- Q1
- あなたはいま、どのようなプロジェクト・仕事に取り組んでいますか。また、それに取り組むきっかけについて教えてください。
- A1
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数億年前の水棲生物をテクノロジーの力で現代に蘇らせる「ロボ化石プロジェクト」や、「生きた化石」と言われるカモノハシの動きをロボットで再現するプロジェクトなど、水中で実際に動きを確認する事で、化石の分析だけだと分からない進化の過程を、専門家と共に検証する取り組みに力を入れています。
「生きた化石」と言われるカモノハシは、ストレスに弱い生き物で生息地を出るとすぐ死んでしまうそうです。そういう希少な生き物の生態を知ってもらう為に、ロボットと動画を組み合わせた新しい形の動物園を作れたら、動物にもストレスがなくていいな。と考えたりしています。カモノハシのプロジェクトは、ある学者さんの本がとても興味深かったのでSNSでシェアしたら、ご本人から「ロボットを作れるんですか?」とご連絡をいただいたんです。やり取りをする中で、「これは何か作ってみたら新しい発見があるかもしれない」と思い、お手伝いすることに決めました。
- Q2
- 仕事や個人の活動において、あなたが大切にしていることは何ですか。
- A2
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お寺に縁のある家系に生まれたので、仏教的な考え方には影響を受けていますね。特に天台宗の開祖、最澄の言葉である「一隅を照らす」(自分が今いる場所や立場でベストを尽くすことが、全体を良くすることにつながるという考え方)は大切にしていて、命を大切にする、奉仕する、自然の恵みに感謝するといった考え方は、自分のベースになっています。
仕事面では、「安く、早く」みたいなことはあまりやらないですね。丸投げではなく、プロジェクトを通じて共に成長できるクライアントさんとのご縁を長く大切にしていきたいです。
- Q3
- あなたにとって3×3Lab Futureとはどのような場所ですか。
- A3
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普段の生活では出会えない、それぞれの領域で熱量高く頑張っている人と出会える場だと思います。コーディネーターの方々、スタッフの方々の経験値やスキルの高さから学ぶことも多いですし、居心地も非常に良い。地方にいる方々ともオンラインで交流ができるのですが、皆さん誠実で楽しく、素敵な方が多い印象です。
- Q4
- 3×3 Lab Futureで、こういう企画やイベントがあったら嬉しい、というコンテンツは何ですか。
- A4
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異分野のものをすり合わせ、新しい価値を生み出すことに興味があります。コトづくりやものづくりをクロスオーバーさせるようなイベントがあれば、ぜひお手伝いしたいです。
- Q5
- あなたのお気に入り(街、お店、サービス、本など)を教えてください。
- A5
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「麻布未来写真館」という、変わりゆく麻布の光景を写真で残すプロジェクトに関わっています。麻布の昔の写真や現在の定点写真に、その時点での文化的・科学的な知見を加え、展示するというものなのですが、これがきっかけで歴史あるものに「いま」の解釈を加えて残すこと、そこに新しい価値を見出すことの面白さに気づくことができました。
- Q6
- 今後の夢や挑戦したいことは何ですか。
- A6
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異なる分野の物事を融合させ、新しい価値を生み出す。それが持続し、広がっていくこと。そうしたことには、できる限り長く携わっていたいですね。今の時代は各所がそれぞれの領域に閉じてしまう「鎖国」状態になりがちで、色々とうまくいっていないことが多いと思うんです。自分がそうした状況に積極的に関わっていくことで、次の世代の人達が何か気づきを得られるといいなと。「ロボ化石プロジェクト」もまさにそんな思いで取り組んでいます。
近藤敏康(こんどう・としやす)
AFK研究所合同会社 代表社員
慶応義塾大学卒業後、パイオニア株式会社に入社。PC用光ディスクの企画開発、DVD-R世界標準規格化等の業務に従事。独立後SNS及びインターネット応用開発支援、Blu-ray機器の企画マーケティング支援、Blu-ray 及びSNS関連の講演活動を行う傍ら、大学と協同し、福祉作業所用商品開発、生体模倣水中ロボット他、各種先端分野の普及促進や先端開発に協力している。
<受賞歴>
・第六回企業ウェブグランプリ優秀サイト(ソーシャルネットワーキング部門) Sound Lab. Facebook(パイオニア株式会社)
・NHK教育テレビ 住まい自分流DIY大賞 お好み自分流DIY部門 大賞受賞