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【大丸有】「つなげる」って何をつなげているの?

「大丸有つながる食プロジェクト」の可能性

「都市の食」のあり方を模索する

毎月2回開催される「丸の内 行幸マルシェ×青空市場」のうち、1回は必ず出店している「大丸有つながる食プロジェクト」(以下プロジェクト)。他のブースに比べて売っている野菜の種類は多くはないし、失礼ながら、お値段はちょっとお高め。これってどんなものを売ってるんでしょうか?

「プロジェクトで認定した農家さんが生産した安心で安全な野菜や果物を販売しています」と話すのは、プロジェクト事務局を運営している株式会社グリーンデザインの中村正明さんです。「確かによそと比べると高いですけど、必ず買ってくれる人がいて、売れ残ることはあまりないんですよ」。

プロジェクトは、2012年3月に都市の食を考えるワーキンググループの発案でスタートしました。都市の食はどうあるべきなのか?をテーマに、「消費者のためになる食」「つながりを取り戻す食」「大丸有だからできる食」をビジョンに掲げて活動しています。現在参加しているのは、大丸有の17のレストラン(大丸有外に3店舗)と、全国1308の生産者、流通業者2社。

具体的には、
(1)参加しているレストランで、認定生産者から食材を共同購入
(2)生産地の視察ツアー
(3)マルシェへの出店
を行っています。

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つなぐのは生産者とシェフ

つなぐのは生産者とシェフ

2013年7月に開催された生産地視察ツアー。千葉の農場視察に、7社12名が参加しました

共同購入された食材は、各レストランでメニューとして販売されています。生産者とレストランをつなぐことで、「安全安心な野菜を使ったメニュー」とお客さまにも喜んでいただけるし、レストランのバリューも上がります。シェフを連れての生産地視察ツアーを行っているのは、このつながりをもっと強くするためです。生産者と出会い、農場を見たシェフは、感動を新たにしてレシピ開発、調理に取り組むのだそう。

「この共同購入の輪を広げるために、定期的にシェフを招いて試食会も行っています。やはりただ安全です、安心ですだけではなくて、人と人がつながって、思いが伝わらないと、その先に広がっていかないと思います。ですから、最近は生産者を大丸有に連れてきて、シェフが料理している様子を見てもらったり、料理を食べてもらうという"逆視察"も始めました」

生産者とシェフとでは、「おいしい」の切り口が違っていて、時にはお互い一歩もゆずらぬ議論になることもあるのだとか。しかし、そうしたこだわりをぶつけ合うことで、尊敬しあえる良い関係が醸成されていきます。視察ツアーも、シェフばかりでなくホールスタッフでも「行きたい」という人が増え、参加希望者の輪が広がっています。「お客さんと接するのはホールの方ですから、生産者とつながるストーリーを作るためには全員の力が必要です」と中村さんは話します。

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ストーリーを完結させるのは「あなた」

ストーリーを完結させるのは「あなた」

売り子をする中村さん(左)。ただ売るのではなく、野菜のことを熱く語ってくれる

中村さんの言うように、この生産者とつながるストーリーが最後にたどりつくのは消費者。つまり「あなた」です。
「安全な食べ物への意識は高まっていますが、まだまだリテラシーが高いとはいえません。プロジェクトに参加するシェフや生産者、流通業者の方が増えてきましたから、今度は、一般の方に向けてディスカッションをする場所を提供していけたらと考えています」

マルシェに出店しているのも、消費者とのつながりを持つためです。出店のときは、中村さん自らが売り子をして、通りかかるお客さんと熱心に話しこみます。「こうやってコミュニケーションした内容を、シェフに還元してメニュー作りや次の食材選びの参考に役立てていますし、生産者にも伝えていけたら」と中村さん。仰るように、食に意識の高い一定の層は足を止めて購入しますが、それ以外の人への認知拡大は大変そうです。

「そこでお願いしたいのは、ぜひともマルシェで、いろいろな人の話を聞いてみて、ということなんです。どんな人たちがいて、何を売っているのか。どんな思いが込められているのか、それに耳を傾けてほしいんです。それがマルシェの楽しみ方でもあるし、新しい発見がきっとあるはずです」
10月の出店では、新米の季節でもあるので新米にクローズアップした企画をやる予定だそうです。もしかしたら炊き立て新米の試食もあるかも? 10月11日の「丸の内 行幸マルシェ×青空市場」、あなたもぜひ足を運んでみてください。


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