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大手町・丸の内・有楽町(大丸有)エリアの人事部ご担当者の支援・情報共有の場として、2016年より定期的に開催している「人事部連絡会」。同会は、異業種交流による各社の取り組みやノウハウなどを共有することによって、大丸有エリアでの知の共有・新たな働き方を促進すると共に、同エリアの企業・就業者の満足度を向上させ、よりWell-Beingなエリアへ変革していくことを目的としています。
2021年12月10日に開催された2021年度第2回のテーマは、「Well-Beingな働き方とは何か?どうそれを実現していくか?」です。コロナ・パンデミックにより、テレワークやワーケーションの導入が本格化するなど、従来の働き方を見直す契機となっている一方、人材マネジメントの面ではメンタルヘルスへの対応が求められるなど、さまざまな課題も指摘されています。そうした潮流を踏まえたうえで、今回は、古田秘馬氏(株式会社umari代表兼プロジェクトデザイナー)、井上亮太郎氏(株式会社パーソル総合研究所 シンクタンク本部 主任研究員)、小林洋平氏(東京海上日動火災保険株式会社 本店営業第三部 都市開発室)ら、有識者や企業からのプレゼンテーションを通して、参加者の皆様と共に、Well-Beingな働き方への見識を深める時間を共有しました。本レポートでは、その様子をお届けします。
古田秘馬氏(株式会社umari代表兼プロジェクトデザイナー)
井上成氏(三菱地所株式会社 エリアマネジメント企画部兼新事業創造部 担当部長)
最初に、古田秘馬氏と井上成氏が登壇し、「丸の内ワークカルチャーラボ」の取り組みについて説明しました。2020年7月31日に立ち上がった丸の内ワークカルチャーラボは、一人ひとりの Well-Beingと企業の持続的成長の両方を実現するこれからの時代の「働き方の文化=ワークカルチャー」を検証・提案・実践するためのプロジェクトです。参画企業の従業員それぞれの目標が、会社のビジョンや目標と連動し、個々人が持っている能力を最大化する働き方を主体的に選択することで成果が出れば、一人ひとりの Well-Beingと企業の持続的成長が両立するという考え方に基づいています。
「時代の流れによって、人々の価値観が大きく変わるタイミングがあります。今回のコロナ・パンデミックでは、健康というものを害された時に、いかにWell-Beingであることが重要かと、多くの人が気づいたのではないかと思います。サイボウズの青野社長がおっしゃっているように、ルールとツールが変われば、文化は変わると思います。出社する代わりにテレワークで働くというルールが出来たことによって、ZoomやTeamsのようなツールが急速に普及しましたが、文化として定着していないため、Web会議の連続により、心身共に疲れてしまうといったことが起きてきます。丸の内ワークカルチャーラボは、この新しい時代の中で求められる働く文化を検証・提案・実践するべく、立ち上がりました」(井上氏)
在宅勤務をはじめ、オフィスでの執務を中心とした従来のスタイルとは異なる働き方が試されているコロナ禍の社会状況を踏まえ、一人ひとりの Well-Beingと企業の持続的成長を両立させる働き方を実証・分析するべく、このプロジェクトには、株式会社イトーキ、花王株式会社、東邦レオ株式会社、西川株式会社、三菱地所株式会社の5社をはじめ、Well-Beingな働き方の研究を行うパーソルホールディングス株式会社が参画しています。
「これからの働き方は、従来の生産性に代わって、創造性がより重視されていくのではないだろうか。このラボでは、こうしたことをテーマに、参画企業の方々と対話を重ねてきました。ただ、生産性と創造性が対立しているのではなく、むしろ生産性についても、改めて考えることが大事だと思っています。脳神経の専門家の先生にも参加いただいているのですが、人が幸福を感じたり、悩んだりすることと、脳の血流には関係性があることや、実はリラックスしている時の方が、創造性が高まることなどが分かっています。こうしたことをもとに、今年度から創造性と幸福度の高い働き方を探るための実証実験をスタートしました」(古田氏)
その第一弾として、2021年7月、香川県三豊市でのワーケーション実証実験が行われました。2000坪の広大な土地に3棟だけ立てられた、瀬戸内海のプライベート空間「URASHIMA VILLAGE」に、各地域の企業から約20名の方が参加しました。この実証実験の特徴は、ワーケーションを行う前に、血圧などのバイタルデータを測定し、心の状態についても定性的なアンケートを取っていること。そして、地域についての見識を深めるためのインプットの時間を設けていることです。「地域のプレーヤーたちのチャレンジをしっかり見ることも、インプットとして重要なポイントだと思います」と古田氏が言うように、廃業となった酒蔵をリノベーションした宿『三豊鶴TOJI』、三世代をつなぐ『宗一郎豆腐』など、参加者は、地域のさまざまな施設や人との交流を図りました。
このワーケーションでは、リラックスメソッドとして「発散系ディスカッションタイム」が取り入れられています。砂浜を裸足で歩く、海辺の焚き火を囲んで対話を楽しむなど、自然の中でリラックスする時間を持つことを目的としています。また、海に向かってストレッチを行うなど、心を整えるための「ニュートラルタイム」も実践され、最終日には、参加者全員でワーケーションを振り返る時間が共有されました。
「ワーケーション自体が、全てを解決するということではありません。ただ、これまで社内でのコミュニケーションが中心だったのに対し、普段とは違う環境に身を置くからこそ、企業間のコラボレーションが可能になるということが起きてきます。単なるレクリエーションではなく、できるだけリラックスをした時間を持ちながら、マインドについてもしっかりモニタリングを行い、そのデータに基づいたプログラム内容を考えること。また、ワーケーション後の地域との関係性をいかに作っていくか、自分たちが持っている能力をいかに地域に還元していくかということなど、この実証実験では、ワーケーションにおけるさまざまな重要点を見出すことができました」(井上氏)
「今回の実証実験を通じて、ワーケーション後の地域との関係値を作ることが、幸福度を高めるのではないかということを、仮説の一つとして立てています」と井上氏は話します。
「その地域の関係人口になることが、ひいては、地域とのつながりを深めていくことになるのではないかと思います。その意味では、幸福度が、我々の活動におけるKPIの一つかもしれないと議論を重ねていく中、国がWell-beingを重要政策として位置づける動きが出てきました。我が国の経済社会の構造を人々の満足度(Well-being)の観点から多面的に把握し、政策運営に活かしていくことを目的とした『満足度・生活の質を表す指標群(Well-beingダッシュボード)』では、満足度が一つの指標に入っています。つまり、個人の主観的な評価である満足度を"見える化"しようとしているということであり、行政の動きと、我々がやろうとしていることの方向性が一致してきたことを実感しています」(古田氏)
「企業とどんな風に連携していくのかということを考える力を地域力とするなら、最近は、その力が高い地域と、そうでない地域の差が出てきていることを感じています。これからは、企業だけでなく、地域もリテラシーを上げていく必要があると思います」と古田氏は付け加えました。
丸の内ワークカルチャーラボでは、この実証実験のほかにも、2021年5月と8月に「丸の内ストリートパーク」での緑豊かな屋外空間における実証実験を行いました。2022年1月と2月には、丸の内エリアを中心とした通常時のワークプレイスでの実証実験を予定しています。
3月上旬には、第2回目となるワーケーションの実証実験が、静岡県下田市の「WORK×ation Site 伊豆下田」で実施されます。今回は、リラックス&アクティブメソッドを取り入れた際の効果検証を行う予定で、兼業・副業マッチングや農泊も行えるよう検討中とのことです。
「最近、一部の経営者の間では、サウナが注目されています。情報をシャットアウトし、老廃物を取り除きながら、サウナの中で会議を行うケースも多くあるように、情報だけではなく、創造性が重要になってきているとも言われています。この実証ワーケーションでは、どんな時に、どんなリラックスやアクティブメソッドを行うといいのかといったことを検証していく予定です。また、兼業・副業で、地域の業務に携わる仕組みづくりも検討しているほか、この実証ワーケーションと並行して、自宅や会社でできるリラックス&アクティブメソッドに関する実証も計画中ですので、ぜひご参加いただければと思います」
井上亮太郎氏(株式会社パーソル総合研究所 シンクタンク本部 主任研究員)
次に井上亮太郎氏が登壇し、「コロナで見直されたWell-beingな働き方」についてプレゼンテーションを行いました。最初に取り上げたのは、Well-beingの潮流です。
「Well-beingは抽象的な概念ですが、『身体的、心理的、社会的にも良好な状態であること』というWHO(世界保健機関)の定義で説明されることが多いです。つまり、Well-beingとは、健康、幸福感、つながりが良好な状態にあることを意味しています。先ほど古田さんからもお話があったように、国もWell-beingに着目していますが、近年は金融業界でも、ESG投資との関わりにおいてもWell-beingが注目されており、実経済にもかなり浸透している概念です」
井上氏は、2020年7月、パーソル総合研究所が公表したレポートの概念図をもとに、Well-being経営について説明しました。
「Well-being経営とは、従業員の多様な働く目的と持続可能な組織の成長を整合させるマネジメントを意味しています。働く人の幸せを考えた時、従業員の想いと企業の想いがすれ違ってはなりません。最近は、その対象を社外のステークホルダー、株主、取引先、顧客とさらに範囲を広げ、社会全体の幸せを考慮したWell-being経営を意識する企業も増えてきています。経済産業省が2020年9月に公表した『人材版伊藤レポート』をご覧になった方も多いと思いますが、このレポートの中でも、組織を超え、個人を整合させるような人材戦略が必要と述べられているように、人事の世界でもWell-being経営が注目されてきている状況です」
人の幸せや幸福感といった抽象的な概念の実現を、なぜ企業が目指せるのでしょうか? この問いについて、井上亮太郎氏はこのように話します。
「就業者の幸福度が高まると、創造性や生産性が高まり、欠勤率や離職率を下げることができる。これを裏付けるエビデンスが、特に、海外の事例では多く見られています。そこで注目されているのが、非財務情報の開示です。とりわけ人的資本情報の開示には、日本でも、丸井グループ、清水建設、積水ハウス、パーソルグループなど、各企業が力を入れ始めています。株主との対話の中でも、あるいはこれから就職する若く優秀な方たちにも、きちんと伝えていきたい。そんな想いのもと、各社が統合報告書の中で開示し始めています。IRの方が中心となってまとめるケースが多いですが、人的資本に関する情報ゆえに、人事部門がイニシアチブを取り、何をどう発信していくかを検討していかれると良いのではないかと思います」
続いて、井上亮太郎氏は、Well-beingの指標について説明しました。
「北米と日本における幸福感の違いを見ると、前者は、誇り、達成感、自尊心などが、幸せに結びついていることが分かっているのに対し、後者は、穏やかさ、親しみ、人並み感、関係性調和などとなっています。ここでは北米との比較を取り上げましたが、幸せとは社会・文化的な背景に影響を受けるものであり、他国の概念で尺度を開発しても、日本人には適さないのではないかという懸念がありました。また、Well-beingの概念は、QOLの流れから積み上がってきているので人生の幸福尺度はさまざまにありますが、職業生活におけるWell-beingの指標というのは、ほとんどありません。そこで、当社では、2レイヤーから成るWell-beingの独自指標を開発しました。1つ目は、『はたらいて笑おう』という弊社のグループビジョンにも整合するレイヤーで、主にグローバル調査などで使う3項目の指標を用いています。2つ目は、組織や個々人の特徴を見ていくための尺度として、『はたらく人の幸せ/不幸せ』というレイヤーになっています。ウェブ上でも、『はたらく人の幸せ不幸せ診断』というサイトを無償で公開しているので、ぜひご活用ください」
次のテーマは、働く人の幸せ・不幸せと個人・組織パフォーマンスへの影響です。
「我々が行った調査の分析結果によると、はたらく幸せ実感を高めると、個人、組織のパフォーマンス、ひいては売上高増加率もプラスになり、不幸せ実感が高まると、直接的に個人パフォーマンスを下げるということが統計的に分かりました。その後、企業6社の従業員の方を対象に行った調査によると、はたらく幸せ実感が高まると、個人パフォーマンス、組織市民行動、挑戦志向などが高まることが分かりました。このことから、"従業員のはたらく"を通じた幸福を追求することは、福利厚生としての意味合いだけでなく、経営上の利益をもたらす非財務指標として有効な観点だと捉えています」
「コロナ禍が、働き方にどのような変化をもたらしたか?」を探るべく、井上亮太郎氏らが行った調査によると、はたらく幸せ実感と、はたらく不幸せ実感については、コロナ前後でほとんど差は見られなかったそうです。また、在宅勤務、モバイルワーク、ワーケーションなどは、はたらく幸せ実感にプラスの影響が見られた一方、注意すべき点も確認されたとのことです。細かく分析していくと、自己成長、リフレッシュ、他者貢献などの「7つのはたらく幸せ因子」において、テレワーカーの方が出社者に比べ総じてスコアが高かったものの、はたらく不幸せ因子において良好であったのは、不快空間因子、評価不満因子のみでした。
「20代のテレワークを例に挙げると、はたらく幸せ実感の高い人と、はたらく不幸せ実感の高い人の二極化が顕著に現れていて、後者は、オーバーワーク、協働不全、自己抑圧、疎外感などの因子が高い傾向にありました」
井上亮太郎氏は、オーバーワーク因子について取り上げ、次のように話しました。
「休みへの満足度は、パフォーマンスに良い影響を与えていることが分かっています。いい休み方をするための尺度として、心理的距離、リラックス、熟達、コントロールという4つの因子で構成される"リカバリー経験"という概念がありますが、ワークエンゲージメントを高く維持するためには、適度に仕事との心理的距離を取ることも肝要です。つまり、メンタルヘルスとワークエンゲージメントを自分の中でいかにバランスさせるかという問題です。テレワーカーになって、余暇時間が増えたと回答した人が多くいる一方、減ったという人も少なくありません。上手に休むことは、これからの時代のビジネススキルだと言えます。また、休みの満足度を高めるためには、サードプレイスが重要であるとも言われています。これは因果関係ではありませんが、サードプレイスを持つ群の方が持たない群よりも、パフォーマンスが高い傾向が確認されています」
最後に、井上亮太郎氏は参加者に向けてメッセージを送り、締めくくりました。
「人事の方も、ぜひ地域活性の支援やワーケーション、副業に関わってみることをお勧めします。地元の取り組みやボランティア活動に参加してみたり、いつもとは違う場所で、違う人と、違う時間の使い方で仕事をしてみる、あるいは、人事の方こそ、2枚目の名刺を持つことで、新たな自分を発見することができるかもしれません。社員の方々のWell-beingを考えるためにも、まずは人事の皆さんがWell-beingであることを願っております」
小林洋平氏(東京海上日動火災保険株式会社 本店営業第三部 都市開発室)
次に、小林洋平氏が登壇し、同社におけるコロナ対策を契機とした新しい働き方と課題について説明しました。
「働き方の変化については、主に3つあります。1つ目は、在宅勤務の定着です。コロナの感染対策によって出社が制限され、これまで一部社員の活用に留まっていた在宅勤務が急速に浸透しました。それに伴い、月次単位の在宅勤務条件日数も撤廃され、新しい働き方として定着しています。緊急事態宣言の解除後は、シェアオフィスなどの活用も進み、社員が働く場所を自由に選びながら働き始めている状況です。2つ目は、デジタルツールの活用です。ZoomやTeamsによるリモート会議の活用が広まり、会議室に集まって行う旧来型の会議は減少し、リモート会議が主流となりました。また、チャットの活用も進み、テキストベースでのコミュニケーションが増えています。3つ目は、働く時間の自由度の向上です。在宅勤務や取引先とのリモート会議によって、移動時間が削減され、社員が自由に使える時間が増えました。新しい働き方に合わせて、『スーパーマイセレクト(就業時間の任意設定)』や半日休暇と各種制度の併用が認められるようになり、勤務形態の自由度が高まっている状況です」
スーパーマイセレクトの事例として、小林氏は一例を紹介しました。
「コロナ前は、朝9時に出社し、定時の17時から少し残業して終業するというような働き方でしたが、スーパーマイセレクトを利用した場合、午前中は子どもの授業参観に参加して、13時に在宅勤務で始業し、18時から家族で夕食を取ったのち、21時に終業というように、従業員が自分で働く時間を決めるという点で、働き方が大きく変わってきています」
「感染対策を進めていった結果、働く場所や時間の自由度が向上し、デジタルツールを介したコミュニケーションが増加した一方、社員を取り巻く環境の変化により新しい課題が生じています」と小林氏は話します。
「働き方の変化によって生じた課題は、主に2つあります。ひとつは、自由な働き方で、働く時間も場所も選べるようになったことで、社員一人ひとりが自律性を持つ必要が出てきたことです。もう一つは、リモート接点の増加によって、人の温かみを感じられるようなコミュニケーションが自ずと減少する中で、組織への帰属意識・貢献意欲をどのように高めていくかということです」
1つ目の「社員一人ひとりの自律」については、上司にとって、従来のように在社を前提とした指示や業務管理を行うには限界があり、部下としては、一人で業務を行う時間が増加し、かつ受け身の姿勢では業務が進まないケースも増えてきている状況にあります。
「こうした課題認識を踏まえて、社員のやりがい、働きがいを引き出すための施策として、すべての行動の原点は"パーパス"と社員一人ひとりが自ら描く"なりたい姿"を実現しようとする発意にあると捉え、会社の"パーパス"と、社員一人ひとりの"パーパス"を重ね合わせていくことに取り組んでいます。1 on 1ミーティングや小集団ミーティングで各自がなりたい姿を定期的に確認し、会社と個人がどのように変化していけば双方がなりたい姿を実現し、かつ社員の自律心を高められるかについて話し合っています。これと並行して、リモート環境下での社員への適切なフィードバックに取り組んでいるところです」
同社では、ハイパフォーマーの思考・行動特性を評価軸としたコンピテンシー評価と業績評価で人事評価が決定する仕組みですが、リモートワークの浸透により、行動事実に基づくコンピテンシーの評価が難しい状況で、「Teamsなどを活用した意識的な接点の創出による適切な対話の量と質を確保することで、既存の人事制度をうまく機能させていけるよう進めています」と小林氏。
2つ目の「組織への帰属意識・貢献意欲」については、非対面のコミュニケーションの増加などにより組織とのつながりを感じづらく、かつ役割分業が進んでいるため、新たな環境下でも、組織への帰属意識や意欲を高める仕掛けが必要になっています。
「64項目から成るエンゲージメントサーベイを活用し、現状把握と対策の実施を行っているところです。ここで見えてきたのは、職場の一体感や上司の支援が、社員の帰属意識に好影響を与えていること、そして、組織風土や施設環境に関する社員の期待が大きいことです。エンゲージメントサーベイの数値が高かった職場の具体的な取り組みなどを抽出し、社内でのナレッジ共有を図っていきたいと考えています。また、ここ数年、GLTD保険の導入などで、従業員を制度面でバックアップしようとする企業は急速に増加する傾向にあります。安心して働ける環境づくりとしては有効な施策ですが、帰属意識を高めるためには、制度を導入するだけでは十分ではなく、職場の一体感や上司からの支援などソフト面の強化も必要だと感じています」
「当社ではコロナの収束後も、新しい働き方を推進していく意向です。在社を前提とした従来の組織運営では対応できない状況にあるので、引き続き、新しい環境下での組織運営を模索していきたいと考えています」と小林氏は述べ、プレゼンテーションを結びました。
時代の潮流と共に、生活を取り巻くあらゆる事柄が根底から変わろうとしている今、本連絡会のテーマであるWell-beingな働き方が、大きな注目を集めています。この新しい働き方が、私たちの幸福感にどんな影響を与えるのか、身を持って体験する日はそう遠くないのかもしれません。