夏休み期間中、小学生を対象に様々なワークショップを開催し、夏休みの恒例イベントとなっている「大手町・丸の内・有楽町エコキッズ探検隊2012」。丸の内地球環境新聞では、今年も気になる講座に潜入し、子どもたちの様子をレポートします!
今回潜入したのは、親子で最新の耐震技術や建築技術、ビオトープについてまなべる講座「地震につよく、地球にやさしい建物を体感しよう!」。今回のキャンパスは丸の内から少し離れた越中島にある清水建設技術研究所。ここでは、安全・安心な建物づくりやまちづくりのための研究が日夜続けられており、建物自体も免震構造の本館や「水に浮かぶ」風洞実験棟などからなっています。
子どもたちもまずは勉強、さまざまな免震のやり方や建物の構造、研究所で行われている実験についての話を聞いて、模型などを見て、いよいよ見学に出発です。
まずは、建物を見学。地震の揺れを逃がすために建物と柱の間にはめ込まれた「積層ゴム」や建物を水にに浮かべている「パーシャルフロート」構造を実際に見学しました。「今なら地震が来ても大丈夫」という声が上がるほど、地震に対して安心感のある建物だということを実感したようです。
風洞実験棟では、ビル風の検証のための体験風洞で風速15メートルの風も体験、音響実験棟では響音室と無響室で風船を割って音の響きの違いを体験します。無響室は床も含めた全面が吸音材で覆われ、床が宙に浮いたような構造で非常に不思議な感覚を覚えたようです。
午前中は施設の見学や実験設備の体験をたっぷりし、技術研究所のさまざまな最新技術に圧倒された様子の子どもたち。お昼の休憩を挟んで午後はビオトープの勉強です!
午後もまずは説明から。ビオトープとは何かということ、どうしてこの技術研究所にビオトープが必要なのかということについての説明を、ここに集まる生き物についてのクイズなどを交えながら聞きました。この技術研究所は北にある木場公園などと南にある夢の島公園の間をつないでビオトープネットワークを作る場所だということなどを学んで、実際にどんな生き物がいるのかフィールドワークに出発!
ここ技術研究所のビオトープには大きな池があり、その中には魚などが暮らしています。まずは、その池の中が覗けるところから水中の生物を観察します。
池の周りは林になっていて、その中を歩きながら周りの木や草むらを観察。小川も流れていて底にも小さな生き物たちが。セミは姿は見られませんでしたが、鳴き声でミンミンゼミやアブラゼミを確認、抜け殻もたくさん見つかりました。カミキリムシやトンボも発見!
ビオトープ観察の途中で壁面緑化がされた壁も見学、このあとはこの壁に使われている特殊な土を使ってのプランター作りに挑戦です。
この壁面緑化に使われている土は、熱でくっつく糸が混ぜ込まれたエクセルソイルという土。熱すると糸のまわりが溶け土どうしを接着し、スポンジのような感触の土になります。清水建設はこの土をつかったユニット型壁面緑化システムの開発し、このユニットはさまざまなところで使われています。
子どもたちは壁面緑化とエクセルソイルの仕組みについて説明を受け、いよいよ実際に作ってみます。今回はカップにエクセルソイルを詰め、それを電子レンジで加熱、あらかじめ作っておいた凹みにオオイタビといういちじくの仲間の苗を植えて完成です。固形肥料を上において、あとは水をやるだけで育ってゆき、根っこがエクセルソイルに伸びていくそう。
最新の技術とそれが自然と共存している姿を体験した子どもたち。オオイタビを大事に育てて、持ち帰ったチェックシートで家の近くの生き物を観察して、夏休みの自由研究もばっちりかな?
丸の内地球環境新聞では、今後も「大手町・丸の内・有楽町エコキッズ探検隊2012」の模様をお届けする予定ですので、お楽しみに。