シリーズVOICE

【VOICE】二見武史さん

株式会社サンシャインエンタプライズ

Q1
あなたはいま、どのようなプロジェクト・仕事に取り組んでいますか。また、それに取り組むきっかけについて教えてください。
A1

サンシャインエンタプライズというサンシャイン水族館などを運営・管理している会社で、生物調査のほか、産学連携しSDGsの推進等に取り組んでいます。当社は2006年から沖縄県恩納村漁業協同組合の協力を得てサンゴ礁を再生する「サンゴプロジェクト」に取り組んでいるのですが、取り組みの意義や課題について話し、一緒にアクションを考える、学生を対象とした活動も行っています。その他、サンシャイン水族館に展示している生き物たちの繁殖や、生き物やその生態系が持続していくための研究・開発に力を入れています。
私が、資源を守り持続させていくことに意識が高まったのは、サンゴプロジェクトがきっかけでした。恩納村に行った際、村の方が「おじいとおばあから受け継いだこの海を守らないといけない」と言っていたのがとても印象的だったんです。サンゴは観光資源ですから、それを守り増やしていくことは、村の方々はもちろん、この村を訪れるさまざまな人につながる課題だと気付き、ハッとしましたね。SDGsを広めていくためには、私のような世代はもちろん、その下の世代への発信も重要だと思います。さまざまな課題について、若い人たちが考え、自分の言葉で語り、広めてもらう場をこれから積極的に作っていきたいです。

Q2
仕事や個人の活動において、あなたが大切にしていることは何ですか。
A2
Q1とも関連するのですが、大切にしているのは「自分たちのWINばかり考えない」ということです。当社は水族館がどうあるべきか、どのように海の生き物たちを見せるかという水族館の本質の追求にも取り組んでいるのですが、その過程において漁師さんとの連携は欠かせません。我々のお願いをするばかりでなく、漁師さんにとってのWINも常に考えながら活動しています。例えば、売り物にならなくて捨てるしかない魚の活用方法、流通方法を一緒に考えるなど、自分たちだけが利益を独占するのではなく、目の前の相手のWINも含めて向き合い、連携していけるのがベストだと考えています。
Q3
あなたにとって3×3Lab Futureとはどのような場所ですか。
A3
「求めていた場所」ですね。水族館のことを考えていると、みんな頭の中は「生き物」のことでいっぱいになってしまうんですよ(笑) サンシャインシティグループは「池袋エリアにおいて、地域と社会において「なんか面白いこと」を提供する」ということをミッションとしています。3×3Lab Futureに来てみなさんとお話すると、自分たちが生み出しているもの、手がけたものがどのように受け入れられているのか、一歩引いて眺めることができるので視野が広がります。
Q4
3×3 Lab Futureで、こういう企画やイベントがあったら嬉しい、というコンテンツは何ですか。
A4
学生向けに実施しているプロジェクトの最終発表の場として、3×3Lab Futureと連携してもいいかもしれないですね。
また、私「海苔」が大好きで(笑)、おにぎりやのり弁など、なにか海苔を軸にイベントができたらおもしろいですね。というのも、海苔の養殖は海のゴミの影響を受けやすく、いま生産が危ぶまれる深刻な問題になっています。さらに、携わる人たちの高齢化も進んでいる領域なので、海苔好きとしては非常に危機感を覚えています。こういった問題は、「ゴミを拾いましょう」と訴えてもなかなか世の中に届かない。だから、「おにぎりが食べられなくなったら困るでしょう?」などといった新しい切り口で、楽しく問題に向き合える場をつくりたいです。
Q5
あなたのお気に入り(街、お店、サービス、本など)を教えてください。
A5
本屋さんが好きです。池袋には「ジュンク堂」があるのでよく行くのですが、店内に椅子が置いてあって、座って本を読むことができるんです。あれはずるいですね(笑) 気付くと何時間も経ってしまいます。

その他は、お魚屋さんも好きですね。退社後に「今日は何がお得になっているかな?」なんて考えながら閉店間際のデパ地下に寄って、お魚を買うことが結構あります。私は板橋区に住んでいるのですが、地元にもいい魚屋さんがあるんですよ!季節限定の、普段は見られない魚が手に入る貴重な場でもあるので、行くだけでも楽しいですね。
Q6
今後の夢や挑戦したいことは何ですか。
A6
夢や挑戦したいことはいっぱいあります。でも今自分が重要だと思っているのは、まずはやってみる、仲間が挑戦することを認める、という環境づくりですね。
3×3Lab Futureもそうだと思いますが、何かに挑戦することを応援してくれる環境があるということはとても大事だと感じます。だからこそ自分も、何かに取り組む姿、そのプロセスを後輩たちにどんどんオープンにしていきたいです。また、思い付いたアイデアを気軽にシェアできるような文化も、会社に根付かせていきたいですね。
二見武史(ふたみ・たけし)
株式会社サンシャインエンタプライズ アクアゲストコミュニケーション部長

東海大学海洋学部卒後、サンシャインエンタプライズに入社。サンシャイン水族館(旧サンシャイン国際水族館)に配属。主に魚類の飼育展示を担当し、板橋区熱帯環境植物園内の水族館立ち上げやヨコハマおもしろ水族館の管理に携わる。しながわ水族館配属時にはサメ水槽の新設や2011年サンシャイン水族館の全面リニューアルも担当。2017年の「天空のペンギン」を代表とするリニューアルでは販促・企画を担当した。現在は水中ドローンを用いた生物調査や教育機関との連携などの取り組みを行っている。

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