
さんさんランチーズの人気のひみつは、上記のようにおいしいお弁当があることはもちろんですが、いろいろな人との交流ができること(お酒抜きに上品に)、もうひとつは一風変わった知識をインプットできること。
「まるのうちり、バッチリ!」というアースダイブ的な地理、地誌についての小ネタショートプレゼンが開催されています。これは、「地理バッ地理塾」を主催する澤内隆氏が発案し始まったもので、地理を知れば地域が理解できる、世界が理解できるというコンセプトのもと、さまざまな地理ネタを披露しています。例えば「丸の内」が、江戸城の本丸のうちであったことからそう呼ばれている、なんてこと、ご存知でしょうか。この日も集まった40名あまりの参加者を前に、まるのうちりバッチリ!のほか、さまざまなコンテンツが提供されました。
まず最初に、楠公レストハウスの中川氏から江戸エコ行楽重の説明がありました。このお弁当は、楠公レストハウスとエコ・クッキング推進委員会、東京ガスが共同で、江戸時代の調理法に基づいて再現したもので、江戸のエコな生活を反映しているのだそう。味はもちろん文句なしの特級品。
その後、まるのうちりバッチリ!として、地理バッ地理塾主宰の澤内氏に代わって、エコッツェリア協会事務局長の村上氏が丸の内のバッ地理をレクチャーしました。
実はまるのうちりバッチリ!は2回目で、前回は通りや濠の名前から、昔の地形を知り、現代にどう反映しているのか(そして失われたのか)を解説。今回は、村上氏が設計から都市計画に関わるようになったことから、過去の地形とともに、これからの大丸有の開発の方向性などを話しました。
興味深かったのは、大丸有の地下街です。「大手町から歌舞伎座まで歩いて行かれることは確認されている」そうですが、諸星大二郎が『地下鉄を降りて』(1976年)で描いたような迷宮とも見紛うほどの地下街が大丸有に張り巡らされていること。複雑になっていることにも「下水道との関係」などの理由があり、また、そこここに「中二階のような地下通りがある」「この入口にある定食屋では鶏のから揚げが食べ放題である」のようなちょっとしたトリビアがあることも披露されたりしたのでした。
この日は、もうひとつスペシャルコンテンツがありました。個人会員に、アカペラボーカルグループの「INSPi(インスピ)」のメンバーのひとりがいたことから、集まった参加者の前でINSPiが美声を披露。思わぬサプライズに、参加者は箸を止めて聞き入るのでした。
さんさんランチーズも、最初は10名足らずで小学校の給食の会みたいなものでしたが、いつの間にか、こんなよりどりみどりの盛りだくさんイベントに成長していたとは驚きです。起業を目指す人、イノベーションを起こしたい人、ソーシャルビジネスに興味のある人は、まずさんさんランチーズに参加してみてはいかがでしょうか。人との出会いはもちろん、盛りだくさんのコンテンツで楽しめること請け合いです。あ、もちろん、おいしいお弁当もね。