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【CSRイノベーションWG】第3回のゲストは鎌倉投信新井和宏氏!"いい会社ってなんだろう? いい社会ってなんだろう?"+"丸の内でイベントをするなら?"アイデア創出ワークショップ

エコッツェリアの会員企業のCSR担当者が集まり、新しい時代のCSRについて考える「丸の内地球環境倶楽部ワーキンググループ(以下、WG)」。今年も6月より、全9回の勉強会がスタートしています。すでに開催された第1回第2回では、今後1年間ともに学んでいく仲間づくりも兼ねながら、従来のCSRに対する固定概念をいったん壊してCSRにイノベーションをもたらす「CSRのビッグビジョンを共有」するワークショップを行いました。そして今回の第3回、10月に行う第4回では、ビッグビジョンを実現する具体的なアイデアを創出していきます。
9月12日(水)に開催された、今回は "いい会社ってなんだろう? いい社会ってなんだろう?"を原点に立ち戻って考えるヒントにと、ゲストに鎌倉投信の新井和宏氏を迎えました。

鎌倉投信を始めたきっかけ

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「日系信託銀行、外資系運用会社とファンドマネージャーとしてのキャリアをつむなか、ストレス性の難病にかかって退社。「もう二度とこの仕事はやるもんか」と思っていたのですが、『日本でいちばん大切にしたい会社」(あさ出版)という本を読んで、こういう会社を大切にできなかったなとの思いから鎌倉投信を立ち上げました。我々は単に良い会社がこの社会に増えていただければそれでいいと考えています。会社を立ち上げる際は、自分たちが日本のなかでなにを守りたいか、まず自ら行動しようと、古民家を再生させることから始めました。シロアリでぼろぼろだった築80年の古民家を4ヶ月で再生、今では事務所に。750坪の敷地中500坪が森林ですが、維持管理含め鎌倉投信でやっています」

投資と投機の違いとは?

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まず、"自己の利益だけを追求し、社会性を放棄する=投機""自己の利益を放棄して社会性だけを追求する=寄付"と定義。
「鎌倉投信では、この投機と寄付の間を投資と位置づけ、自己の利益と社会性を同時に追求していく。利益というのは、明日返ってくるものではありません。時間がかかるもののはずなのに、金融商品になったとたん、明日返ってくる?今月の利回りは?という視点になってしまう。投資先は、アンケート調査や第三者機関の客観的データなどによらず、直接訪問、主観的調査により決定しています」

鎌倉投信の考えるいい会社とは?

ここで新井氏は鎌倉投信の考えるいい会社の具体例として、実際の投資先を紹介。東証一部上場の食品トレイの製造業者株式会社エフピコは、障碍者雇用率16%。だがこの数字に着目して投資を決定したわけではないとのこと。
「投資している理由を一言でいうとシェアドバリュー(共益)の典型例。障碍者を雇用すればするほど儲かるビジネスモデルだということ。エフピコさんは唯一食品トレイをリサイクルして、食品トレイを作れる会社でここが他社との差別化になっている。それを可能にしているのが、大量に発生する分別作業を担当する障碍者の存在。分別のような単純で変更がない作業は障碍者が得意とする作業で8時間作業しても生産性が落ちません。スーパーにあるトレイの回収ボックスは全部エフピコさんのものなんですよ」
この体制のキーマンは小松会長と障碍者雇用を担当する特例子会社の且田社長。始まりは、且田社長が障碍者学校の校長だった時に、障碍者雇用について小松会長に相談したところ、"就職させたいならおまえが雇用をつくれ"言われたこと。
「且田社長は"障碍者は時間がかかる、ただそれだけ。時間を待てるかどうか。それを僕は知っているだけなんだ。知っているといろいろな障碍者の方を雇用することが可能になってくる。最もだめな人、他で採用されない、うちしか採用できないという人を探している"と言います。障碍者は働くことに誇り、生き甲斐を持っています。彼らは自分が分別作業をしないと、会社が利益を出せないということをわかっているんです。障碍者は無知ではない、自分は必要なんだろうかと健常者と同様に、普通に考えている。素晴らしい人とダメな人がいるのは同じなんですね。私たちは、企業が続く仕組み、そこに社会性がそなわっている限り、その会社が大きくなれば世の中が良くなる、その絵が描けるから投資をするんです」
続いてフェリシモ、ヤマトHD、トビムシと3つの事例も紹介されました。
詳しい事例については鎌倉投信サイトでどうぞ

なぜこんなことをやっているのか?

「鎌倉投信がやっているのは、小さな活動。20億円の規模でしかなく、日本全体にインパクトを与えることは不可能です。では、なんでこんなことをやっているのか。大企業の皆さんが始めるのを待っているんです。大企業が動かなければ日本は変わらない、ということで、今日は大企業のCSR担当者である皆さんにお話させていただきました」

"丸の内でイベントをするなら?"ワークショップスタート

新井氏のお話で"いい会社ってなんだろう?いい社会ってなんだろう?"を参加者それぞれが頭に巡らせたところで、後半のワークショップでは、前回2回目で考えたビッグビジョンも参考に、今回は"丸の内でイベントをするなら?"をテーマにアイデアをつくりました。今回もファシリテーターは櫻井亮氏(NTTデータ経営研究所)。

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まずは個人ワーク2分でいいと思うアイデアを考え、グループ内で3分かけてシェア、1アイデアとしてまとめ発表します。

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でてきたのはこんなアイデア!

・社員食堂味自慢

「気になる他の会社の社員食堂。丸の内エリアの社員食堂を食べ歩きできるように!」

・丸の内探検ウォーキング&大家族大流しそうめん大会

「グループ内で出たアイデアを大胆にも全部ミックスしてみました!一言でいうとスタンプラリー!?」

・お祭り

「飲んだり食べたりするのが単純に一番楽しいかなと。ハードル自ら上げますが、道路を封鎖してやりたい!」

・大丸有+神田新橋=行幸夜市

「キレイすぎる丸の内。猥雑な神田・新橋など近隣エリアとセットで考えると魅力なのでは?丸の内の屋上菜園でつくった野菜などが神田・新橋のお店で食べられる、行幸に夜店を出店してもらって、オトナの文化祭を開催するなどコラボレーションする」

次に、運営側にたって、俯瞰した目線でイベントを考えます。まずイベントの主人公を決め、イベントに参加したらどういう経験をするのかを書き出してみる、そして主人公のイベント前後の時間軸での感情の変化を想像。こちらも個人ワーク3分の後、グループ内シェア、まとめとワークをすすめましたが、このあたりで今回は時間切れ。

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次回の第4回では、イベントの主人公の具体的なペルソナを作成、より実現可能なアイデアへと練り上げていく予定です。乞うご期待!

今回の参加企業

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