シリーズVOICE

【VOICE】戎谷徹也さん

株式会社大地を守る会
事業戦略部 放射能対策特命担当

生産者~飲食店~消費者をつなぐネットワークづくりに取り組む

エコッツェリアには、「地球大学」、「大丸有つながる食プロジェクト」の活動参加や打ち合わせのために来ています。「つながる食~」では、食の安全に気を配っている大丸有のお店やシェフと、安全な野菜を作っている農家の方たちをつなぐために、野菜の共同仕入れの受発注システムを作り、効率よく機能するよう試行錯誤を重ねています。また、その関係で「行幸マルシェ×青空市場」にも出店しています。大丸有で楽しくて身体にいいことが進んでいるんだよ、という認知に一役買えればと思っています。

Q1
戎谷さんが感じている「食の問題」とは何でしょう。
A1
食べ物があまりにも「商品」になっているという点ですね。高い、安いという価格ばかりが重要視され、食を作りだしている環境についての意識へとなかなかつながらない。例えば、ある産地の米を食べることがその地域の水系の維持にもつながっているというような理解が消費者にあると、生産者の意欲も俄然違ってきます。また、食べるという行為は人間が生きて行く上で根源的な大仕事です。食べ物を単純な商品として見るのではなく、私と家族の健康にとって、とても重要なものであるという認識が必要ではないでしょうか。
Q2
大丸有でお気に入りの場所はどこですか?
A2
大地を守る会の直営店である農園カフェ&バル「Daichi & Keats」(丸の内永楽ビルディング iiyo!内)によく行きます。また、このあたりのビル内にはゆったり感のある共有スペースが多くあり、私もソファーで資料に目を通したりしています。こういう点を昔と比べると、街づくりやビルづくりも変わったんだなと思いますよ。
Q3
大丸有を一日自由に出来たら、どうしたいですか?
A3
1日じゃ出来ないし、非現実的なことですけど、何か一大文化祭みたいなものがやりたいですね。各地域の代表者が集まって、ココに来れば日本の縮図が見られるようなお祭りを、ぜひ合併前の市町村で(笑)。というのも、昨年農水省で「食文化ナビ」を作るにあたって、全国で資料を集めたり現地に伺ったりしたのですが、食に対してがんばっている地域が多いんです。そういった取り組みを紹介して、人々がつながる場として何かできたらと思いますね。
Q4
戎谷さんの「大切にしているもの」を教えて下さい。
A4
月並みですが、やっぱり「家族」ですね。食の問題や環境問題へ取り組む最初の一歩は、身近な存在である「家族」のために、という利己主義的な所から始まってもよいのではないかと思っています。家庭で何を食べるかというのは毎日生活していく上で非常に重要な事だと思います。と言いつつ、私は仕事人間で、家庭を放ったらかしにしていると家族からは思われてますが(苦笑)。
Q5
おススメの本を教えていただけますか?
A5
今までの話や、食と環境に絡めていくと、『地球大学講義録』(竹村真一編 日本経済新聞社)でしょうか。こういう質問でいつもふと浮かぶのは『逝きし世の面影』(渡辺京二著 平凡社)。明治維新後にやってきた外国人の目を通して日本が描かれているのですが、「子供はいつもニコニコしている」とか、「家のカギはかけない」とか、とても大切な古き良き日本の姿が抽出されていて、なぜか深く心に残っています。
戎谷徹也(えびすたに・てつや)
株式会社大地を守る会 事業戦略部 放射能対策特命担当

自身の子供がアレルギーであった事をきっかけに、食に興味を持ち、株式会社大地を守る会に入社。日本のスローな食と農のオピニオンリーダーとして知られる。農産物の仕入れ責任者を経て、現在は「放射能対策特命担当」として日本各地を飛び回る生活を送っている。

大地を守る会

大地を守る会のエビちゃん日記"あんしんはしんどい"

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