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【レポート】カーボンニュートラル実現の新たな一手、「ブルーカーボン」の可能性 会員限定

CSV経営サロン2021年度 第3回 2022年2月21日(月)開催

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2021年に開催されたCOP26では、森林資源によるCO2吸収を意味する「グリーンカーボン」が大きく取り上げられました。このグリーンカーボンと同じように注目を集めているのが、海洋生態系によるCO2吸収を指す「ブルーカーボン」です。藻場や湿地、マングローブなどを整備して海洋生態系の保全とCO2削減を同時に叶えるものであり、今後のカーボンニュートラル実現に向けて重要な一手になると見られています。

そこで、2021年度のCSV経営サロンの最終回では、日本におけるブルーカーボンの有識者をお招きし、ブルーカーボンの現状と課題、今後の展望について解説していただきました。その要旨をレポートします。

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注目度高まるブルーカーボンの現状

注目度高まるブルーカーボンの現状

image_event_220221.002.jpeg左から)小林光氏、吉高まり氏、信時正人氏、宮田康人氏

まずはCSV経営サロンの座長を務める小林光氏(東京大学先端科学技術研究センター研究顧問、教養学部客員教授)より話題提供がなされます。そのタイトルは「海に頑張らせ過ぎている」というものです。

海は年平均で21億トンもの二酸化炭素を吸収していますが、それだけの量の二酸化炭素を吸収すると海洋中には熱が溜まることになります。海に熱が溜まると海水温が上がり、海面水位が上昇します。さらに二酸化炭素が海水に溶け込んでいくと海水の酸性化を招きます。海洋酸性化は、海洋生態系の成長や繁殖に変化を生じさせたり、海洋の二酸化炭素吸収能力の低下を招いたりと、地球全体に悪影響を及ぼすと危惧されています。こうした状況だからこそ、ブルーカーボンを活用してCO2吸収のバランスを改善することが望まれているのです。ブルーカーボン活用のために注目を集めているのが、金属を製錬する際に出る鉱滓(スラグ)です。スラグは海洋の環境改善に効果があることから、ブルーカーボンと共に注目度が高まっています。

この日のテーマについて紹介したところで、小林氏は次のように問題提起を行いました。

「世界では、個別の主権国家がその領域について環境対策をすることを原則としていますが、その領域にある森林や海洋の吸収量を私物化して、その吸収量に見合う排出をしてしまうのは危険ではないかと思っています。日本などは海洋国家ですから相当な吸収量がありますが、それを私物化してしまっていいのだろうか、ということです。また、公海の吸収量はどこに帰属するのかもまだ未整備なところがあるので、今後国際法的な議論が必要になると思っています」(小林氏)

続いて、本サロンの副座長・吉高まり氏(一般社団法人バーチュデザイン 代表理事)より、「炭素クレジットの現状」を紹介いただきました。

カーボンオフセットは、CO2などの温室効果ガスをできるだけ削減した上で、どうしても排出される温室効果ガスを他の場所における削減や吸収活動で埋め合わせることを意味し、その埋め合わせ分の削減・吸収量を一定のルールに基づいて定量化したものをクレジットと言います。クレジットの活用は脱炭素化や社会貢献の一環として補完的に活用できるとみられていましたが、近年では"クレジットを買えば排出してもいい"という考え方に対して、厳しい見方がされるようになってきています。そこで用いられるようになっているのが「ヒエラルキーアプローチ」という考え方です。これは「できる限り自らの排出量削減を最優先し、どうしてもなお残る排出量を対象としてクレジットを活用すべき」というものです。吉高氏は、「今の炭素ビジネスはこの考え方が中心になっている」と言います。

image_event_220221.003.jpeg炭素クレジットの概要

カーボンクレジットには、温室効果ガスの削減事業を実施した時、その事業がなかった場合と比べた削減量をクレジットとする「ベースライン&クレジット」と、定められた排出量がある主体同士が、排出枠の取引を行う「キャップ&トレード」の2つの方式があります。種類に関しては、国連により認めてられているクレジット、日本とパートナー国の間で取引される二国間クレジット(JCMクレジット)、「Jクレジット」等国内で取引されるクレジット、民間主導のボランタリークレジットなど、複数あります。上述のようにヒエラルキーアプローチの考え方が浸透してきているため、いずれのクレジットも金に飽かせるような使い方はしてはならないと、パリ協定によって定められています。

現在日本企業が活用できるカーボンクレジットは、政府公認のJCMクレジットとJクレジットと、民間主導によるボランタリークレジットです。そしてこの日のテーマであるブルーカーボンにまつわるクレジットはボランタリークレジットに位置しており、これを今後企業がどのように活用できるかが、今後の環境ビジネス推進の鍵になっていくと見られています。

「これまで金融や投資の世界で環境と言えば、グリーンボンドやグリーンファイナンスなど『グリーン』にまつわるものが多かったですが、今ではブルーボンドやブルーエコノミーなど、水や海洋に関する商品が増えてきています。実際、インド洋の島嶼国であるセーシェル共和国では世界初のブルーボンドが発行されていますし、欧州委員会でもブルーエコノミーファイナンスの原則が制定され、投資家から支持を集めています。こうした動きに対して、ブルーカーボンがどのように進んでいくかは注目の的になっていると言えます」(吉高氏)

image_event_220221.004.jpegグリーンカーボン同様、ブルーカーボンの重要性も上がっていくと吉高氏は説明しました

国際海洋環境未来都市・横浜で行われるブルーカーボン事業

話題提供を終えると、実際にブルーカーボン事業に携わる有識者の講演へと移ります。まず登壇したのは、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)、ヨコハマSDGsデザインセンター、株式会社エックス都市研究所などを環境に携わる組織で要職を務めている信時正人氏です。信時氏には「横浜ブルーカーボン事業とこれからの展開」と題し、JBEが横浜市と連携して行っている事業の現状と課題、今後の展望について紹介いただきました。

信時氏は冒頭で、これまで様々な取り組みを手掛けて来た経験則から「自治体による環境への取り組みの大前提」を次のように話しました。

「環境対策は十把一絡げでは効果がありません。『WHO AM I?』、つまり『自分たちの都市は何者なのか?』から入らなくてはなりません」(信時氏)

横浜市の場合、海に面している点や、多様性やチャレンジ精神があり市民の創発力が高い街であることなどが大きな特徴であると言います。そんな横浜市がブルーカーボン事業を開始したのは2011年のこと。信時氏はそのきっかけをこう振り返ります。

「横浜市では、グリーンカーボン事業に関しては山梨県や、横浜市の水源がある同県道志村と協働しながら2009年から実施していました。しかし、市の海岸線総延長が約140kmにも及ぶメリットをまちづくりに活かせていませんでした。そこで、港湾都市というよりも、国際海洋環境未来都市となることで海と近しい市民の生活を作っていこうということになったのです」(同)

そうして、地球温暖化対策、海洋都市横浜の確立や市内の経済効果、親しみやすい海づくりなど、地球、横浜、横浜市民に様々なメリットを与えることを狙いとした「横浜ブルーカーボン」がスタートします。舞台となったのは、市民を始め多くの人に親しまれている横浜・八景島シーパラダイスです。海に面したこのレジャー施設に設置されている実証実験施設でワカメの飼育や収穫イベントや、トライアスロン大会を通じてカーボンオフセットを実施するなどしていきます。そして2016年には、横浜市漁業協同組合、八景島シーパラダイスの運営母体である株式会社横浜八景島、横浜市を拠点に沿岸域環境の保全・再生・創出に取り組むNPO法人海辺つくり研究会と共にボランタリークレジットを作成。地元企業やトライアスロン大会参加者に購入してもらい、22.8トン分のCO2排出量削減に貢献したそうです。またその他にも、国内におけるブルーカーボン事業の活性化を目指す「自治体ブルーカーボン推進連絡会議」の創設や、八景島周辺で獲れた海藻を用いた商品開発、企業とのコラボレーションなど、横浜市民と海を近づける活動を展開していきました。

image_event_220221.005.jpeg「横浜ブルーカーボン」の概要

このように横浜市をベースにブルーカーボン事業を推進する信時氏ですが、これまでの経験を基に一つの重要な指摘をします。それは「ボランティアベースの自然再生活動は持続可能ではない」ということです。海辺の環境活動は小規模な市民団体やNPO法人によって支えられているケースが多く、活動主体の資金が枯渇したら終わりになってしまいます。信時氏が紹介した事例では関連するNPOや漁業協同組合に資金が回るようにしていますが、2050年のネットゼロ達成のためには、税金以外の資金が導入される仕組みの確立が不可欠になるのです。そこで設立されたのが、沿岸域における気候変動対策事業促進をするために、沿岸域の環境価値の定量的評価や資金メカニズムの試験研究を行うJBEです。このJBEでは、海洋に関する取り組みを社会実装していくために、ヒト・モノ・カネ・シクミの観点で活動を展開。沿岸域における環境価値の定量的評価や価値の創造・向上、社会的コンセンサスの形成や資金メカニズムの導入などを試みています。具体的な動きとして挙げられたのが「Jブルークレジット」の研究開発です。これはブルーカーボンへの取り組みを加速させるものとして期待されており、2021年には横浜ベイサイドマリーナで行われている藻場づくり活動が第一号認証を受けています。

image_event_220221.006.jpeg「ブルーカーボンの発展には資金還流の仕組みが鍵になると信時氏

「Jブルークレジットの第一号認証では、東京ガス、住友商事、セブンイレブン・ジャパンなどの巨大企業にクレジットを購入いただきました。その額としては全体で数十万円ほどではありますが、企業の姿勢を世に示す意味を理解していただいたものだと思っています。現在、その他にもJブルークレジットの申請は来ていますので、今後は次の一手を打っていきたいと思っています」(信時氏)

海域環境改善に顕著な効果を見せる鉄鋼スラグ

image_event_220221.007.jpeg鉄鋼スラグ製品を海域環境改善に活用する背景

続いて、JFEスチール株式会社のスラグ事業推進センターで鉄鋼スラグの高付加価値利用技術や、海域環境改善技術の開発、新規市場開拓などを手掛ける宮田康人が登壇。宮田氏は、「鉄鋼スラグ製品を用いた海域環境改善の取り組み」と題し、鉄鋼スラグの海域環境改善効果や、JFEスチールの取り組み事例などを紹介いただきました。

そもそもスラグとは、鉱石から金属を製錬する際、あるいは焼却施設でゴミを処分した際に発生する物質のことです。前者を金属製造工程起源スラグ、後者を廃棄物加熱溶融起源スラグと呼びます。JFEスチールが取り扱うのは、前者の中でも鉄鋼製品の製造工程で生まれたものを指す鉄鋼スラグです。鉄鋼スラグは日本では毎年0.4億トンほど発生していて、それらはセメントやアスファルトの材料などとして販売されています。加えて今注目度が上がっているのが、海域環境改善への活用です。

「赤潮や青潮の発生、浅場・藻場・干潟の消失、生物の生息場の消失など、海域環境には様々な課題があります。これらの改善には底質改善や浅場・藻場の造成などが有効ですが、天然資源はだんだん枯渇していますし、海域環境改善のために別の場所から天然資源を取って来ようとすると新たな環境破壊を招く恐れがあります。そこで着目を浴びているのが海域向け鉄鋼スラグ製品なのです」(宮田氏)

鉄鋼スラグ製品は、周辺海域へのpHの影響はなく、青潮の原因となる硫化水素の発生を抑制します。また貝やエビ、カニといった底棲生物の増殖機能を有し、付着性の生物の着生基盤となるなど、様々な面で海域の環境改善に効果があるのです。そのため、水和固化体の製造の材料や、天然石の代替品、環境改善資材として使用されています。鉄鋼スラグ製品を通じて環境改善に寄与することは、JFEスチールとしてはSDGsへの貢献となるため、まさに一石二鳥の取り組みとなっているのです。

image_event_220221.008.jpeg鉄鋼スラグ製品を用いた海域向け製品例

続いて宮田氏は、鉄鋼スラグ製品を用いて実際に海域環境改善を実現している2つの地域の事例を紹介しました。ひとつめは横浜市の山下公園前の海域です。山下公園の海域では、海底はヘドロに覆われ、赤潮が発生し、生物の生存に悪影響を及ぼす貧酸素化を招いていました。こうした状態を改善するためにJFEスチールは横浜市と連携して、スラグ製品を用いた「つき磯」を造成します。

「推進が浅いところには鉄鋼スラグを用いて作った水和固化体を置き、深いところには環境改善資材であるマリンストーンなどを置いていきました。ヘドロ等で生き物の住処がなかった海底にスラグ製品を置いて藻や生物の逃げ場を作り、着生させることで夏場の貧酸素化を緩和することを狙いました。時間が経つに連れて着生する生物が増えていったことが確認できています」(宮田氏)

着生した生物の中には、水質浄化能力を持つムラサキガイやホヤなどもおり、周辺の水質浄化も実現したといいます。

また、広島県福山市の福山港内港地区においては、閉鎖的な海域であることから海底にヘドロが堆積して悪臭が発生していたため、マリンストーンによって硫化水素を抑制する取り組みを実施。一定期間が経つと顕著に溶存硫化物の数値が下がり、悪臭の減少や生物の復活が認められたそうです。

現在ではこれらの実績が認められ、横浜市と海づくりに関する連携協定を締結したり、広島大学との共同研究講座を通じてブルーカーボンの研究などに取り組んでいると言います。最後に宮田氏は、「鉄鋼スラグ製品の品質特性は、まだまだ改善や向上の余地がありますが、これからも高品質で用途に適した製品を作り込み、さらに使っていただけるように努力したい」と語り、講演を締めくくりました。

ブルーカーボンを進めるには「声を上げる」ことが大切になる

信時氏と宮田氏の講演を終えたところで、小林氏と吉高氏、並びに受講生を交えたディスカッションと質疑応答へと移りました。まずは小林氏が「ブルーカーボンの規模の小ささ」について指摘します。

「信時さんのご講演の中で、CO2が22.8トン分のCO2排出量を削減したというお話がありましたが、やはり環境省としては数百万、数千万トンという単位での削減を期待してしまうんです。もちろん長期的な効果は期待できそうなのですが、もっと拡大していくにはどのようなことが課題とお考えでしょうか」(小林氏)

信時氏は「ご指摘通り、ビジネスとしてはまだ成り立っていない」と前置きした上で、次のように回答しました。

「日本の場合、海に対する制約が大きいことが一番の原因なのではないかと思っています。それでも、ブルーカーボンに理解を示す自治体もだんだんと増えています。今後、海洋沖の養殖事業や、洋上風力発電事業といったものと連携をしていければ、規模の拡大につながるのではないかと思っています」(信時氏)

信時氏が挙げた「海に対する制約」とは、地域の漁業関係者や港湾局からの理解を得る難しさも含まれます。

「講演の中で八景島シーパラダイスでの活動を紹介しましたが、あの事例は八景島シーパラダイスと連携したからこそ実現できたものです。我々のような海の素人だけでやろうとしていたら、地域の漁業協同組合や横浜市港湾局は許可しなかったと思います。その後、国土交通省や水産庁と共にブルーカーボン検討会を開催していますし、ブルークレジットを世界的に認めてもらうために環境省ともコミュニケーションを取っていますので、少しずつ前向きな風潮になっていることは感じています」(同)

これまでカーボンクレジットに関する様々な取り組みを展開してきた吉高氏は、「カーボンクレジットの算定は大変ですが、それでもブルーカーボンやブルークレジットには期待している」と述べた上で、信時氏と宮田氏に対して今後の見通しを問いました。

「ブルーカーボン事業に最初に手を付けたのは日本だったと記憶していますが、またたく間にアメリカやオーストラリアに抜かれてしまいました。日本は新しいことに関しての伸びが悪い風潮があり、その間に海外に先を越されてしまうのは非常に悔しく思っています。ただ、日本の総合力を考えれば盛り返しも可能だと思いますので、そのためにもオープンイノベーションの動きが必要になってくると考えています」(信時氏)

「当社は今まさにビジネス化に向けて悩んでいる会社ですが、SDGsの観点からスラグ事業を見ていこうとしています。そうした経営はまだ過渡期の状態ですので、今日お集まりの皆様にもご指導いただきながら、ビジネスにつなげていきたいと考えています」(宮田氏)

これに対して小林氏は、「国を頼るだけでなく、民間企業で標準化していきながらJクレジットにする方がいい場合もある」と口にします。

「冒頭でも触れましたが、主権国家でスキームを作ることが本当にいいのかは疑問を感じています。もちろん有効だとは思いますが、他の主体でもいいと思いますし、そこからの動きが出てくると弾みがつくとも感じています」(小林氏)

また吉高氏は「日本から声を上げることの重要性」を指摘しました。

「今後COPでもブルーカーボンは大事な議題になってくると思います。そこで、我々からも海洋に対する危惧を発信し、声を上げていく必要があります。そして日本政府がCOPで提案するような流れを作れれば、各国も動き出していくでしょう。私も含めてですが、声を上げることの重要性を認識したいと思います」(吉高氏)

議論は尽きませんが、ここで終了の時間を迎えました。最後に小林氏は次のようなメッセージで本セッションを締めくくりました。

「今日のお話を通して、ブルーカーボンには相当なチャンスがあるとお感じいただけたかと思います。ただし、炭素吸収量の観点からだけでこれをドライブさせていくのは苦しいのも事実です。利益を上げられる目はありますので、ブルーカーボンが評価されるようなシクミを作っていく必要があるでしょう。今回のご参加者の皆様も、ブルーカーボンに興味を持つ方がいればぜひご意見をいただければと思います」(小林氏)

こうして2021年度のCSV経営サロンはすべての回を終えました。今後もこのサロンでは環境ビジネスに関するディスカッションや情報発信を行っていく予定です。この領域は、これからの時代に必要不可欠なものであり、同時に、環境ビジネスの発展には多くの方々のご協力がなくてはなりません。皆様のご参加を心よりお待ちしています。

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環境経営の本質を企業経営者が学びあう

エコッツェリア協会では、2011年からサロン形式のプログラムを提供。2015年度より「CSV経営サロン」と題し、さまざまな分野からCSVに関する最新トレンドや取り組みを学び、コミュニケーションの創出とネットワーク構築を促す場を設けています。

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