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東京・丸の内で活躍するサラリーマンを立派な"イクメン"にしようと2014年に発足した「丸の内イクメン部」。これまでは、子どもと過ごす時間と場を提供することで、ママに自由なひとときを過ごしてもらうパパと子どもの料理教室や、親子がみんなで楽しめる「イクメンフェス」などを開催してきましたが、8月26日のイベントは「プレママ&プレパパセミナー」という、これまでとはちょっと違った取り組み。およそ20組の、これから子どもが生まれるというカップルが集まって開催されました。
そもそも丸の内イクメン部は、明治安田生命が取り組む地域貢献活動のひとつ。「丸の内のオフィスワーカーを立派なイクメンに」という趣旨に賛同するさまざまな企業と協力して取り組んでおり、今回のプレパパ・プレママセミナーは、ミキハウスとのタイアップによるものになります。
ミキハウスでは各店舗で定期的に1回2組程度の小規模な「プレママセミナー」を開催しており、出産・育児のサポートに努めています。同社担当の加藤氏は「ミキハウス単独でやるよりも幅広い層に届けることができる」と今回のタイアップに至った経緯を説明。ミキハウスでは多くても2、3組対象のセミナーのために、20組の参加者を前に「こんなに大勢集まってもらえてうれしい」と話しています。
セミナーは2部構成で、前半は肌着の選び方、着せ方。後半は入浴のさせ方を指導しました。赤ちゃんの代わりに同サイズ・重量の人形を使うリアルなもので、参加するカップルも、本当の子どもを扱うように慎重に、優しげに練習する姿が見られました。
参加者に喜ばれたのは、「どんな種類の肌着を何着用意しておくべきか」「どんな洗剤を使うべきか」といった、非常に直接的な情報と指導でした。
この際に、ミキハウスの製品・商品を案内しないところが、同セミナーの性格をよく表しているといえそうです。前出の加藤氏は、「このセミナーは営利目的でやるものではなく、企業色を出したくない」と話しており、その意味でもイクメン部とのタイアップは「趣旨に沿うもの」だったそうです。
「ミキハウスは"子どもに夢を持ってもらう"という哲学がある。その入口で、生む決断ができない人がいるとしたら、そこをまずサポートしたいのであって、モノを売ることは二の次、三の次」
参加したカップルからは、「知らないことが多かったので勉強になった」「出産に前向きになれた」とポジティブな感想が聞かれました。また、夫婦での参加もあり、「夫が育児(参加)に前向きになってくれたのがうれしい」という感想も。もっとも「子どもを扱う手つきが不安(笑)」という声も聞かれ、周囲から笑いが聞かれました。立派な"パパ"になるにはまだまだ勉強が必要なようです。
丸の内イクメン部を主催する明治安田生命の村上氏は、「オフィス街で育児セミナーをやることに(人が集まるか)不安があったが、想像以上に反響があって驚いた。逆にオフィス街だからこその意味もある。今後も継続して取り組みたい」と意欲を見せていました。