言葉のキャッチボールが大切だと力説する上司は多い。しかし実際は自分が言いたいことだけをドッジボールのように一方的に思いきり相手にぶつけて、職場が疲弊するドッジボール症候群が最近多発している。
部長:今期はこの目標が絶対だぞ!以上!
課長:そんな簡単に言われてもできません!以上!
係長:私はやることはやっています。他のことは知りません。以上!
若手:私も頑張っています。でもこれ以上は無理です。以上!
部長:つべこべ言わずとにかくやれ!以上!
この職場には、言葉のキャッチボールは存在せず、相手の立場を理解しようとする姿勢もみられない。まさに相手に言葉をぶつけるだけだ。
なぜこのような現象が起こるのか?第一はゆとりのなさだ。自分の仕事が手一杯だと職場の雰囲気も殺伐としてドッジボール化が始まる。第二は一方的に相手に投げつけるほうが実は楽だからである。一方的に投げつけて余計な仕事を増やさないという判断は、その人単体でみれば実は楽で合理的なのだ。この限定的な合理性こそが職場の不条理の原因だ。
まず球をよく「見極める」ことだ。ドッジボールで取れる球とよけるべき球を見極めることと一緒であり、よけるべきと判断した球には取り合わないことだ。無理に受け止めようとしてもケガをするか疲弊するだけである。一方、自分が取れると判断した球については、逃げずにしっかり受け止める。これは具体的に聞き返すことだ。何を、何のために、いつまでにと聞くことで、上司もそれに対して具体的に返さざるを得なくなり、必然的に言葉のキャッチボールが始まるのだ。
言いたいことだけを一方的にぶつけるだけ!
言葉のキャッチボールを妨げている理由は?
専門はコミュニティビジネス・地域活性化。プラチナのように輝く社会や産業を研究。また悩めるミドル向けに職場活性化の講演や執筆も行う。