- Q1
- あなたはいま、どのようなプロジェクト・仕事に取り組んでいますか。また、それに取り組むきっかけについて教えてください。
- A1
-
環境カウンセラー、森林インストラクターとして官民連携のSDGsや環境問題への取り組み、森の利活用、都市の緑化、里山復活などの取り組みをサポートしています。また、2023年2月にカムフル株式会社を立ち上げ、多くの方々とチームを組み、先進的なアプローチで循環型社会の構築に挑んでいます。活動全体を通じて、より良い未来の実現に向け、人と人を繋ぎソリューションやイノベーションを生み出していくことや、過去の知見や想いを未来に繋いでいくということも自分自身のミッションだと感じています。
環境問題等の取り組みへのきっかけは長男の出産です。自然のある素晴らしい環境、そして美味しい食べ物などが、子どもが大人になった時には失われているのではないかという危機感が芽生えたのです。そこで知識も経験もない中、当時勤務していたスターバックス コーヒー ジャパンの人事に掛け合って、店内で排出されるコーヒー豆かすのリサイクルを担当する新しいポジションを設けていただき、ごみや環境に関する勉強をゼロから始めました。充実していましたが、より広い領域で社会と共に環境を良くする活動をしていきたいという思いが芽生え、海洋プラスチック問題に取り組む環境ITベンチャー等を経て、2020年に独立し今に至りました。
- Q2
- 仕事や個人の活動において、あなたが大切にしていることは何ですか。
- A2
-
心に火をつける、想いをつないでいくことです。環境問題は、このテーマに触れてこなかった方々にとってハードルが高いので、少しずつ理解を深められるようにサポートしています。それぞれの望ましい姿を一緒に考え、それを実現するために、できるだけポジティブでチャンスになるところを一緒に探し、半年くらいかけてマインドセットを作っていくようにしています。皆さんがその問題に取り組むWHY「なぜ取り組むのか」を意識しながら、皆さんの心に火がつくようなアプローチを大切にしています。一度種火がつけば、なかなか消えなくなるので、そこまではゆっくり丁寧にお付き合いして、その後は自律的に走れるようなスタイルを心がけています。
- Q3
- あなたにとって3×3Lab Futureとはどのような場所ですか。
- A3
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大好きな場所で、自分の中でパワースポットです(笑) 。緑が溢れる、鳥の声が聞こえる、五感が刺激されるだけではなく、会員制という安心感もあります。そして、色々な方と繋がることができ、初対面の方と意気投合してその場で食事に行くこともあります。
自宅との往復時間を考慮しても3×3Lab Futureに来ると在宅ワーク以上に仕事が捗り、新しい方々とも出会うことができるので、やはり足を運ぶことに価値を感じます。3×3Lab Futureでの出会いから生まれたプロジェクトもたくさんあり、改めて、行って元気になる場所、元気をもらえる場所、そしてつながりが無限に広がる場所だと感じます。
- Q4
- 3×3 Lab Futureで、こういう企画やイベントがあったら嬉しい、というコンテンツは何ですか。
- A4
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サーキュラーエコノミーやネイチャーポジティブは一企業では取り組むことの難しいテーマだからこそ、3×3Lab Futureの方々と地域の資源循環に取り組んでいきたいです。シェアリングや再利用など新しいサービス考えたり、循環型農業や森の支援にもつながる、資源循環の取り組みを身近なところでたくさん共創していきたいと考えています。
また、当たり前と思われているものを見直したいです。例えば、今まで鉄やプラスチックでしか無理だと思われていたものに対して、杉から作るバイオ由来の新素材「改質リグニン」をプラスチックの代わりとして使えないか、そして耐久性はどうか...こんなことを調べるためにも、3×3Lab Futureで仲間と一緒に、多様な実証実験を行っていきたいです。
- Q5
- あなたのお気に入り(街、お店、サービス、本など)を教えてください。
- A5
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最近のお気に入りメディアは、サステナブルやエシカルをテーマにしている"ELEMINIST"や、"IDEAS FOR GOOD""WIRED"などです。他には「ごみの学校」もよくチェックしています。
バッグや小物などは、CRAFSTO に注目しています。アップル、サボテン、マッシュルームなどヴィ―ガンレザーでできているものも多く、機能的にも軽くて丈夫なだけでなく、とてもお洒落で愛着が持てます。
ごみの学校もCRAFSTOも3x3 labの会員仲間です。
また、洋服では、メーカーズシャツ鎌倉のボタニカルダイシリーズですね。鎌倉に咲く紫陽花を循環させ、通常の染料や水を極力使わずに天然の色素からシャツを作っているそうで、衣類もできるだけサステナブルなものを探して、買うようにしています。また、100%ペットボトルを原料に作られている靴のブランド"Öffen"(オッフェン)もお気に入りです。環境省ホームページで発見しコンタクトをとったブランドで、デザイン性だけでなく、その軽さや履き心地の良さもとても魅力的で、こちらも愛用しています。
- Q6
- 今後の夢や挑戦したいことは何ですか。
- A6
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身の回りにある資源を循環させる小さな輪を無限大にしていくことです。現在は、カムフル株式会社を経営していますが、輪を作るお手伝いだけでなく、自分自身もこの輪の当事者になりたいですね。ネイチャーポジティブな社会の実現や緑の復興、サーキュラーエコノミーを回していく際に、自分自身が事業の主体となっていきたいと考えています。毎日ワクワクしながら色々とプランニングしています。
また、現在の住居とは別に、自然豊かな地域にもう一つ拠点を持って、そこの地域の方々と一緒に畑作業をしたり、森を作ったりできたら理想です。さらに、3×3Lab Futureとオンラインで繋がり、仕事も進めながら環境省のローカルSDGsや地域共生圏といった取り組みを、自身が当事者として地域で関われたら幸せです。幼少期を四国や九州の島などで過ごし、その中で地方の地域課題を見てきました。今後は、そういった地域課題と都市部をつなぐことで、環境やSDGsの領域で私ができることをやっていきたいです。そして、その中で3×3Lab Futureの志や想いのある方々と魅力溢れる取り組みをご一緒できたらと思っています。
関根 久仁子(せきね・くにこ)
株式会社これやこの/カムフル株式会社 代表取締役
早稲田大学卒業後、日米欧自動車会社勤務を経てスターバックス コーヒー ジャパンにて12年間、環境推進担当。コーヒー豆かすリサイクルループ(大臣認定)等3R、環境配慮店舗、倫理的な調達、環境教育等を推進。第2回食品産業もったいない大賞農林水産大臣賞受賞に寄与。海洋プラ問題に取り組む環境ITベンチャー(ピリカ)等を経て独立。多くの企業や自治体などのSDGs・環境の活動支援、FSC認証木材普及等に取り組む。一橋大学非常勤講師・埼玉県プラスチック資源の持続可能な利用促進プラットフォームや東京サーキュラーエコノミー推進センターで顧問等を務める。第4回環境カウンセラー環境保全活動表彰/ 循環型社会貢献賞(事業者部門)受賞。