コミュニケーションを知る
メーカーで携帯電話やスマホの商品企画に携わっているときに、「コミュニケーション」のあり方を模索する中で、ワールドカフェを知り、3×3Laboに出会いました。3×3Labo創設のころから関わっていますが、ここには常に"誰か"に会えるという安心感とともに、課題意識を持った新しい人とも出会えるという刺激もあります。1人で考えたり社内だけでは行き詰まりを感じているという人には、すごく良い場所ではないかと思います。刺激や影響を受けて、僕も公私を混同する感じで、武蔵小杉でソーシャル系大学「こすぎの大学」を仲間と立ち上げたり、有楽町のまちづくりを考える団体「みんなでつくるまちづくり推進協議会」に参加し始めるようになりました(笑)。
- Q1
- ワールドカフェや3×3Laboを通じて得たコミュニケーションのあり方とは?
- A1
- 携帯電話の商品企画をしていた当時、メーカーはカメラ画素数や画面サイズなどのスペックを訴求するものの、生活者には響かなくて...。コミュニケーション体験こそが、携帯電話やスマホでは重要なんだという気付きです。その視点がないと、メーカーはスマホ(モノ)を作るだけで終わってしまいますよね。でも、メーカーが創るのは「本当はコミュニケーション体験(コト)なのだ」と気付けば、商品企画の視点も当然変わってくるんです。また、単純に、皆で集まって何かを作る、モノづくりやコトづくりのプロセスの楽しさを思い出しました。プロセス自体がコミュニケーションなんですよね。
- Q2
- 3×3Labo、エコッツェリア協会に期待することはありますか?
- A2
- まず、ずっと存続してほしい!(笑)。大企業が都内の一等地でこうした取り組みをしているということは、とても勇気をもらえるし、他の企業にも良い影響を与えると思います。また、有楽町でユニバーサルデザインによるまちづくりに関わる活動も始めましたので、何かご一緒できるところがあったらいいですね。
- Q3
- 「こすぎの大学」について教えてください。
- A3
- 武蔵小杉に住んでいるのに、地元のことを何も知らないことに気づいて、仲間たちと武蔵小杉の魅力を見付けよう!と始めました。毎月1回、講師を招いてトークイベントをしています。最初は10人もいなかったのに、今は50~100人も集まるイベントになりました。ここから始まった新しい活動もあって、どんどん広がっています。
- Q4
- 大丸有を1日好きにしてよければ何をしたい?
- A4
- 一番困る質問ですが(笑)、そうですね、スマホやネットを使わずに過ごす街にしてみたい。例えば3×3Laboにいると、皆さん誰かのプレゼンを聞いていたり、ワークショップで人の話を聞いたり、自分の考えを話したりされるでしょう。その時、スマホはきっと見ていない。そしてそんな空間はとても心地よい。その3×3Laboのような空間を街全体に広げたいですね!
- Q5
- あなたが大切にしているモノ、コトは?
- A5
- 好奇心です。知らないことを知るのは楽しいですよね。3×3Laboのような場所は知ることがいっぱいあるし、学ぶことも多いです。
岡本克彦(おかもと・かつひこ)
NEC コーポレートマーケティング本部 ブランド戦略・IMCグループ マネージャー
1995年、NECホームエレクトロニクスに入社。ワープロ、携帯電話・スマホの商品企画・マーケティングに携わった後に現職。企業間フューチャーセンター、「こすぎの大学」創設メンバー。現在は有楽町の「みんなでつくるまちづくり推進協議会」にも携わるなど、公私ともども多彩に活動を続けている。
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こすぎの大学